胃が痛い対処法とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】
胃が痛いと感じたとき、まずは胃を休め、刺激を避けて安静にすることが基本的な対処法です。ただし、痛みの程度や状況によっては、早めに医療機関を受診することが重要です。本記事では、胃痛の原因・症状の見分け方・自宅でできる対処法・受診の目安について、消化器内科の観点からわかりやすく解説します。
胃が痛いときの対処法を知る前に|まず確認したいこと
痛みの場所はどこか(みぞおち・左上腹部・広い範囲)
胃の痛みはみぞおち(上腹部中央)に出ることが多いですが、左上腹部や広い範囲に及ぶ場合もあります。痛みの場所によって、原因となる臓器が異なることがあります。みぞおちの痛みについては みぞおち痛いとは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】 も参考にしてください。
痛み方はどうか(キリキリ・シクシク・差し込む・焼けるような痛み)
キリキリとした持続的な痛みは潰瘍、シクシクとした鈍い痛みは胃炎、焼けるような痛みは逆流性食道炎、差し込むような強い痛みは膵炎や胆石症を疑うことがあります。痛みの質は診断の手がかりになります。
いつから・どのくらい続いているか
数時間以内の急な痛みと、数日〜数週間続く痛みでは考えられる原因が異なります。1週間以上続く場合や、繰り返す場合は受診をご検討ください。
胃痛以外の症状があるか(吐き気、嘔吐、発熱、下痢、黒い便など)
発熱・吐き気・嘔吐・下痢・黒い便(タール便)などを伴う場合は、消化管出血や感染症など緊急性の高い疾患の可能性があります。これらの症状が見られる際は早めに医療機関へご相談ください。
胃が痛いときの主な対処法
まずは胃を休める
食事を一時中断し、消化に使うエネルギーを抑えることが胃の回復を助けます。軽い痛みであれば、数時間の絶食が有効なこともあります。
刺激の強い飲食を避ける
唐辛子などの香辛料、コーヒー・炭酸飲料・脂肪分の多い食事は胃酸の分泌を促し、症状を悪化させることがあります。症状が落ち着くまで避けるようにしましょう。
水分を少しずつ補給する
嘔吐や下痢がある場合は脱水に注意し、常温の水や経口補水液を少量ずつ補給してください。冷たい飲み物は胃を刺激する場合があります。
安静にして無理をしない
胃痛がある際に無理に活動すると、症状が長引くことがあります。できる限り横になり、身体を休めることをおすすめします。
市販薬を使う場合の考え方
制酸薬(胃酸を中和するもの)や胃粘膜保護薬など、市販の胃薬は軽度の胃炎や食べすぎによる胃痛に対して一定の効果が期待できます。市販薬の選び方については 胃の薬|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】 を参考にしてください。
痛み止めを自己判断で使うときの注意点
NSAIDs(ロキソプロフェンやイブプロフェンなど)は胃粘膜を傷つけるリスクがあります。胃痛がある場合に自己判断で使用することは避け、必要な場合は医師や薬剤師に相談してください。
胃痛の原因として考えられるもの
胃の不調が起こる主な仕組み
胃粘膜は強い酸性の胃液にさらされても自己防御できる構造を持っています。しかし、ストレス・薬・ピロリ菌感染・過剰な胃酸分泌などによってこの防御機能が崩れると、炎症や潰瘍が生じ、痛みにつながります。
食べすぎ・飲みすぎ・刺激物
最も頻度の高い原因です。胃への過負荷が一時的な炎症や不快感を引き起こします。
胃炎
急性胃炎は薬・アルコール・感染などが契機となり発症します。慢性胃炎はヘリコバクター・ピロリ菌(Helicobacter pylori)の感染が関与することが多く、厚生労働省もピロリ菌除菌の重要性を示しています。
胃・十二指腸潰瘍
ピロリ菌感染やNSAIDsの服用が主な原因です。空腹時や夜間の痛みが特徴的で、出血を伴うこともあります。
胃腸炎
ウイルスや細菌による感染が原因で、吐き気・下痢・発熱を伴うことがあります。
ストレスや自律神経の乱れ
精神的ストレスは自律神経を介して胃酸分泌や胃の運動に影響します。機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群との関連も指摘されています。
逆流性食道炎
胃酸が食道へ逆流することで胸焼けや胸・みぞおちの痛みが生じます。食後に悪化しやすい傾向があります。
膵臓や胆のうなど胃以外の病気の可能性
上腹部の痛みは胃だけでなく、膵炎・胆石症・胆嚢炎などでも起こります。心筋梗塞で上腹部痛が出ることもあるため、強い痛みや他の症状を伴う場合は注意が必要です。
受診を急いだほうがよい症状
次のような症状があるときは、速やかに医療機関を受診してください。
- 強い痛みが続く:急に起こる激しい腹痛は緊急疾患のサインの場合があります
- 吐血・黒い便がある:消化管出血の可能性があります
- 繰り返し吐く、食事や水分が取れない:脱水や重篤な疾患のリスクがあります
- 発熱、冷や汗、ふらつきがある:全身状態の悪化を示すことがあります
- 胸の痛みや息苦しさを伴う:心疾患との鑑別が必要です
- 急な体重減少や長引く症状がある:悪性腫瘍などの可能性も考慮されます
胃痛で受診するなら何科?
