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十二指腸はどこ?原因・症状・対処を内科医が解説

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十二指腸はどこ?原因・症状・対処を内科医が解説

「みぞおちの痛みが気になるけれど、胃なのか十二指腸なのか分からない」と感じている方は少なくありません。十二指腸は胃のすぐ先にある消化管の一部で、みぞおち周辺に位置しています。症状が胃と似ているため見分けがつきにくいですが、原因や治療法が異なる場合もあるため、正しい知識を持っておくことが大切です。本記事では、十二指腸の場所・役割・病気・症状・対処法について、消化器内科の観点からわかりやすく解説します。


十二指腸はどこにある?まずは位置と役割を確認

胃と小腸のつながりにある臓器

十二指腸は、胃の出口(幽門)に続く消化管の一部で、小腸の最初の区間にあたります。食べ物は口→食道→胃→十二指腸→小腸(空腸・回腸)→大腸という順に進みます。十二指腸は胃と空腸(小腸の次の部分)をつなぐ重要な”橋渡し”の役割を担っています。

親ページ「食道裂孔ヘルニアとは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】」でも触れているとおり、消化管は食道から連続した一本の管であり、それぞれの部位で異なる役割を果たしています。

十二指腸の長さ・形と、ほかの小腸との違い

十二指腸の名前の由来は、その長さが「指12本分(約25〜30cm)」に相当することからきています。形はアルファベットの「C」字型(またはU字型)をしており、膵臓の頭部を包むように存在しています。空腸や回腸と異なり腸間膜を持たず、後腹膜に固定されているため、動きが少なく位置が比較的安定しているのが特徴です。


十二指腸の場所を図でイメージしにくい理由

体のどのあたりにあるのか

体表から見ると、十二指腸はおおむねみぞおちからへその上あたり、体の中央やや右寄りに位置しています。ただし、後腹膜に固定されており体の深い場所にあるため、外から直接触れたり確認したりすることが難しく、位置をイメージしにくいとされています。

みぞおちの痛みと関連して感じやすい理由

十二指腸はみぞおち周辺にあるため、ここに炎症や潰瘍が生じると、胃痛のように感じられることがあります。また、痛みの感覚は内臓神経を通じて体の表面に伝わるため(内臓痛)、どの臓器が痛んでいるかを自分で判断するのは難しい場合があります。


十二指腸の主な役割

食べ物の消化を助ける働き

胃から送られてきた食べ物(粥状になった胃内容物)は、十二指腸でさらに細かく消化されます。十二指腸自体も消化液を分泌する腺組織(ブルンナー腺など)を持っています。

胃酸を中和する働き

胃から流れ込む内容物は強い酸性(胃酸)を帯びています。十二指腸では膵液(重炭酸塩を含む)によってこの酸を中和し、小腸の粘膜が傷つかないよう守る仕組みが働いています。この中和がうまくいかないと、十二指腸の粘膜がダメージを受けやすくなります。

胆汁・膵液と関わる働き

十二指腸の中ほどにある十二指腸乳頭部(ファーター乳頭)と呼ばれる部位から、肝臓でつくられた胆汁と膵臓でつくられた膵液が分泌されます。これらは脂肪の消化・吸収や、タンパク質・炭水化物の分解に欠かせない消化液です。


十二指腸で起こりやすい病気

十二指腸潰瘍

十二指腸の粘膜が傷つき、深くえぐれた状態です。空腹時や夜間に痛みが出やすいのが特徴で、ピロリ菌感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の服用が主な原因とされています。日本消化器学会のガイドラインでも、ピロリ菌除菌療法が再発予防に有効であることが示されています。

十二指腸炎

粘膜に炎症が生じた状態で、潰瘍の前段階として現れることもあります。症状は潰瘍と似ており、内視鏡検査で初めて発見されるケースもあります。

十二指腸がん

比較的まれながんで、進行するまで自覚症状が出にくい場合があります。黒い便(タール便)・体重減少・黄疸などが現れることがあります。

十二指腸乳頭部周辺の病気

乳頭部付近に腫瘍や狭窄が生じると、胆汁や膵液の流れが滞り、黄疸・腹痛・消化不良などが起こることがあります。乳頭部がん(十二指腸乳頭部腺がん)も、この部位に発生するがんの一つです。


