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咽頭癌初期の症状|内科医がわかりやすく解説

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咽頭癌初期の症状|内科医がわかりやすく解説

咽頭がんの初期症状
受診の目安を解説
検査・治療の考え方
内科医監修記事

咽頭がんは、のどの違和感・つかえ感・首のしこりなど、一見すると風邪や疲れと混同しやすい症状から始まることがあります。初期段階で気づき、適切な医療機関を受診することが、予後の改善につながる可能性があります。本記事では、咽頭がんの初期症状をはじめ、注意すべきサイン・検査・治療の考え方について、医学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。なお、症状の有無にかかわらず、診断・治療は医師の診察が前提です。


咽頭がんとは?まずは咽頭の場所とがんの種類を確認

咽頭の3つの部位(上咽頭・中咽頭・下咽頭)

咽頭(いんとう)とは、鼻や口の奥から食道・気管へとつながる管状の器官です。解剖学的に上咽頭・中咽頭・下咽頭の3つに分けられます。

  • 上咽頭:鼻腔の奥に位置し、耳管(耳とつながる管)の開口部が近い
  • 中咽頭:口を大きく開けたときに見える奥の部分(扁桃・軟口蓋を含む)
  • 下咽頭:食道の入り口付近に位置し、飲食物が通過する部分

それぞれの部位でできるがんを「上咽頭がん」「中咽頭がん」「下咽頭がん」と呼び、症状や治療方針が異なります。

咽頭がんの主な原因とリスク因子

咽頭がんのリスク因子として、以下が挙げられます。

  • 喫煙・飲酒(とくに中咽頭・下咽頭がんと強い関連)
  • ヒトパピローマウイルス(HPV)感染(中咽頭がんとの関連が報告されている)
  • EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)感染(上咽頭がんとの関連)
  • 塩分の多い食品の過剰摂取(上咽頭がんの一因とされる)

日本頭頸部癌学会のガイドラインでも、喫煙・飲酒は咽頭がんの重要なリスク因子として位置づけられています。

咽頭がんの初期症状でよくみられるサイン

のどの違和感・つかえ感

「何かが詰まっているような感じ」「のどがすっきりしない」といった違和感は、咽頭がんの初期に現れやすいサインのひとつです。長期間続く場合は注意が必要です。のどの違和感については、喉の違和感とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もあわせてご参照ください。

飲み込みにくさ、飲み込むときの痛み

嚥下(えんげ)時の違和感や軽い痛みも初期症状として現れることがあります。食事のたびに「引っかかる感じ」「じんわり痛む」と感じる場合は、早めの受診をお勧めします。

声のかすれ、話しにくさ

下咽頭がんや喉頭に近い部位のがんでは、声帯への影響から声がかすれる(嗄声:させい)ことがあります。2週間以上続く声のかすれには注意が必要です。

片側だけの耳の痛み

上咽頭がんや中咽頭がんでは、耳管を通じて片側の耳に痛みや詰まり感が生じることがあります。耳そのものに異常がないのに耳が痛い、という場合は咽頭の評価が有用なことがあります。

首のしこり

首のリンパ節への転移が起こると、首にしこりを感じることがあります。痛みが少なく、徐々に大きくなるしこりは要注意です。

初期症状とまぎらわしい症状

風邪や扁桃炎との違い

風邪や扁桃炎では発熱・倦怠感を伴い、多くの場合1〜2週間で症状が改善します。一方、咽頭がんによる症状は長引く・片側性・改善しないという特徴があります。

逆流性食道炎やアレルギーとの違い

逆流性食道炎では胸やけ・げっぷを伴うのどの違和感が生じることがあります。また、アレルギー性鼻炎では後鼻漏(こうびろう)がのど不快感の原因となる場合もあります。これらは消化器内科や耳鼻咽喉科で鑑別が可能です。逆流性食道炎とのどの症状の関係については、食道裂孔ヘルニアとは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】もご参考ください。

口内炎・喉の炎症との違い

口内炎は1〜2週間で自然治癒することが多いです。2週間以上同じ箇所に違和感・潰瘍が続く場合は、炎症以外の原因の可能性もあるため、受診をご検討ください。

進行すると現れやすい症状

症状が長引く、悪化する

初期の違和感が改善せず、徐々に強くなる場合は、早期の専門的な評価が重要です。

血が混じる、体重減少、食欲低下

痰や唾液に血が混じる(血痰・血性唾液)、急激な体重減少、食欲の著しい低下は、がんの進行を示唆する可能性のあるサインです。これらが現れた場合は速やかな受診が必要です。

