オンライン予約はこちら

放屁とは?原因・症状・対処を内科医が解説

健康ブログ

健康で楽しい生活を送る

放屁とは?原因・症状・対処を内科医が解説

放屁(ほうひ)は誰にでも起こる生理現象であり、それ自体は病気ではありません。しかし、回数が急増したり、強い腹痛や血便を伴ったりする場合は、消化器疾患が隠れている可能性があります。本記事では、放屁の基礎知識から原因・対処法・受診の目安まで、消化器専門医の監修のもとわかりやすく解説します。


放屁とは?おならとの違いも含めて基礎を解説

放屁の意味

放屁とは、腸内に溜まったガスが肛門から排出される現象です。日常語では「おなら」とも呼ばれます。医学的には「flatus(フラタス)」と表記され、腸内の空気・発酵ガスが体外へ出る正常な排泄行為のひとつです。

1日の回数や量の目安

健康な成人では、1日あたり約5〜20回程度の放屁が生じるとされています。量にして約500〜2,000mL程度のガスが腸内を通過しており、その大半は腸壁から吸収されます。個人差が大きいため、「多い・少ない」の判断は回数だけでは難しく、生活習慣や食事内容との関連で総合的に評価することが重要です。

放屁は誰にでも起こる自然な生理現象

放屁は消化活動の一部です。腸内細菌が食物繊維や糖質を分解する際にガスが発生するほか、食事・会話・呼吸の際に飲み込んだ空気も排出されます。過度に恥ずかしいことではなく、完全に止めることは医学的にも不可能です。


放屁の主な原因

空気を飲み込むことで起こるもの

食事中や会話中、ガムを噛む際などに空気を飲み込むことがあります(嚥下空気)。この空気は胃・腸を通り、最終的に放屁として排出されます。早食いや炭酸飲料の摂取でも量が増えやすくなります。

食事内容によるもの

食物繊維・オリゴ糖・フルクトースを多く含む食品は、大腸内で腸内細菌に分解される際にガスを発生させます。

腸内細菌による発酵で起こるもの

大腸には多種多様な腸内細菌が生息しており、食物の残渣を発酵・分解します。このとき水素・二酸化炭素・メタンなどのガスが産生され、放屁として排出されます。腸内細菌叢のバランスによってガスの量やにおいが変わることがあります。

便秘や腸の動きの低下が関係するもの

便秘になると腸内にガスが滞留しやすくなり、放屁の回数やお腹の張りが増えることがあります。腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が低下すると、ガスの排出がスムーズに行われにくくなります。

ストレスや生活習慣の影響

ストレスは自律神経を介して腸の動きに影響します。過敏性腸症候群(IBS)をはじめ、精神的緊張が腸の機能を乱し、ガスの産生や排出パターンを変化させることがあります。また、睡眠不足や運動不足も腸の動きを低下させる要因のひとつです。


放屁が増えやすい食べ物・飲み物

豆類・イモ類・野菜など

大豆・インゲン豆・ブロッコリー・キャベツ・ジャガイモ・サツマイモなどは、腸内で発酵しやすい糖質(FODMAPと呼ばれる成分を含むものも)が多く、ガス産生が増えやすいとされています。

炭酸飲料やアルコール

炭酸飲料は二酸化炭素を直接摂取するため、腸内ガスが増えやすくなります。アルコールは腸粘膜や腸内環境に影響し、ガスの産生が変化することがあります。

乳製品で起こることがある場合

乳糖(ラクトース)を消化する酵素(ラクターゼ)が少ない方は、牛乳・アイスクリームなどの乳製品を摂取すると、未消化の乳糖が大腸で発酵しガスが発生しやすくなります(乳糖不耐症)。

人によって合わない食品があること

同じ食品でも、個人の腸内細菌叢や消化能力によって反応は異なります。「自分だけガスが出やすい食品」があっても珍しくはなく、食事日記などで傾向を把握することが対処の手がかりになります。