十二指腸の不調でみられる症状

みぞおちの痛み・胃痛のような痛み

十二指腸潰瘍では、空腹時・夜間・食後数時間後にみぞおちあたりが痛むことが多いとされています。食事をとると一時的に痛みが和らぐ場合もあります。

吐き気・胸やけ・食欲不振

炎症や潰瘍の影響で、吐き気、胸やけ、食欲の低下といった症状が現れることがあります。これらは胃の症状と区別しにくいため、自己判断が難しいケースのひとつです。PPIとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】では、こうした症状に使われる薬(プロトンポンプ阻害薬)についても詳しく解説しています。

黒い便、吐血、貧血などの出血サイン

十二指腸潰瘍が進行すると、潰瘍部分から出血することがあります。血液が消化されると黒くタール状の便(黒色便)として現れることがあります。大量出血では吐血や貧血症状(めまい・動悸・倦怠感)を引き起こすこともあります。こうした症状は速やかな受診が必要です。


十二指腸の病気の主な原因

ピロリ菌感染

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、胃・十二指腸の粘膜に感染する細菌で、十二指腸潰瘍の主要な原因のひとつです。日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは、ピロリ菌感染が確認された場合の除菌治療が推奨されています。

痛み止めの使用

NSAIDs(ロキソプロフェン、アスピリンなど)は、粘膜を保護するプロスタグランジンの産生を抑えることで、十二指腸粘膜を傷つけやすくします。長期服用や高用量の使用には注意が必要です。

ストレスや生活習慣の影響

過度なストレス、不規則な食生活、過度の飲酒、喫煙なども粘膜のバリア機能を低下させる要因として知られています。ストレスが直接潰瘍の原因となる「ストレス潰瘍」も存在します。

その他に考えられる要因

ゾリンジャー・エリソン症候群(ガストリノーマによる胃酸過多)など、まれな疾患が原因となる場合もあります。いずれも医師の診察・検査による鑑別が必要です。


受診したほうがよい症状とタイミング

痛みが続く・繰り返すとき

みぞおちの痛みが数日以上続く場合、または繰り返し起こる場合は、消化器内科の受診をご検討ください。

出血を疑う症状があるとき

黒い便、吐血、急な貧血症状(めまい・動悸)がある場合は、速やかに医療機関を受診することをお勧めします。

早めに消化器内科を受診したほうがよいケース

  • 空腹時や夜中にみぞおちが痛む
  • 症状が市販薬で改善しない
  • 体重が急に減った
  • 便の色が黒い・赤い

これらに当てはまる方は、ご予約・お問い合わせからお気軽にご相談ください。


医療機関ではどのように調べる?

問診と診察

いつから・どのような痛みか・食事との関係・服薬歴・ピロリ菌感染歴などを確認します。腹部の触診なども行います。

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)

十二指腸の状態を直接観察できる最も確実な検査です。胃カメラは食道・胃・十二指腸まで一度に確認でき、潰瘍・炎症・腫瘍の有無を調べられます。必要に応じて組織を採取し、ピロリ菌感染の有無も確認できます。

血液検査・便検査・画像検査

貧血・炎症反応の確認、便潜血検査(出血の有無)、腹部超音波・CTなどが組み合わせて行われます。

必要に応じた追加検査

乳頭部付近の詳細な評価が必要な場合は、MRCP(磁気共鳴胆管膵管撮影)や内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)などが検討されることもあります。


十二指腸の病気が疑われたときの主な対処

薬物治療

プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2ブロッカーによる胃酸分泌の抑制、ピロリ菌が陽性の場合は除菌療法(抗菌薬との併用)が行われます。NSAIDsが原因の場合は薬の中止・変更が検討されます。

