寝てる時におならが出る対処法とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】
夜間の就寝中におならが気になる方は少なくありません。睡眠中は腸の働きが続いているためガスが発生しやすく、肛門括約筋が緩むことで自然とおならが出やすくなります。多くの場合は生理的な現象ですが、回数や症状によっては消化器の不調が背景にあることもあります。本記事では、寝てる時におならが出る原因と自分でできる対処法を、消化器専門医の監修のもとわかりやすく解説します。
寝てる時におならが出るのはなぜ?まず知っておきたい基本
睡眠中はおならに気づきやすい?起こりやすい理由
睡眠中は大腸の蠕動(ぜんどう)運動が続いており、腸内でガスが産生され続けます。また、起きているときに比べて肛門括約筋の緊張がやや緩み、意識的なコントロールが働かないため、ガスが自然に排出されやすい状態です。さらに横になる姿勢では腹部への圧がかかりやすく、ガスが動きやすくなります。これらの要因が重なり、就寝中のおならは生理的に起こりやすいと考えられています。
そもそもおならは悪いものではない
おならは腸内細菌が食物を分解する過程で生じるガスや、食事・飲水時に飲み込んだ空気が体外へ排出されたものです。健康な成人でも1日に数回〜十数回程度排出されることは珍しくなく、それ自体が問題を意味するわけではありません。腸が正常に動いているサインとも言えます。
寝てる時におならが増える主な原因
空気を飲み込みやすい生活習慣
早食い・話しながらの食事・ストローでの飲み物摂取などは、食道や胃に空気を取り込みやすくします(空気嚥下症)。この空気が腸へ移動し、ガスとして排出されます。
夕食の内容や食べ方の影響
夕食に豆類・キャベツ・ブロッコリー・玉ねぎ・芋類など発酵・分解されやすい食品を多く摂ると、腸内でガスが生じやすくなります。また夕食の量が多い場合も消化に時間がかかり、就寝中のガス産生が増加しやすいです。
腸内環境の乱れ
腸内の善玉菌・悪玉菌のバランスが崩れると、ガスを多く発生させる細菌が増えやすくなります。不規則な食生活・抗菌薬の使用・食物繊維や発酵食品の不足などが腸内環境に影響します。
便秘やお腹の張りとの関係
便秘になると腸内に便が長時間とどまり、腸内細菌による発酵が進んでガスが増えやすくなります。お腹の張りや不快感が続くときは便通の状態も確認しましょう。詳しくはお腹にガスが溜まるとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もご参照ください。
ストレスや自律神経の乱れ
精神的なストレスは自律神経を乱し、腸の蠕動運動に影響を与えます。過敏性腸症候群(IBS)ではストレスが腸の過敏性を高め、ガスの産生・排出が増えることが知られています。
消化器の病気が隠れている場合
慢性的な腸の不調・腹痛・下痢・便秘・血便などを伴う場合は、過敏性腸症候群・炎症性腸疾患・大腸ポリープ・腸内腫瘍など、消化器の疾患が背景にある可能性も考えられます。自己判断せず医師への相談が望ましいです。
自分でできる寝てる時におならの対処法
食べる速度をゆっくりにする
一口ごとによく噛み、ゆっくり食べることで空気の嚥下を減らせます。食事時間の目安として20〜30分程度を意識すると良いでしょう。
炭酸飲料・ガム・喫煙を見直す
炭酸飲料はそれ自体に多量のガスを含み、ガムや喫煙は空気の飲み込みを増やします。就寝前の摂取はなるべく控えましょう。
ガスがたまりやすい食品を把握する
豆類・キャベツ・ブロッコリー・玉ねぎ・芋類・乳製品(乳糖不耐症がある場合)はガスを生じやすい食品です。すべて避ける必要はありませんが、夕食での量を調整するだけでも改善につながる場合があります。
夕食は寝る前に食べすぎない
夕食は就寝の2〜3時間前までに済ませ、量も腹八分目を心がけることが大切です。就寝直前の大量の食事は消化を遅らせ、就寝中のガス産生を増やす原因になります。
軽い運動やストレッチを取り入れる
夕食後に軽いウォーキングや腸をほぐすストレッチを行うと、腸の蠕動運動が促されガスの排出が改善しやすくなります。激しい運動は就寝前に避け、穏やかな動きを意識しましょう。
便秘対策を行う
水分を十分に摂る(目安:1日1.5〜2L)、食物繊維を適度に摂取する、毎朝決まった時間にトイレに座る習慣をつけるなど、基本的な便秘対策はガスの軽減にも効果的です。
腹部を温めてリラックスする
湯たんぽやホットタオルで腹部を温めると腸の血流が改善し、腸の動きが緩やかに整いやすくなります。入浴も腸のリラックスに有効です。
寝る前に見直したい生活習慣
睡眠不足やストレスをためない