放屁に伴いやすい症状

お腹の張り

ガスが腸内に溜まると腹部の膨満感(お腹の張り)が生じます。食後に張りが強まる場合は、食事内容や食べ方の見直しが助けになることがあります。

腹痛やゴロゴロ音

腸の蠕動運動が活発なときやガスが移動する際に、腹鳴(いわゆるお腹のゴロゴロ音)や軽度の腹痛が生じることがあります。

便秘・下痢

放屁の増加に便秘や下痢が伴う場合は、過敏性腸症候群や腸内環境の乱れが関係していることがあります。

においが強い場合に考えられること

においの強さはガスの成分(硫化水素など)によって決まります。動物性タンパク質の過剰摂取や便秘が続くと、においが強くなる傾向があります。においの急激な変化が続く場合は、医療機関への相談をご検討ください。


放屁が多いときに自分でできる対処

食べ方を見直す

よく噛んでゆっくり食べることで、飲み込む空気の量を減らすことができます。一口あたりの量を少なめにし、口を閉じて噛む習慣も効果的です。

早食い・会話しながらの食事を避ける

早食いや食事中の会話は空気の嚥下を増やします。食事時間をゆとりを持って確保することが大切です。

適度な運動を取り入れる

ウォーキングなどの有酸素運動は腸の蠕動運動を促し、ガスの排出をスムーズにする助けになります。食後30分程度の軽い散歩も有用とされています。腹式呼吸を取り入れることで腸への刺激が加わるため、腹式呼吸とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もあわせてご参照ください。

便秘対策を行う

水分・食物繊維を適切に摂取し、排便習慣を整えることがガスの滞留を防ぐ基本です。

ストレスや睡眠を整える

十分な睡眠とストレス管理は腸の機能を整える上で重要です。腸と脳は「腸脳相関」と呼ばれる双方向の関係にあり、精神的な安定が腸内環境にも影響します。


受診を考えたほうがよいケース

急に増えた、長く続く

特に思い当たる原因なく放屁が急増し、2〜3週間以上続く場合は医療機関への相談をお勧めします。

強い腹痛や吐き気を伴う

激しい腹痛・嘔吐・吐き気が伴う場合は腸閉塞など緊急性のある疾患の可能性もあります。早めに受診してください。

血便・黒色便がある

血便や黒色便(タール便)は消化管出血のサインである可能性があり、速やかな受診が必要です。

体重減少や発熱がある

意図しない体重減少や発熱が放屁の増加と同時に起きている場合は、炎症性腸疾患や悪性疾患なども鑑別する必要があります。

便秘と下痢を繰り返す

便秘と下痢を交互に繰り返し、放屁が多い場合は過敏性腸症候群(IBS)が疑われることがあります。


放屁で受診するなら何科?

内科で相談できるケース

軽度の放屁の増加や腹部の張り感など、全身状態に問題がない場合は内科での相談が可能です。

消化器内科が適しているケース

血便・強い腹痛・体重減少など消化器疾患が疑われる症状がある場合は、消化器内科への受診がより適切です。

受診時に伝えるとよいポイント

  • 放屁の回数・においの変化が始まった時期
  • 伴う症状(腹痛・便の変化・発熱・体重変化など)
  • 服用中の薬・サプリメント
  • 食事内容や生活習慣の変化

医療機関で行う主な確認・検査

問診で確認する内容

症状の経過・食事内容・排便習慣・既往歴・服用薬などを詳しく確認します。

必要に応じた血液検査・便検査

炎症反応・貧血・甲状腺機能などを血液検査で確認することがあります。便検査では感染症・潜血の有無を調べます。

腹部画像検査や内視鏡検査が検討される場合

症状の程度や問診内容に応じて、腹部超音波・腹部X線・大腸内視鏡検査などが行われることがあります。大腸内視鏡検査は、大腸がん・炎症性腸疾患の診断に有用です。


放屁と関係することがある病気

過敏性腸症候群

腹痛・腹部膨満・下痢・便秘などを繰り返す機能性消化管疾患です。放屁が増えることも多く、ストレスが関与するとされています。

便秘症

腸内のガスが排出されにくくなり、放屁の増加や腹部膨満の原因となります。

乳糖不耐症

乳糖を消化する酵素が少ないため、乳製品摂取後に下痢・腹部膨満・放屁が増えやすくなります。

腸閉塞など早めの受診が必要な病気

腸閉塞では腸内容物とガスの通過が妨げられ、激しい腹痛・嘔吐・放屁の停止などが生じることがあります。これらの症状が急に出た場合は速やかに医療機関を受診してください。なお、食道裂孔ヘルニアも上部消化管のガスに関連する症状を引き起こすことがあるため、気になる方は食道裂孔ヘルニアとは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】もご参照ください。