呼吸しづらさ、強い痛み

腫瘍が気道や周囲組織に影響を及ぼすと、呼吸困難や強い嚥下痛が生じることがあります。

注意したいサイン: 症状が長引く、悪化する、血が混じる、体重減少、食欲低下、呼吸しづらさ、強い痛みがある場合は、速やかな受診が必要です。

こんな症状があれば耳鼻咽喉科を受診

2週間以上続くのどの症状

風邪の経過に見えても、2週間以上改善しないのどの痛み・違和感は、専門機関での評価が推奨されます。

しこりや声の変化がある場合

首のしこりや2週間以上続く声のかすれは、早期の耳鼻咽喉科受診のサインです。

飲み込みにくさや血痰がある場合

嚥下困難や血痰は消化器疾患との鑑別も含め、速やかに専門医に相談されることをお勧めします。

咽頭がんの診断で行う検査

問診・視診・触診

症状の経過・喫煙歴・飲酒歴などを確認し、口腔内やのどの視診、首リンパ節の触診が行われます。

内視鏡検査

鼻や口から細い内視鏡(ファイバースコープ)を挿入し、咽頭・喉頭を直接観察します。病変の位置・大きさ・性状の評価に有用です。

画像検査(CT・MRI・PET-CTなど)

腫瘍の広がりやリンパ節・遠隔転移の評価のため、CT・MRI・PET-CTなどが用いられます。

必要に応じて病理検査

疑わしい部位から組織を採取し、顕微鏡で細胞を確認する生検(病理検査)が確定診断に必要です。

咽頭がんが疑われたときの治療の考え方

治療は病期や部位、全身状態で異なる

治療方針は、がんの病期(ステージ)・発生部位・患者さんの全身状態などを総合的に判断して決定されます。

主な治療法の概要

  • 放射線療法:咽頭がんは放射線に反応しやすいとされ、単独または化学療法と組み合わせて行われることがあります
  • 化学療法(抗がん剤):放射線と併用する場合や、術後・転移例で使用されます
  • 手術療法:腫瘍の切除が必要な場合に選択されます
  • 免疫療法:一部の進行例に用いられることがあります

診断後は専門医での精査が重要

治療方針の決定は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科・放射線科・腫瘍内科などの専門チームによる検討が重要です。

早期発見のために日常生活で気をつけたいこと

喫煙・飲酒との関係

喫煙・飲酒は咽頭がんのリスクを高める主要因子です。禁煙・節酒は咽頭がんをはじめとする多くのがんの一次予防として有効とされています。

定期的な健診や受診の目安

定期的な健康診断の受診と、気になる症状が2週間以上続く場合の早期受診を心がけましょう。

気になる症状を記録しておくポイント

症状が始まった時期・性状・悪化・改善のタイミング・飲酒・喫煙歴などをメモしておくと、受診時の問診がスムーズになります。

受診の際によくある質問と準備

何科を受診すればよいか

のどの症状・首のしこり・声のかすれがある場合は、耳鼻咽喉科が第一選択です。かかりつけの内科・消化器内科への相談から始めることも可能です。

受診時に伝えるとよい症状のポイント

  • 症状が始まった時期と持続期間
  • 症状の性状(片側か両側か、食事時のみかなど)
  • 喫煙歴・飲酒歴
  • 体重の変化・全身倦怠感の有無

検査前に確認しておきたいこと

内視鏡検査を行う場合、検査当日の食事制限が必要なことがあります。事前に医療機関に確認しておきましょう。

受診の目安: のどの違和感・痛み・声のかすれ・首のしこりが2週間以上続く場合は、耳鼻咽喉科や内科への受診をご検討ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 咽頭がんの初期症状はのどの痛みだけでもありますか?

はい、初期にはのどの痛みや違和感のみが現れることがあります。ただし、痛みがなくても嚥下時のつかえ感・耳の痛み・首のしこりなどが単独で生じるケースもあり、複数の症状がなければ心配ないとは言えません。

Q. 風邪と咽頭がんはどう見分ければよいですか?

風邪は多くの場合、発熱・鼻水・倦怠感を伴い1〜2週間で改善します。咽頭がんによる症状は2週間以上改善しない・片側性・しこりを伴うなどの特徴がある場合があります。自己判断は難しいため、症状が長引く場合は医師にご相談ください。

Q. のどの違和感が続く場合、何日くらいで受診すべきですか?

目安として2週間以上のどの違和感・痛みが続く場合は、耳鼻咽喉科や内科への受診をお勧めします。血痰・首のしこり・急激な体重減少がある場合は、期間にかかわらず早めに受診されることを推奨します。

Q. 首のしこりはどのようなときに注意が必要ですか?

痛みが少ない・徐々に大きくなる・2cm以上ある・のどの症状と同時に現れるなどの特徴がある場合は、リンパ節転移の可能性も含めた評価が必要です。首のしこりに気づいた場合は、耳鼻咽喉科か内科にご相談ください。

Q. 咽頭がんは内科でも相談できますか?

はい、消化器内科・一般内科でも症状の相談・問診・適切な専門科への紹介が可能です。「耳鼻咽喉科に行くのをためらっている」という方も、まずはかかりつけ内科にご相談いただくことをお勧めします。

本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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