オンライン予約はこちら

胃の働きとは?原因・症状・対処を内科医が解説

健康ブログ

健康で楽しい生活を送る

消化器・内科コラム

胃の働きとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】

胃は単なる「食べ物の袋」ではなく、消化・殺菌・排出を担う多機能な臓器です。胃の働きが低下すると、胃もたれ・胃痛・膨満感などの不調が現れ、日常生活の質に影響します。本記事では、胃の基本的な仕組みから、働きが乱れる原因・対処法・受診の目安まで、消化器専門医の監修のもとわかりやすく解説します。

なお、みぞおちの痛みや胃の不調全般については、親記事「みぞおち痛いとは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】」もあわせてご覧ください。

胃の働きとは?

胃の基本的な役割

胃は食道と十二指腸の間に位置する袋状の臓器で、空腹時は約100mL程度ですが、食後は1〜1.5L程度まで拡張します。主な役割は、①食べ物を一時的に蓄える「貯留」、②胃酸と消化酵素で食べ物を分解する「消化」、③内容物を少しずつ十二指腸へ送り出す「排出」の3つです。

胃が担う消化の流れ

食べ物が口から入ると、胃はぜん動運動(波状の筋肉収縮)と胃液の分泌を開始します。胃液に含まれる塩酸(胃酸)とペプシン(タンパク質分解酵素)が食べ物と混合され、粥状の「食糜(しょくび)」が形成されます。その後、幽門括約筋が少しずつ開き、内容物を十二指腸へ段階的に送ります。

胃の働きは何で決まる?主な仕組み

食べ物をためて少しずつ腸へ送る

胃壁の平滑筋は、食事の量に応じて弛緩・収縮を繰り返します。この「受容性弛緩」があるため、大量の食事をとっても胃が適度に拡張して対応できます。

胃酸で食べ物を消化しやすくする

胃の壁細胞から分泌される塩酸(pH 1〜2程度)は、食べ物のタンパク質を変性させ、消化酵素が作用しやすい状態にします。また、胃酸は後述のとおり病原体の増殖を抑える役割も担っています。

胃のぜん動運動で混ぜ合わせる

胃はリズミカルなぜん動運動によって、食べ物と胃液を均一に混ぜ合わせます。この動きは自律神経(迷走神経)によって制御されており、ストレスや疲労が影響を及ぼすことがあります。

病原体の増殖を抑える

強酸性の胃酸は、食べ物と一緒に入ってきた多くの細菌やウイルスを不活化・殺菌する働きを持ちます。これにより、腸管への病原体の侵入リスクを低減しています。

胃の働きが低下するとどうなる?

胃もたれ・胃痛・吐き気などの症状

胃の排出機能やぜん動運動が低下すると、食べ物が胃内に長くとどまり、胃もたれ・胃痛・吐き気・げっぷなどの症状が出やすくなります。

食欲低下や膨満感が起こることもある

胃の動きが鈍くなると満腹感が続き、食欲低下や上腹部の膨満感(張り感)が生じることがあります。これは機能性ディスペプシア(FD)でも多く見られる症状のひとつです。

胃の不調と似た症状が出る病気

胃の不調と似た症状を呈する疾患には、逆流性食道炎・機能性ディスペプシア・胃炎・胃潰瘍・胃がんなどがあります。症状のみから病気を鑑別することは難しいため、症状が続く場合は医療機関での診察が重要です。

胃の働きが乱れる主な原因

食べ過ぎ・早食い・不規則な食事

短時間に大量の食事をとると胃への負担が増大し、消化が追いつかなくなることがあります。不規則な食事時間も胃の分泌リズムを乱す一因になります。

ストレスや自律神経の乱れ

胃の運動や胃酸分泌は自律神経によって調節されています。強いストレスや睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、胃の動きや胃酸分泌に影響することが知られています。

アルコール・喫煙・刺激物

アルコールは胃粘膜を直接刺激し、胃炎の原因になることがあります。喫煙は胃粘膜の血流を低下させ、粘膜防御機能を弱める可能性があります。

薬の影響や加齢

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期使用は胃粘膜を傷めることがあります。また、加齢に伴い胃酸分泌やぜん動運動が緩やかになることが報告されています。

胃炎・胃潰瘍などの病気

ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染は慢性胃炎・胃潰瘍の主要な原因のひとつです。厚生労働省は、ピロリ菌の除菌治療が胃潰瘍の再発予防に有用であるとしています。

胃の働きを良くするためにできること

食べ方の工夫

一口ごとによく噛んでゆっくり食べることが、胃の負担を軽減する基本です。食事は腹八分目を意識し、就寝直前の食事は避けることが望ましいとされています。

胃にやさしい食生活

脂肪の多い食事・香辛料・炭酸飲料・アルコールは胃への刺激が強いため、不調時は控えることが助けになります。

十分な睡眠とストレス対策

7時間前後の質の良い睡眠と、入浴・軽い運動などのリラックス法は、自律神経の安定につながり、胃の機能を整えることが期待されます。

運動習慣と生活リズムの見直し

適度な有酸素運動は消化管の蠕動を促す効果が示されています。毎日同じ時間に食事・睡眠・起床をとることで、胃の分泌リズムが安定しやすくなります。

胃の働きを良くする食べ物の考え方

特定の食べ物が「胃を治す」とは言い切れませんが、消化しやすい食材を選ぶことは胃への負担を減らす助けになります。

胃の働きを良くする食べ物はある?