放屁を予防・軽減する生活習慣

規則正しい食事

毎日ほぼ同じ時間に食事をとることで、腸の蠕動リズムが整いやすくなります。

便通を整える

水分(1日1.5〜2L程度が目安)・食物繊維・発酵食品(ヨーグルト・味噌など)を取り入れ、腸内環境を整えることが基本です。

食品との付き合い方を調整する

ガスが増えやすい食品を把握し、量や食べ合わせを工夫することで症状が軽減されることがあります。すべてを制限する必要はなく、自分の傾向を知ることが大切です。

市販薬を使う前の注意点

消化酵素薬や整腸剤(乳酸菌製剤など)は薬局で購入できますが、症状が続く場合や他の薬を服用中の場合は、使用前に医師・薬剤師に相談することをお勧めします。自己判断での長期使用は避け、改善が見られない場合は受診をご検討ください。


たまプラーザで放屁の相談を考えている方へ

受診前に準備しておくとよいこと

症状が始まった時期・回数・伴う症状・食事内容などをメモしておくと、問診がスムーズになります。お薬手帳や健診結果もお持ちいただけると参考になります。

継続する症状は自己判断せず相談を

「たかがおなら」と思っても、長く続く場合や他の症状を伴う場合は消化器疾患のサインである可能性があります。自己判断せず、まずは医療機関にご相談ください。ご予約・お問い合わせよりお気軽にどうぞ。


よくある質問(FAQ)

おならが1日に何回も出るのは異常ですか?

1日5〜20回程度は生理的な範囲とされています。それを多少超えても、生活上の支障がなく他の症状がなければ、すぐに異常とは判断されません。ただし、急に回数が増えた場合や他の症状を伴う場合は医療機関への相談をお勧めします。

おならが臭いときは病気の可能性がありますか?

においは食事内容(動物性タンパク質など)や便秘によって強くなることが多く、必ずしも病気を意味するわけではありません。しかし、急激ににおいが変わった・血便や体重減少を伴うといった場合は受診の目安となります。

市販薬で改善できますか?

整腸剤・消化酵素薬などが市販されており、軽度の腹部膨満や放屁の増加に使用されることがあります。ただし、症状の原因によって適切な対処が異なるため、継続しても改善しない場合や他の症状がある場合は医師への相談が必要です。

子どもや高齢者で気をつけることはありますか?

乳幼児では泣くことで空気を飲み込みやすく放屁が増えることがありますが、授乳方法の見直しなどで対応できる場合があります。高齢者では腸の蠕動運動が低下しやすく、便秘に伴う放屁増加が起きやすいため、水分・食物繊維の摂取と適度な運動が大切です。いずれも症状が強い場合は医療機関へ相談してください。

受診せず様子を見てもよいケースはありますか?

食事内容の変化や一時的なストレスが原因と思われる場合で、他の症状がなく数日で改善するようであれば、まず生活習慣の見直しから始めることも選択肢のひとつです。ただし、血便・激しい腹痛・発熱・体重減少を伴う場合は速やかに受診してください。


関連記事


本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。


AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

たまプラーザで内科・消化器の気になる症状がある方へ。放屁の増加・腹部の張り・便通の変化など、消化器に関するお悩みはお気軽にご相談ください。受診の目安や必要な検査についても丁寧にご案内いたします。

ご予約・お問い合わせ
TEL:045-909-0117(横浜市青葉区・たまプラーザ)

初診の際は、保険証・お薬手帳・お持ちであれば健診結果や紹介状をご用意いただくとスムーズです。ご予約はWebまたはお電話で承っております。

AIプラスクリニックたまプラーザ
こんにちは!ご質問にお答えします。

・診療時間や予約方法
・アクセス方法
・診療科目について

サイト内の記事も参考に回答しますので、お気軽にお尋ねください。