まずは内科・消化器内科へ
胃痛の受診先は内科または消化器内科が適しています。原因に応じて専門的な検査・治療が受けられます。
夜間・休日の受診を考える目安
夜間でも、吐血・激しい腹痛・意識の変容・発熱を伴う場合は救急受診を検討してください。
胃カメラ検査が必要になることがあるケース
慢性的な胃痛、黒い便、体重減少、食欲不振が続く場合は上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が検討されます。
医療機関ではどのように診断・治療するのか
問診で確認する内容
痛みの場所・性状・持続時間・随伴症状・服薬歴・生活習慣・家族歴などを確認します。
必要に応じて行う検査
血液検査、腹部エコー、上部消化管内視鏡(胃カメラ)、ピロリ菌検査などが行われることがあります。
原因に応じた治療の考え方
胃炎・潰瘍には制酸薬(プロトンポンプ阻害薬など)、感染性胃腸炎には対症療法、ピロリ菌感染には除菌治療が行われます。いずれも医師の診察に基づいて治療方針が決められます。
胃が痛いときにやってはいけないこと
- 痛みを我慢して放置する:症状が悪化したり、重大な疾患の発見が遅れることがあります
- 胃に負担の大きい食事を続ける:脂っこいものや香辛料の強い食事は症状を悪化させます
- アルコールや喫煙を続ける:いずれも胃粘膜に悪影響を与え、回復を妨げます
- 自己判断で薬を重ねて使う:複数の鎮痛薬を組み合わせるなど不適切な服薬は危険です
胃痛を繰り返さないための予防法
食生活の見直し
規則正しく、腹八分目を心がけ、脂肪・香辛料・アルコールを控えた食事が胃への負担を軽減します。
規則正しい生活と睡眠
胃の動きは自律神経に支配されています。睡眠不足や不規則な生活は自律神経を乱し、胃腸に影響します。
ストレス対策
適度な運動・趣味・休養によってストレスを管理することが、機能性の胃症状予防に役立ちます。
薬の飲み方を見直す
NSAIDsを長期使用している方は、胃粘膜保護薬の併用について担当医に相談することをおすすめします。
こんな胃痛は一度相談を
軽い症状でも繰り返す場合
市販薬で一時的に改善しても、繰り返す胃痛は慢性胃炎や機能性ディスペプシア、ピロリ菌感染などが隠れていることがあります。
生活に支障が出ている場合
胃の不調によって食事が取れない・仕事や日常生活に影響が出ている場合は、専門的な評価が必要です。
不安が強い場合
症状に不安を感じる場合は、早めに医師に相談することで適切な診断を受けられます。ご予約・お問い合わせ よりお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
胃が痛いときは温めてもいいですか?
温めることで血流が改善し、筋肉の緊張が緩んで痛みが和らぐ場合があります。ただし、炎症が強い場合や発熱がある場合は温めることで悪化する可能性もあるため、症状が強い場合は自己判断を避け、医師に相談してください。
胃が痛いときに食べてよいものはありますか?
消化のよい食品として、おかゆ・豆腐・白身魚・温野菜などが一般的に適しているとされています。脂肪分・食物繊維の多いもの・香辛料・炭酸飲料は症状が落ち着くまで控えることをおすすめします。
胃薬はいつ飲めばよいですか?
薬の種類によって服用タイミングが異なります。制酸薬は症状が出たときに、H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬は食前に服用するものが多いですが、添付文書の指示に従うか、薬剤師・医師にご確認ください。
空腹で胃が痛いのはなぜですか?
空腹時は胃酸が胃壁に直接触れやすくなるため、胃炎や潰瘍がある場合に痛みを感じやすくなります。十二指腸潰瘍では特に空腹時の痛みが特徴的です。このような症状が続く場合は早めの受診が勧められます。
ストレスだけで胃は痛くなりますか?
はい、ストレスは自律神経を介して胃酸分泌の増加や胃の運動異常を引き起こし、痛みや不快感の原因となることがあります。「機能性ディスペプシア」と呼ばれる疾患概念もあり、器質的な異常がなくても胃の症状が出ることが医学的に確認されています。
市販薬でよくならない場合はどうすればよいですか?
市販薬を数日使用しても改善がみられない場合、または症状が繰り返す場合は医療機関の受診をおすすめします。原因によっては市販薬では対応できない治療が必要なことがあります。
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本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)
略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
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