消化しやすい食材の選び方

軟らかく加熱した野菜・白身魚・豆腐・おかゆ・うどんなどは消化しやすい食材の代表例です。また、大根に含まれるジアスターゼ(アミラーゼ)やキャベツに含まれるビタミンU(キャベジン)は、胃粘膜の保護に関連するとされています。

胃が弱っているときに避けたい食べ物

揚げ物・生の食材・強い香辛料・コーヒー・アルコールは、胃粘膜への刺激が強いため、不調時は量を控えることが望ましいです。

サプリメントや健康食品との付き合い方

市場には「胃に良い」とされるサプリメントが数多くありますが、医薬品とは異なり効果・効能を標榜できないものも多く含まれます。使用する場合は、医師・薬剤師に相談のうえ、適切に利用することをお勧めします。

受診を考えたほうがよい症状

症状が長く続く場合

胃もたれ・食欲不振・膨満感が2週間以上続く場合は、機能性疾患や器質的疾患の可能性があるため、医療機関への受診をご検討ください。

強い痛み、吐血、黒い便がある場合

突然の激しい腹痛・吐血・タール便(黒色便)は、消化管出血や穿孔など緊急を要する状態のサインである可能性があります。速やかに医療機関を受診してください。

体重減少や食事がとれない場合

意図しない体重減少(1〜3か月で体重の5%以上の減少が目安のひとつ)や、食事がほとんどとれない状態が続く場合は早めの受診が勧められます。

市販薬で改善しない場合

市販の胃薬を数日使用しても症状が改善しない場合は、別の疾患が隠れている可能性があります。胃の薬について詳しくはこちら(内科医がわかりやすく解説)もご参照ください。

胃の不調で医療機関では何をする?

問診で確認する内容

症状の種類・いつから・どんなときに悪化するか・食事や排便との関係・服薬歴・生活習慣などを確認します。

必要に応じて行う検査

症状や問診の結果に応じて、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)・腹部超音波検査・ピロリ菌検査・血液検査・X線検査などを組み合わせて行います。胃カメラは胃粘膜を直接観察でき、早期胃がんの発見にも有用です。

治療の考え方

原因疾患が見つかった場合はその治療(除菌療法・粘膜保護薬・酸分泌抑制薬など)を行います。検査で明らかな異常が見られない場合は、機能性ディスペプシアとして消化管運動機能改善薬・漢方薬などが用いられることがあります。治療方針は症状や検査結果に基づき、医師と相談しながら決定します。

胃の働きに関するよくある誤解

胃薬を飲めばすぐ改善するとは限らない

市販の制酸薬や胃粘膜保護薬は一時的な症状緩和に役立つことがありますが、根本的な原因(ピロリ菌・潰瘍・腫瘍など)がある場合は、検査・根本治療が必要です。

胃の不調は「ただの食べすぎ」とは限らない

「食べすぎただけ」と自己判断して症状を放置すると、見逃してはいけない疾患の発見が遅れることがあります。症状が繰り返す場合は、早めの医療機関への相談が助けになります。

よくある質問(FAQ)

胃の働きは年齢とともに落ちますか?

加齢に伴い、胃酸分泌量やぜん動運動の速度が緩やかに低下することが報告されています。ただし、個人差が大きく、生活習慣の影響も受けます。年齢を重ねても不調が続く場合は、検査で原因を確認することが勧められます。

胃の働きを良くするには何を食べればよいですか?

特定の食べ物が胃を「治す」とは言えませんが、消化しやすい食材(豆腐・白身魚・おかゆなど)を選び、よく噛んで腹八分目にとることが基本です。大根・キャベツ・山いもなどは胃に負担をかけにくい食材として知られています。

胃もたれが続くときは何科を受診すればよいですか?

内科または消化器内科を受診することをお勧めします。症状に応じて内視鏡検査など適切な検査が行われます。みぞおち付近の症状については、みぞおちどことは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もご参照ください。

胃の調子が悪いとき、やってはいけないことはありますか?

不調時は、アルコール・香辛料の強い食事・喫煙・就寝直前の食事・空腹のまま長時間過ごすことは避けることが望ましいです。また、NSAIDs(痛み止め)の使用は胃粘膜への負担を増す場合があるため、服用前に医師・薬剤師に相談してください。

胃の不調がストレスだけで起こることはありますか?

あります。強いストレスは自律神経を介して胃酸分泌や胃の蠕動運動に影響し、明らかな器質的病変がなくても胃の症状を引き起こすことがあります。これは「機能性ディスペプシア」として、消化器内科や心療内科で対応できます。ただし、症状のみでは器質的疾患と区別できないため、検査による鑑別が重要です。

関連記事

本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:

厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

たまプラーザで胃の不調・みぞおちの痛み・消化器の気になる症状がある方へ。胃の症状は原因が多岐にわたるため、受診の目安や検査の必要性についてお気軽にご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

TEL:045-909-0117(横浜市青葉区・たまプラーザ)

初診の際は、保険証・お薬手帳、およびお持ちであれば健診結果や紹介状をご用意いただくとスムーズです。ご予約はWebまたはお電話で承っております。

AIプラスクリニックたまプラーザ
こんにちは!ご質問にお答えします。

・診療時間や予約方法
・アクセス方法
・診療科目について

サイト内の記事も参考に回答しますので、お気軽にお尋ねください。