睡眠不足は自律神経バランスを乱し、腸の機能に影響します。7〜8時間程度の十分な睡眠を心がけ、日中のストレスを適切に発散させましょう。
食事日記で原因を振り返る
食べたもの・症状の出方・便通の状態を簡単に記録すると、ガスが増えやすい食品や生活習慣のパターンが見えてきます。受診時にも役立ちます。
市販薬を使うときの考え方
消化酵素配合薬やジメチコン配合のガス症状緩和薬などが薬局で入手できます。ただし、市販薬はあくまで一時的な対処です。症状が長引く場合や腹痛・便通異常を伴う場合は医師への相談を優先してください。
受診を考えたほうがよい症状
強い腹痛や下痢・便秘を繰り返す
ガスに加えて強い腹痛・慢性的な下痢や便秘が繰り返す場合は、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患などの可能性があります。
血便、体重減少、発熱がある
血便・意図しない体重減少・発熱はいわゆる「警戒すべき症状(アラームサイン)」です。速やかに消化器内科または内科を受診することをお勧めします。
急におならの回数が増えた
以前と比べて急激におならの回数や量が増えた場合も、腸内環境の変化や消化器疾患のサインである可能性があります。
お腹の張りが続いてつらい
腹部膨満感が数週間以上続き、日常生活に支障がある場合は専門的な検査が必要です。
医療機関ではどんなことを調べる?
問診で確認するポイント
症状の経過・食生活・便通の状態・他の症状(腹痛・血便・体重変化など)・既往歴・内服薬などを詳しく確認します。
必要に応じて行う検査
問診の結果に応じて、血液検査(炎症・栄養状態など)・腹部エコー・大腸内視鏡検査・便検査などが選択されます。
何科を受診すべきか
まずは内科または消化器内科を受診するのが適切です。気になる症状がある方は、ぜひご予約・お問い合わせからご相談ください。
内科を受診する前に整理しておきたいこと
いつから・どのくらい続いているか
症状の始まりと持続期間をできる限り具体的にまとめておくと、医師との問診がスムーズになります。
食事内容や便通の変化
食事日記や便通の記録を持参すると、原因の特定に役立ちます。
ほかの症状の有無
腹痛・発熱・血便・体重減少など、ガス以外の症状の有無も必ず伝えましょう。
おならが気になるときのQOLを上げる工夫
寝る前の姿勢や過ごし方
左側を下にした横向きの姿勢(左側臥位)は腸の走行に沿ってガスが移動しやすく、排出を助けるとされています。就寝前に腸を意識したストレッチも有効です。
同居家族がいる場合の配慮
就寝中のおならは意識的にはコントロールできないものです。原因を改善するアプローチを続けながら、過度に気にしすぎないことも大切です。
不安をためこまないために
おならに関する悩みはデリケートで相談しにくい場合もありますが、消化器科・内科では日常的に扱う症状です。ひとりで抱え込まず、専門家に相談することで解消の糸口が見つかることがあります。
よくある質問(FAQ)
寝てる時におならが出るのは病気ですか?
睡眠中は括約筋の緊張が緩むため、生理的にガスが排出されやすい状態です。それ自体は病気ではありません。ただし、腹痛・血便・急激な体重減少などを伴う場合は受診をご検討ください。
何日くらい続いたら受診したほうがいいですか?
明確な基準はありませんが、2〜3週間以上日常生活に支障をきたす程度の症状が続く場合や、アラームサイン(血便・発熱・体重減少など)があれば早めの受診が望ましいです。
便秘を治すとおならは減りますか?
便秘が改善されると腸内での発酵時間が短くなり、ガスの産生が減少する場合があります。ただし、原因が便秘以外にある場合は別途対処が必要です。
市販薬で対処しても大丈夫ですか?
軽度の症状であれば市販薬を活用することも一つの選択肢です。ただし、症状が改善しない・悪化するといった場合は自己判断せず医師に相談してください。
子どもや高齢者でも同じ原因が考えられますか?
基本的な原因(食事・腸内環境・便秘など)は年齢を問わず共通します。ただし、子どもや高齢者は消化機能や腸内環境の特性が異なる場合があり、症状が続く場合は年齢に応じた医療機関への相談が勧められます。
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本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)
略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割:
厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
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