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過敏性腸とは?原因・症状・対処を内科医が解説

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過敏性腸とは?原因・症状・対処を内科医が解説

腹痛や下痢、便秘を繰り返しているのに「検査をしても異常がない」と言われた経験はありませんか?そうした症状の多くは、過敏性腸(過敏性腸症候群/IBS) が関係している場合があります。本記事では、過敏性腸の基本的な知識から原因・症状・日常生活での対処、受診の目安までをわかりやすく解説します。なお、実際の診断・治療には医師の診察が必要です。気になる症状がある場合は、専門医へご相談ください。

過敏性腸とは?まず知っておきたい基本

過敏性腸症候群(IBS)と呼ばれることもある理由

「過敏性腸」は、医学的には 過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome) と呼ばれます。腸が刺激や変化に対して過敏に反応し、腹痛・腹部不快感・便通異常(下痢・便秘)などの症状が慢性的に繰り返される状態を指します。ローマ基準(Rome基準)という国際的な診断基準が広く用いられており、日本消化器病学会のガイドラインでもこの概念に準拠した診療が推奨されています。

大腸の病気との違い

炎症性腸疾患や大腸がんといった器質的(構造的)な病変とは異なり、過敏性腸症候群では内視鏡や血液検査などで明らかな異常が見つかりにくいのが特徴です。そのため「機能性腸疾患」とも分類されます。ただし、自己判断で決めつけることは危険です。他の疾患を除外するためにも、継続的な症状がある場合は医療機関での検査が大切です。

過敏性腸でみられる主な症状

腹痛や腹部不快感

腹痛は最も代表的な症状のひとつです。排便によって一時的に和らぐことが多いとされています。

下痢型・便秘型・混合型などのタイプ

IBSはその便通パターンによっていくつかに分類されます。

  • 下痢型:突然の腹痛とともに水様便・軟便が続く
  • 便秘型:硬い便や排便困難が中心
  • 混合型:下痢と便秘が交互に現れる

特に下痢型は外出時・緊張時に症状が出やすく、日常生活への影響が大きいとされます。

お腹の張り、ガス、残便感

腹部膨満感・ガスの溜まり感・残便感なども多くみられます。これらは「症状が軽い」とされがちですが、生活の質(QOL)を大きく低下させることがあります。

過敏性腸の原因として考えられること

腸の動きの乱れ

腸の蠕動(ぜんどう)運動が過剰あるいは不規則になることで、腹痛や便通異常が引き起こされると考えられています。

ストレスや自律神経の影響

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、脳と腸は密接に連動しています(脳腸相関)。精神的ストレスや不安が自律神経を乱し、腸の機能に影響することが知られています。

食事内容や生活習慣との関係

高脂肪食・刺激物・アルコール・カフェインの摂取、不規則な食事時間なども症状を悪化させる場合があります。近年はFODMAP(発酵性のある糖質の一種)が豊富な食品が症状に関わるとして注目されています。詳しくは医師や管理栄養士にご相談ください。

感染性腸炎のあとに起こることもある

胃腸炎(感染性腸炎)にかかった後に、腸の過敏状態が続いてIBSを発症するケースが報告されています。これを「感染後IBS」と呼びます。

どんなときに過敏性腸を疑う?

症状が続く期間の目安

Rome基準では、「腹痛が直近3か月で月に3日以上あり、その状態が6か月以上前から続いている」ことが診断のひとつの目安とされています。

食事や緊張で症状が悪化しやすい場合

食後や外出前、試験・会議などの緊張時に腹痛・下痢が出やすい方は、IBSの可能性を考える価値があります。

便通異常が繰り返される場合

一度の下痢・便秘ではなく、慢性的に繰り返す場合は自己判断せず受診を検討してください。

受診の目安と、内科で行う主な検査

早めの受診を考えたい症状

以下のような症状が続く場合は、速やかに医療機関を受診してください。

血便、発熱、体重減少があるとき

血便・発熱・体重の著しい減少は、炎症性腸疾患や大腸がんなど他の疾患のサインである可能性があります。これらの症状を伴う場合は、特に早めの受診が重要です。

問診・便検査・血液検査・内視鏡検査など

医師は問診を中心に、血液検査・便検査・腹部エコー・必要に応じて大腸内視鏡検査などを行い、他の疾患を除外した上で診断を進めます。

過敏性腸とまぎらわしい病気

炎症性腸疾患

クローン病・潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患は、血便や体重減少を伴うことが多く、内視鏡検査で鑑別されます。

