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咽頭がんの症状|内科医がわかりやすく解説

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咽頭がんの症状|内科医がわかりやすく解説

「のどの違和感がずっと続いている」「首にしこりができた」――そのような症状が長引くとき、咽頭がんの可能性を考えることも重要です。咽頭がんは早期に発見できれば治療の選択肢が広がる疾患ですが、初期症状が風邪やのどの炎症と似ているため、見逃されやすい特徴があります。本記事では、咽頭がんの症状・原因・検査・受診の目安について、医学的根拠に基づきわかりやすく解説します。症状の自己判断はせず、気になる場合は必ず医師の診察を受けてください。

咽頭がんとは?まず知っておきたい基礎知識

咽頭のどの部位にできるがんか

咽頭(いんとう)とは、鼻の奥から食道の入り口にかけての管状の空間で、呼吸・飲み込み・発声に関わる重要な部位です。咽頭がんとは、この咽頭の粘膜に発生する悪性腫瘍の総称です。

中咽頭がん・上咽頭がん・下咽頭がんの違い

咽頭は上から「上咽頭(鼻の奥)」「中咽頭(口を開けたときに見える部分)」「下咽頭(喉頭の裏側から食道入り口まで)」の3つに区分されます。それぞれ発症しやすい原因や症状が異なり、治療法も変わります。

咽頭がんでみられる主な症状

のどの違和感・つかえ感

のどに何かが引っかかる感じや、異物感が続く場合は注意が必要です。2週間以上改善しない場合は受診を検討してください。

飲み込みにくさ、飲み込むときの痛み

食事や水分を飲み込む際の痛みや飲み込みにくさ(嚥下障害)は、下咽頭がんや中咽頭がんで比較的早期からみられることがあります。なお、喉の違和感には咽頭がん以外の原因も多くありますが、長引く場合は専門的な評価が大切です。

声のかすれ・鼻声

がんが声帯や周囲の神経・組織に影響を及ぼすと、声がかすれたり、鼻にかかった声(鼻声)が続いたりすることがあります。

耳の痛み・片側だけの症状

耳の奥の痛みや違和感が、のどの症状とともに現れることがあります。特に片側だけに症状が出る場合は、注意が必要なサインの一つとされています。

首のしこり

リンパ節への転移によって首にしこりが生じることがあります。痛みを伴わない硬いしこりが続く場合は、早めの受診が望まれます。

血が混じる痰、鼻血、口内出血

血の混じった痰、繰り返す鼻血、原因不明の口内出血は、見逃してはならない症状の一つです。

症状が出る部位別の特徴

上咽頭がんでみられやすい症状

鼻づまり、鼻血、耳の閉塞感(耳管狭窄による中耳炎症状)、難聴、首のリンパ節腫脹などが比較的早期からみられます。EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)との関連が指摘されています。

中咽頭がんでみられやすい症状

のどの痛み・違和感、飲み込みにくさ、首のしこりが主な症状です。近年はHPV(ヒトパピローマウイルス)感染との関連が注目されており、比較的若い年代での発症も報告されています。

下咽頭がんでみられやすい症状

飲み込み時の痛みや違和感、声のかすれが特徴です。早期は自覚症状が乏しいことがあり、発見が遅れやすい傾向があります。喫煙・飲酒習慣のある方では特に注意が必要です。

咽頭がんの初期症状で見逃しやすいサイン

風邪やのど炎症との違い

咽頭がんの初期症状は、風邪や咽頭炎・扁桃炎の症状と区別しにくいことがあります。風邪や炎症であれば通常1〜2週間程度で改善しますが、2〜3週間以上症状が続く場合や、一側性(片側のみ)の症状は要注意です。

長引く症状で注意したいポイント

  • のどの違和感・痛みが3週間以上続く
  • 片側の耳の痛みやつまりが改善しない
  • 首のしこりが触れる
  • 原因不明の体重減少

これらは早めに耳鼻咽喉科・頭頸部外科を受診するサインです。

咽頭がんが疑われるときの受診の目安

どの症状がどのくらい続いたら受診するか

のどの違和感・痛み・声のかすれが2〜3週間以上続く場合、あるいは首のしこりや血痰など強い症状がある場合は、速やかに受診することをおすすめします。

耳鼻咽喉科を受診したほうがよいケース

首のしこり、飲み込みの障害、鼻血・耳の症状を伴う場合は、耳鼻咽喉科(頭頸部外科)への受診が適切です。内科やかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門科を紹介してもらうことも一つの方法です。

