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胃癌とは?原因・症状・対処を内科医が解説

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内科・消化器専門医監修・胃がんのコラム

胃癌とは?原因・症状・対処を内科医が解説

胃癌は日本人に多いがんのひとつですが、早期に発見できれば治療の選択肢が広がります。本記事では、胃癌の基本的な知識から原因・症状・検査・治療・予防まで、消化器専門医の監修のもとわかりやすく解説します。「胃のむかつきが続く」「体重が減った気がする」など気になる症状がある方は、ぜひ参考にしてください。なお、診断・治療には必ず医師の診察が必要です。

目次
  1. 胃癌とは?まず知っておきたい基本
  2. 胃癌の主な原因とリスク要因
  3. 胃癌でみられる症状
  4. 胃癌が疑われるときの受診の目安
  5. 胃癌の検査と診断の流れ
  6. 胃癌の治療法
  7. 胃癌は予防できる?日常生活でできること
  8. 胃癌と間違えやすい症状・似た病気
  9. 受診時に準備しておくとよいこと
  10. まとめ:胃癌が気になるときは早めの相談を
  11. よくある質問(FAQ)
  12. 関連記事
  13. 本記事の監修医師
  14. AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

胃癌とは?まず知っておきたい基本

胃癌と胃がんは同じ意味

「胃癌」と「胃がん」は同じ病気を指す言葉です。医療現場では漢字の「胃癌」が用いられることが多く、一般向けには「胃がん」とひらがなで表記されることもあります。本記事では両方の表記を使用しています。

胃のどこにできるがんか

胃は食道と十二指腸をつなぐ袋状の臓器で、内側は粘膜でおおわれています。胃癌の約95%は、この粘膜の上皮細胞から発生する「腺癌」です。発生部位は胃の出口に近い幽門部・前庭部に多く見られますが、胃体部や噴門部(食道との接合部付近)にも発生します。

胃癌が進行するしくみ

胃癌は粘膜の最も浅い層から始まり、粘膜下層・筋層・漿膜へと深く浸潤しながら進行します。粘膜または粘膜下層にとどまる段階を「早期胃癌」、筋層以深に達したものを「進行胃癌」と呼びます。進行すると、リンパ節や肝臓・腹膜などへの転移が起こることがあります。

胃癌の主な原因とリスク要因

ピロリ菌感染との関係

胃癌のリスクと最も強く関連するのがヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染です。ピロリ菌は胃粘膜に慢性炎症を引き起こし、萎縮性胃炎・腸上皮化生を経て癌化するリスクを高めることが知られています(国立がん研究センター等の研究より)。日本人の感染率は年齢とともに高くなる傾向があります。

塩分の多い食事や喫煙・飲酒

塩分の過剰摂取(塩蔵食品・漬物・塩辛など)は胃粘膜を障害し、発がんリスクを高めるとされています。また、喫煙は胃癌のリスクを上昇させる要因のひとつであり、過度な飲酒も関連が指摘されています。

年齢・家族歴・体質などの影響

胃癌は50歳以降に発症率が高まり、男性に多い傾向があります。一親等(親・兄弟・子)に胃癌患者がいる場合はリスクが高まるとされており、定期的な検診が特に推奨されます。

胃の病気や治療歴が関係することも

萎縮性胃炎・胃ポリープ・胃潰瘍などの既往歴がある方は、定期的な内視鏡フォローが有用です。また、胃の部分切除後の残胃にも、数十年後に癌が発生することがあります(残胃癌)。

胃癌でみられる症状

初期は自覚症状が少ないことがある

早期胃癌では自覚症状がほとんどないことが多く、検診の胃内視鏡や胃X線検査で偶然発見されるケースが少なくありません。

胃もたれ・みぞおちの痛み・食欲低下

進行するにつれ、胃もたれ・みぞおちの鈍い痛み・食欲の低下・食後の不快感などが現れることがあります。ただし、これらは胃炎や機能性ディスペプシアでもみられる症状であるため、症状だけで自己判断することは難しいです。

吐き気・嘔吐・黒い便などの注意症状

吐き気・嘔吐が続く場合や、便が黒くタール状になる「タール便」が見られる場合は、消化管からの出血が疑われます。これらは早めの受診が勧められます。

体重減少や貧血が続く場合

意図しない体重減少や、慢性的な貧血(めまい・倦怠感・顔色の悪さ)が続く場合も注意が必要です。進行した胃癌では腫瘍からの持続的な出血が原因で鉄欠乏性貧血をきたすことがあります。

胃癌が疑われるときの受診の目安

早めに内科・消化器内科を受診したい症状

以下のような症状が2週間以上続く場合は、内科・消化器内科への受診が勧められます。

  • 食欲の低下・食後の不快感が続く
  • みぞおちの痛みや胃もたれが改善しない
  • 体重が明らかに減っている

🚨
救急受診を考えるべき症状:黒いタール状の便・嘔吐物に血が混じる・急激な腹痛などの場合は、速やかに救急受診を検討してください。

症状がなくても検診で見つかることがある

自覚症状がなくても、胃がん検診(バリウム検査・胃内視鏡)で早期発見されるケースがあります。50歳以上の方や、ピロリ菌感染歴・家族歴がある方は、定期的な検診を活用することが重要です。

胃癌の検査と診断の流れ

問診・診察で確認すること

受診時には症状の経過・食生活・喫煙歴・家族歴・服薬歴などを確認します。

胃内視鏡検査(胃カメラ)