大腸がん

便通異常・腹痛が続く場合、大腸がんとの鑑別も重要です。特に40歳以上・血便がある場合は内視鏡検査を推奨します。

甲状腺疾患や薬の影響

甲状腺機能亢進症や低下症、一部の薬剤(NSAIDsや抗生物質など)も便通異常を引き起こすことがあります。

乳糖不耐症・食物不耐症

牛乳や小麦などの特定の食品に対する不耐症が下痢や腹部不快感を招くこともあり、IBSとの鑑別が必要です。

日常生活でできる対処

食事の見直し

暴飲暴食を避け、規則正しい食事を心がけましょう。症状に応じて、脂っこいものや乳製品、アルコール、カフェインを控えることが有効な場合があります。

規則正しい生活と睡眠

睡眠不足や生活リズムの乱れは腸の機能に影響します。毎日同じ時間に起床・就床する習慣が助けになることがあります。

ストレス対策とリラックス

ヨガ・瞑想・趣味など、自分に合ったリラックス法を取り入れることが重要です。腹式呼吸は副交感神経を整え、腸の緊張を和らげる効果が期待されるとして注目されています。

運動習慣を取り入れる

ウォーキングなどの軽い有酸素運動は腸の蠕動を促し、便通の改善に役立つ可能性があります。

医療機関で行う治療

薬物療法の考え方

症状の種類・程度に応じて、腸の動きを調節する薬・便秘薬・整腸剤・下痢止め・抗コリン薬・抗うつ薬など、さまざまな薬剤が用いられます。

症状やタイプに応じた治療

下痢型・便秘型・混合型でアプローチが異なります。医師と相談しながら、ご自身の症状に合った治療法を選ぶことが大切です。また、胃食道逆流症との合併が多いことも知られており、PPI(プロトンポンプ阻害薬)が処方されるケースもあります。

心理的な負担が強い場合の対応

症状が長引き、不安・抑うつが強い場合は、認知行動療法などの心理的アプローチや、心療内科・精神科との連携が選択肢となることがあります。

再発や長引く症状と上手につきあうには

症状記録をつけるメリット

いつ・どんな状況で症状が出たか、食事内容・ストレスとの関係を記録しておくと、受診時の情報共有に役立ち、治療の改善につながりやすくなります。

自己判断で我慢しすぎないことの大切さ

「どうせ検査しても異常がないから」と受診を避けることで、他の重要な疾患の発見が遅れるリスクもあります。症状が続く場合は、遠慮なく専門医に相談することをおすすめします。

たまプラーザ周辺で内科受診を考える方へ

受診前に整理しておくとよいポイント

  • 症状はいつ頃から続いているか
  • 1日のうちどの時間帯に出やすいか
  • 食事・ストレス・緊張との関連はあるか
  • 血便・発熱・体重減少など他の症状の有無

気になる症状がある場合は早めに相談を

「過敏性腸かもしれない」と思ったら、まずは内科・消化器内科への相談をご検討ください。たまプラーザエリアで受診を考えている方は、ご予約・お問い合わせよりお気軽にご相談いただけます。

よくある質問(FAQ)

過敏性腸は自然に治りますか?

軽症の場合、生活習慣の改善やストレス管理で症状が和らぐことがあります。ただし、長期間続く場合や日常生活への影響が大きい場合は、自然軽快を待つよりも医療機関で適切な対応を受けることが大切です。

市販薬で様子を見ても大丈夫ですか?

整腸剤・下痢止め・緩下薬などが一時的な症状緩和に役立つ場合はあります。しかし、血便・発熱・急激な体重減少を伴う場合や、症状が数週間以上続く場合は、市販薬の使用に頼らず医師の診察を受けるようにしてください。

何科を受診すればよいですか?

内科または消化器内科が適しています。腹痛・下痢・便秘などの消化器症状を中心とした診察を行います。

学校や仕事を休む目安はありますか?

下痢・腹痛が強く外出が困難な場合や、通勤・通学中のトイレへの不安が強い場合は、無理をせず休養を検討することも大切です。症状が続く場合は主治医にご相談ください。

便秘と下痢を繰り返すのは過敏性腸ですか?

便秘と下痢を交互に繰り返す「混合型IBS」の可能性はありますが、他の疾患(甲状腺疾患・炎症性腸疾患など)との鑑別も必要です。自己判断せず、医師の診察を受けることをおすすめします。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割: 厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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