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咽頭がんの症状|内科医がわかりやすく解説

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咽頭がんの症状|内科医がわかりやすく解説

咽頭がんは、のど(咽頭)に生じる悪性腫瘍です。初期には風邪や咽頭炎と区別しにくい症状が続くことがあるため、「2週間以上改善しない」「片側だけに症状がある」といったサインを見逃さないことが受診の手がかりになります。本記事では咽頭がんの症状・部位別の特徴・受診の目安をわかりやすく解説します。

咽頭がんとは?のどにできるがんの基本

咽頭の場所と中咽頭・上咽頭・下咽頭の違い

咽頭は、鼻の奥から食道の入口までをつなぐ約12cmの管状の器官で、呼吸と飲食物の通り道を兼ねています。解剖学的に上から「上咽頭(鼻の奥・耳管の開口部付近)」「中咽頭(口を開けると見える扁桃・軟口蓋の周囲)」「下咽頭(食道直上)」の3つに分かれており、それぞれに発生するがんを総称して咽頭がんと呼びます。発生部位によって症状・原因・治療方針が異なるため、部位の把握が重要です。

咽頭がんで症状が出やすい理由

咽頭は飲食物・空気・声など多くの機能が集中しています。腫瘍が粘膜や周囲組織を刺激すると、痛み・声のかすれ・飲み込みにくさなど多彩な症状が現れます。一方、初期段階では症状が軽微なため、日常的な咽頭炎や風邪と区別されにくいという特徴があります。

咽頭がんの主な症状

のどの痛みや違和感が続く

咽頭がんで最もよくみられる訴えの一つが「のどの痛み」や「のどの異物感・引っかかる感じ」です。市販薬を使っても改善しない、あるいは2週間以上続く場合は受診の目安になります。

しわがれ声・声のかすれが起こる

声帯に近い下咽頭や中咽頭にがんが及ぶと、声がかすれたり、声量が低下したりすることがあります。もともと声の変化がない方に持続する嗄声(させい)が現れた場合は注意が必要です。

飲み込みにくさ・つかえ感がある

嚥下(えんげ)困難や食事中のつかえ感も重要なサインです。がんが下咽頭~食道入口部付近に発生した場合に起こりやすく、体重減少を伴うこともあります。

耳の痛みや片側だけの症状がある

のどと耳は神経を共有しているため、咽頭がんが原因で「耳が痛い」と感じることがあります。特に片側の耳痛や、片側だけの症状は咽頭がんのサインとして注目されます。上咽頭がんでは耳管が閉塞し、滲出性中耳炎(片側)を起こすことも知られています。

首のしこりに気づく

顎下や側頸部のしこりは、リンパ節転移の可能性があります。痛みを伴わない、触っても動かないような固いしこりが続く場合は、早めの受診をお勧めします。

血の混じった痰や鼻血がみられることがある

上咽頭がんでは鼻血や血の混じった鼻水が初発症状になることがあります。下咽頭がんでは血の混じった痰が見られることもあります。

初期症状で気づきやすいサイン

風邪や咽頭炎との違い

風邪や急性咽頭炎は通常1〜2週間程度で改善します。一方、咽頭がんによる症状は長期間続き、徐々に悪化する傾向があります。「熱はないのにのどの症状だけが続く」という場合は要注意です。

「治りにくい」「片側だけ」が受診の手がかり

受診のきっかけとして覚えておきたいのは①2週間以上改善しない、②片側に限局した症状(のどの痛み・耳痛・しこり)、③飲み込みにくさや体重減少を伴う、という3点です。

咽頭がんの部位別にみる症状の特徴

上咽頭がんに多い症状

  • 片側性の滲出性中耳炎・耳閉感
  • 鼻づまり・鼻血・血の混じった鼻汁
  • 首のリンパ節腫脹(しこり)
  • 頭痛・顔面のしびれ(進行時)

中咽頭がんに多い症状

  • のどの痛み・飲み込みにくさ
  • 口内炎に似た潰瘍
  • 声のかすれや開口障害(進行時)
  • 首のしこり(リンパ節転移)

下咽頭がんに多い症状

  • 食事のつかえ感・嚥下困難
  • 声のかすれ(反回神経浸潤時)
  • のどの異物感・痛み
  • 体重減少を伴いやすい

咽頭がんと間違えやすい病気

風邪・扁桃炎・咽頭炎

急性扁桃炎や急性咽頭炎は咽頭がんと症状が似ていますが、発熱・全身倦怠感を伴い、適切な治療で比較的早く改善します。症状が長期間続く・一側性という場合は鑑別が重要です。

声帯や食道の病気

声のかすれは声帯ポリープ・声帯炎でも起こり、飲み込みにくさは食道炎・食道がんでも見られます。内視鏡検査を含む詳しい検査で部位を特定することが大切です。

逆流性食道炎やアレルギーとの違い

のどの異物感・違和感は逆流性食道炎(咽喉頭酸逆流症)やアレルギー性鼻炎でも生じます。のどの違和感について詳しくは喉の違和感とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もご参照ください。