食事や生活習慣の見直し

刺激物・アルコール・喫煙を控え、規則正しい食事を心がけることが回復を助けます。胃酸の分泌を高める食品(コーヒー・炭酸飲料など)の過剰摂取も控えることが望ましいとされています。

原因に応じた治療の考え方

潰瘍・炎症・腫瘍など原因によって治療方針は異なります。自己判断で治療を中断すると再発リスクが高まるため、医師の指示に従って治療を継続することが大切です。


日常生活で気をつけたいこと

刺激物・飲酒・喫煙との付き合い方

アルコールや香辛料の強い食品、喫煙は粘膜への刺激となり、病状の悪化や再発につながる可能性があります。完全にやめることが難しい場合でも、量や頻度を減らす工夫が助けになります。

市販薬を使う前の注意点

市販の胃腸薬や痛み止めを使う場合でも、症状が続く場合は早めに医師に相談することをお勧めします。特にNSAIDsを含む市販の鎮痛薬は、十二指腸粘膜への影響があるため注意が必要です。

再発予防のために意識したいこと

ピロリ菌除菌後も定期的な経過観察が重要です。また、規則正しい生活・ストレスのコントロール・定期的な内視鏡検査が再発予防に役立ちます。


十二指腸の場所と症状でよくある勘違い

胃痛との違い

胃潰瘍の痛みは食後に出やすいのに対し、十二指腸潰瘍の痛みは空腹時や夜間に出やすいとされています。ただし個人差があるため、症状だけで判断することは難しく、内視鏡検査による確認が必要です。

右上腹部の痛みとの関係

十二指腸はやや右寄りに位置するため、右上腹部の痛みと感じることもあります。同じ部位の痛みでも、胆嚢炎や胆石症との鑑別が必要なこともあります。

「胃が悪い」と思っていたら十二指腸だったケース

みぞおちの不快感や痛みを「胃の問題」と思っていたところ、内視鏡検査で十二指腸潰瘍や十二指腸炎と診断されるケースは珍しくありません。正確な診断には医師による検査が不可欠です。喉の違和感とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】にもあるように、消化管の症状は互いに関連していることがあるため、気になる症状は総合的に確認することが大切です。


まとめ:十二指腸はどこにある?気になる症状は医師に相談を

十二指腸は胃の出口に続くC字型の消化管で、みぞおちからへその上あたり(体の中央〜やや右寄り)に位置しています。消化・胃酸中和・胆汁や膵液の受け取りという重要な役割を担っており、ピロリ菌感染や薬の副作用、生活習慣の乱れなどにより炎症や潰瘍が起こりやすい部位でもあります。胃痛に似た症状が続く場合や、黒い便・吐血などの出血サインがある場合は、早めに消化器内科を受診することをお勧めします。


よくある質問(FAQ)

十二指腸は体のどの位置にありますか?

みぞおちからへその上あたり、体の中央〜やや右寄りの深い位置にあります。胃の出口(幽門)に直接つながっており、後腹膜に固定されています。

十二指腸が痛いときはどんな症状が出ますか?

空腹時・夜間のみぞおちの痛みが代表的です。吐き気・胸やけ・食欲不振を伴うこともあります。出血を伴う場合は、黒い便(タール便)・吐血・貧血症状が現れることがあります。

十二指腸潰瘍は自然に治りますか?

軽度の場合、症状が一時的に改善することはありますが、原因(ピロリ菌感染・NSAIDsの使用など)が残っている限り再発しやすいとされています。自己判断での放置は出血や穿孔などの合併症につながる可能性があるため、医師の診察を受けることが大切です。

胃カメラを受けると十二指腸までわかりますか?

はい。上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)では、食道・胃・十二指腸(主に球部と下行部)を一度に観察できます。十二指腸潰瘍・炎症・ポリープなどの確認が可能です。

十二指腸の不調は内科と消化器内科のどちらを受診すべきですか?

消化器内科の受診が最も適切です。消化器内科では内視鏡検査による直接観察や、ピロリ菌検査など専門的な検査が受けられます。たまプラーザエリアでお悩みの方は、ご予約・お問い合わせからご相談ください。


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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。


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