早めの受診が大切な理由

咽頭がんは早期発見により、より多くの治療選択肢を検討できます。「大げさかな」と感じても、長引く症状は専門家に相談することが大切です。受診のご相談は ご予約・お問い合わせ からも承っています。

咽頭がんの主な原因・関連するリスク

喫煙との関係

喫煙は咽頭がん(特に下咽頭がん)の主要なリスク因子の一つとされています。国立がん研究センターのデータでも、喫煙者は非喫煙者と比較してリスクが高いことが示されています。

飲酒との関係

大量飲酒もリスク因子として知られており、喫煙との組み合わせでリスクがさらに高まるとされています。

HPV感染との関係

中咽頭がんでは、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染との関連が近年明らかになっています。HPV関連の中咽頭がんは比較的若い年齢層にも発生することが報告されています。

そのほか注意したい要因

EBウイルス感染(上咽頭がんに関連)、慢性的な鼻腔・副鼻腔の炎症、EB塩漬け食品の多量摂取なども一部で関連が指摘されています。なお、逆流性食道炎による慢性的な刺激が咽頭に影響することもあり、逆流性食道炎(PPIによる治療)についても参考にしてください。

咽頭がんが疑われたときに行う検査

問診・視診・触診

症状の経過、喫煙・飲酒歴、既往歴などを確認し、口腔・咽頭の視診、首のリンパ節の触診を行います。

内視鏡検査

鼻から細い内視鏡を挿入し、咽頭・喉頭を直接観察します。病変の有無・性状を確認するうえで重要な検査です。

画像検査

CT・MRI・PET検査などにより、腫瘍の広がりやリンパ節・他臓器への転移の有無を評価します。

病理検査(組織を調べる検査)

疑わしい部位から組織を採取し、顕微鏡で細胞を調べます。がんの確定診断には組織検査が必要です。

咽頭がんの症状と似ている病気

かぜ、咽頭炎、扁桃炎

最も頻度の高い鑑別疾患です。炎症性疾患は通常数週間以内に改善します。

声帯の病気

声帯ポリープや声帯炎でも声かすれが続くことがあります。

逆流性食道炎

胃酸が食道・咽頭へ逆流することでのどの違和感や慢性的な咳が生じます。咽頭がんとの鑑別が必要な場合があります。詳しくは喉の違和感の原因について解説した記事もご参照ください。

首のリンパ節の病気

リンパ節炎や反応性リンパ節腫脹、悪性リンパ腫なども首のしこりとして現れることがあります。

咽頭がんは治る?症状があるときに知っておきたいこと

早期発見の重要性

咽頭がんは、病期(ステージ)が早いほど、より多くの治療選択肢を検討できます。長引く症状をそのままにせず、早めに専門家に相談することが大切です。

症状だけで自己判断しないこと

症状の有無や程度だけで咽頭がんかどうかを判断することはできません。診断は医師による診察・検査が不可欠です。インターネットで調べた情報だけで安心したり逆に過度に不安になったりせず、気になる症状は医療機関を受診してください。

受診前に確認したいこと

症状の経過をメモしておく

いつから・どのような症状があるか、改善・悪化の経過、他の症状(体重減少・発熱など)をメモしておくと、診察がスムーズになります。

喫煙・飲酒歴、既往歴を整理する

喫煙歴(本数・年数)、飲酒習慣、過去の病気・手術歴、内服薬などを整理しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

のどの違和感だけでも咽頭がんの可能性はありますか?

のどの違和感のほとんどは、咽頭炎・逆流性食道炎・乾燥など咽頭がん以外の原因です。ただし、2〜3週間以上改善しない場合や、他の症状(首のしこり・声かすれなど)を伴う場合は、専門医への相談が勧められます。

咽頭がんは痛みが出ないこともありますか?

はい。特に初期段階では自覚症状が乏しいこともあります。痛みがないからといって安心せず、気になる症状が続く場合は受診してください。

風邪との違いはどう見分ければよいですか?

風邪や咽頭炎は通常1〜2週間程度で改善します。2〜3週間以上症状が続く場合、片側だけの症状、首のしこりを伴う場合などは、咽頭がんを含む他の疾患の可能性があり、医師の診察が必要です。

首のしこりは咽頭がんの症状ですか?

首のしこりはリンパ節への転移を示す場合がありますが、リンパ節炎や良性疾患でも生じます。痛みのない硬いしこりが2週間以上続く場合は、耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。

何科を受診すればよいですか?

のどや首の症状が続く場合は、耳鼻咽喉科(頭頸部外科)への受診が適切です。まずはかかりつけの内科や当院にご相談いただき、必要に応じて専門科をご紹介することも可能です。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割: 厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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