咽頭がんが疑われるときの受診の目安

どの診療科を受診すべきか

まずは耳鼻咽喉科への受診が推奨されます。内科・消化器内科でも相談可能であり、症状に応じて適切な専門科への紹介が行われます。

早めの受診がすすめられる症状

  • のどの痛みや違和感が2週間以上続く
  • 片側だけに症状がある
  • 首にしこりがある
  • 声のかすれや飲み込みにくさが続く
  • 鼻血・血の混じった痰がある

救急受診を考えるべき症状

呼吸困難・著しい嚥下障害・急激な出血を伴う場合は、速やかに救急外来を受診してください。

咽頭がんの診断で行う検査

問診と視診・触診

受診時は「症状の始まり・持続期間・片側か両側か」「喫煙・飲酒歴」「HPVワクチン接種歴」などを詳しく問診します。医師がのどの粘膜や首のリンパ節を確認します。

内視鏡検査

細径の内視鏡(喉頭鏡・上部消化管内視鏡)を用いることで、粘膜の詳細な観察が可能です。NBI(狭帯域光観察)などの高度な内視鏡技術を活用すると、粘膜の微細な変化も確認できます。

画像検査と病理検査

CT・MRI・PET検査により、腫瘍の広がりやリンパ節転移・遠隔転移を確認します。疑わしい病変は生検(組織を採取する検査)で病理診断を行い、確定診断とします。

必要に応じて行う追加検査

HPVの型別検査、EBウイルス抗体価測定(上咽頭がんの場合)などが行われることがあります。

咽頭がんの原因とリスク要因

喫煙・飲酒との関連

咽頭がん(特に下咽頭・中咽頭)は喫煙・飲酒との関連が強く知られています。喫煙者は非喫煙者に比べてリスクが高いとされており、禁煙・節酒は重要な予防策です(国立がん研究センター等の情報に基づく)。

HPV感染との関連

中咽頭がんにおいては、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染との関連が国際的に注目されています。HPVワクチン接種や定期健診について、かかりつけ医にご相談ください。

生活習慣で注意したいこと

禁煙・節酒のほか、口腔内の衛生管理・バランスの良い食生活も大切です。

咽頭がんで早期発見が大切な理由

症状が軽い段階では気づきにくい

咽頭がんは初期段階で症状が軽いことが多く、自覚症状だけでは気づきにくい場合があります。「のどの違和感程度」と感じているうちに進行していたというケースも少なくありません。

受診の遅れを防ぐために知っておきたいこと

「しばらく様子をみよう」と自己判断せず、2週間以上続く症状や片側性の症状は早めに医師に相談することが大切です。

この記事のまとめ

症状が気になるときは自己判断せず医師に相談を

咽頭がんは上咽頭・中咽頭・下咽頭の部位によって症状が異なりますが、「2週間以上改善しないのどの痛みや違和感」「片側性の症状」「首のしこり」「声のかすれ・飲み込みにくさ」は重要なサインです。風邪や咽頭炎と区別がつかない場合も、症状が長引くようであれば医師の診察を受けることをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

咽頭がんはどんな症状から始まりますか?

のどの痛みや違和感、声のかすれ、飲み込みにくさなどが初期症状として見られることがあります。上咽頭がんでは鼻血・耳閉感、中咽頭がんではのどの痛み・首のしこり、下咽頭がんでは食事のつかえ感が比較的早い段階で現れることがあります。いずれも他の疾患と似た症状のため、長引く場合は医師への相談が重要です。

のどの痛みが続くとき、何日くらいで受診すべきですか?

一般的に、2週間以上症状が続く場合や、片側だけに症状がある場合は早めの受診を検討してください。発熱などの風邪症状がなく、のどの痛みや違和感だけが続く場合も、受診の目安になります。

咽頭がんは風邪と見分けられますか?

自覚症状だけでの区別は難しい場合があります。風邪は通常1〜2週間で改善しますが、咽頭がんによる症状は長期間続き、悪化する傾向があります。「熱がないのに症状が続く」「片側だけ症状がある」などは受診の手がかりになります。確定的な判断には医師による診察・検査が必要です。

首のしこりだけでも咽頭がんの可能性はありますか?

はい、可能性はゼロではありません。咽頭がんはリンパ節に転移しやすく、のどの症状がない段階でも首のしこりが初発症状になることがあります。2週間以上続く、痛みがない、固い感触のしこりは特に注意が必要です。

咽頭がんは内科でも相談できますか?

はい、内科・消化器内科でもご相談いただけます。診察の上で必要と判断された場合は、耳鼻咽喉科や頭頸部外科などの専門科へご紹介します。気になる症状がある方はご予約・お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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