口または鼻から細い内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察します。病変の部位・形態・範囲を確認できる最も重要な検査です。なお、PPI(プロトンポンプ阻害薬)が処方されている場合は、内視鏡前に休薬が必要なケースもあるため、事前に医師へ伝えてください。

生検(組織検査)で確定診断する

内視鏡で疑わしい病変が見つかった場合、小さな組織を採取して病理検査を行います(生検)。これにより、がん細胞の有無・組織型を確定します。

画像検査で広がりを調べる

CT検査・PET検査・超音波検査などにより、リンパ節・肝臓・腹膜などへの転移や浸潤の範囲を評価します。

病期(ステージ)とは

TNM分類(腫瘍の深さ・リンパ節転移・遠隔転移の状態)に基づき、ステージⅠ〜Ⅳに分類されます。ステージが低いほど、より局所的な治療が選択される傾向があります。

胃癌の治療法

早期胃癌の治療

粘膜にとどまる早期胃癌で、一定の条件を満たす場合は内視鏡的切除(ESD/EMR)が選択されます。開腹手術なしに病変を切除できるため、身体への負担が少ない治療法です。

進行胃癌の治療

粘膜下層以深に浸潤している場合は、外科手術(腹腔鏡下手術または開腹手術)が主体となります。リンパ節郭清を伴う胃切除術が標準的です。

手術・内視鏡治療・薬物療法の違い

転移がある場合や手術が困難な場合は、抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬などを用いた薬物療法が行われます。治療は単独または組み合わせで行われます。

治療選択は状態により異なる

治療方針はステージ・患者さんの全身状態・組織型・HER2などのバイオマーカーの状況などを総合的に判断して決定されます。複数の専門科が連携する集学的治療が標準となっています。

胃癌は予防できる?日常生活でできること

ピロリ菌検査・除菌の重要性

ピロリ菌感染の有無は、血液・尿・呼気・便などで検査できます。感染が確認された場合は、抗菌薬による除菌治療が有効とされており、胃癌リスクの低減が期待されます。ただし、除菌後も定期的な内視鏡フォローが推奨されます。

胃がん検診の活用

厚生労働省は、50歳以上を対象とした胃がん検診(内視鏡検査または胃部X線検査)を推奨しています。お住まいの自治体の検診制度を積極的に利用しましょう。

食生活の見直しと禁煙

塩分控えめの食事・野菜・果物の摂取・禁煙は、胃癌予防の観点から生活習慣として取り入れることが勧められます。

定期的な受診が大切な人

ピロリ菌除菌後の方、萎縮性胃炎の方、胃癌の家族歴がある方などは、定期的な内視鏡検査を医師と相談の上で継続することが大切です。

胃癌と間違えやすい症状・似た病気

胃炎や胃潰瘍との違い

急性・慢性胃炎や胃潰瘍も、みぞおちの痛み・胃もたれ・食欲低下などの症状を呈します。これらは内視鏡検査で胃癌と鑑別されます。症状が似ているため、自己判断での長期的な市販薬使用は避け、受診を検討してください。

逆流性食道炎との違い

逆流性食道炎は胸やけ・胸の不快感・喉の違和感が主な症状で、食道に炎症が起きる病気です。胃癌との症状の重なりがあるため、内視鏡での確認が有用です。食道裂孔ヘルニアとの関連についてはこちらの記事もご参照ください。

機能性ディスペプシアとの違い

機能性ディスペプシアは、内視鏡などの検査で明らかな異常がないにもかかわらず、胃の不快感・もたれ感・痛みが続く状態です。胃癌との鑑別には検査が不可欠です。

受診時に準備しておくとよいこと

症状の経過をメモする

いつから・どんな症状が・どの程度の頻度で続いているかを事前にメモしておくと、診察がスムーズです。

服薬中の薬や既往歴を伝える

お薬手帳や市販薬の名前を持参し、既往歴(他の病気の治療歴)も正確に伝えてください。

健診結果や検査歴があれば持参する

過去の内視鏡検査の結果・健診データ・紹介状がある場合は持参すると、より適切な診察が受けられます。

まとめ:胃癌が気になるときは早めの相談を

早期発見のために検査を受ける意義

胃癌は早期に発見されるほど、より多くの治療選択肢があります。症状がない段階での検診受診が、早期発見につながります。

症状が続く場合は自己判断せず受診する

胃もたれ・みぞおちの痛み・食欲不振などが続く場合は、自己判断で様子を見続けるのではなく、内科・消化器内科への相談をお勧めします。

よくある質問(FAQ)

❓ 胃癌は初期症状だけで見分けられますか?

早期胃癌は自覚症状がほとんどないことが多く、症状だけで胃癌と判断することは医師の診察をもってしても困難です。正確な診断には内視鏡検査などが必要です。

❓ 胃カメラは必ず必要ですか?

胃癌の確定診断には内視鏡検査(胃カメラ)と生検が必要です。バリウム検査で異常が疑われた場合も、最終的には内視鏡検査が行われます。

❓ ピロリ菌がいないと胃癌にはなりませんか?

ピロリ菌陰性の方でも、胃癌が発生することがあります。ただし、ピロリ菌感染者に比べてリスクは低いとされています。症状がある場合は受診が勧められます。

❓ 胃癌は健康診断で見つかりますか?

はい、定期的な胃がん検診(内視鏡検査またはバリウム検査)により、症状がない段階で発見されるケースがあります。特に50歳以上の方や高リスクの方は積極的に受診しましょう。

❓ どの診療科を受診すればよいですか?

内科または消化器内科(消化器科)を受診してください。症状が続く場合や検診で異常を指摘された場合は、お早めにご相談ください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医

専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:

厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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