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水溶性食物繊維が多い食品とは?種類・目安・上手な取り入れ方を解説

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水溶性食物繊維が多い食品とは?種類・目安・上手な取り入れ方を解説

食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があることをご存じでしょうか。日本人の食事では不足しがちな栄養素のひとつとして、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」でも食物繊維の摂取目標量が設定されています。本記事では、水溶性食物繊維に絞って、多く含まれる食品の特徴・目安量・日常での取り入れ方を、医学的根拠をもとにわかりやすく解説します。

水溶性食物繊維とは?まず押さえたい基本

水溶性食物繊維とは、文字どおり水に溶ける性質をもつ食物繊維の総称です。水に溶けるとゲル状になりやすく、胃や腸の中で食べ物の移動を穏やかにするはたらきがあるとされています。代表的な種類としては、ペクチン、β-グルカン、イヌリン、アルギン酸、フコイダンなどが挙げられます。

一方、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を比べると、不溶性食物繊維は水に溶けず、腸内で水分を吸収して膨らみ、腸の蠕動(ぜんどう)運動を刺激するはたらきが中心です。どちらか一方を極端に多くするのではなく、バランスよく摂ることが食事全体のうえで重要です。

食物繊維全体の基本については、別記事で詳しくまとめていますので、あわせてご参照ください。

水溶性食物繊維が多い食品一覧

水溶性食物繊維は特定の食品だけに偏っているわけではなく、果物・野菜・海藻・豆類・穀類など幅広い食品に含まれています。以下では食品群ごとに代表例を整理します。

果物に多い食品

| 食品 | 含まれる主な水溶性食物繊維 |

|——|————————–|

| りんご | ペクチン |

| バナナ | ペクチン、フラクトオリゴ糖 |

| みかん・柑橘類 | ペクチン |

| キウイ | ペクチン |

| いちご | ペクチン |

果物の皮や果肉の白い部分にペクチンが多く含まれる傾向があります。りんごは皮ごと食べると食物繊維をより多く摂取しやすくなります。

野菜に多い食品

| 食品 | 特徴 |

|——|——|

| オクラ | 粘り成分がペクチンや多糖類 |

| モロヘイヤ | 粘り成分に水溶性食物繊維を含む |

| ごぼう | イヌリンを多く含む根菜 |

| アボカド | 水溶性・不溶性の両方を含む |

| 大和いも・長いも | 粘性多糖類(ムチン様物質)を含む |

海藻・きのこ・豆類に多い食品

海藻類はアルギン酸やフコイダンといった水溶性食物繊維の代表的な供給源です。

  • 海藻類:わかめ、昆布、ひじき、もずく、めかぶ
  • きのこ類:なめこ(粘り成分が特徴)、しいたけ(β-グルカンを含む)、えのきたけ
  • 豆類:大豆、納豆、えだまめ、いんげん豆、ひよこ豆

豆類は水溶性・不溶性の両方を含み、特に大豆製品は日本の食卓に取り入れやすい食材です。

穀類・いも類・その他の食品

| 食品 | 含まれる主な水溶性食物繊維 |

|——|————————–|

| オートミール | β-グルカン |

| 大麦・もち麦・押し麦 | β-グルカン |

| さつまいも | ペクチン |

| こんにゃく・しらたき | グルコマンナン |

| ライ麦パン | ペクチン、β-グルカン |

こんにゃくに含まれるグルコマンナンはカロリーが低く、食卓に取り入れやすい食材のひとつです。

水溶性食物繊維が多い食品ランキングの見方

インターネット上では「水溶性食物繊維ランキング」として食品の含有量一覧が多数紹介されています。数値を参考にする際には、以下の点に注意が必要です。

  • 可食部100gあたりの数値か、1食分の数値かを確認する
  • 乾燥品(乾物)か、調理後(戻したあと)かで数値が大きく変わる(例:乾燥わかめは水戻し後に重量が約10倍になるため、実際の1食分は少量になる)
  • 食品成分表(文部科学省「日本食品標準成分表」)は定期的に改訂されているため、最新版を確認する

詳細な食品ごとの数値一覧については、水溶性食物繊維の食品一覧もあわせてご参照ください。

1日にどれくらいとる?摂取の目安

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、食物繊維の1日あたりの目標量は以下のとおりです(成人)。

| 区分 | 目標量 |

|——|——–|

| 18〜64歳 男性 | 21g以上 |

| 18〜64歳 女性 | 18g以上 |

| 65歳以上 男性 | 20g以上 |

| 65歳以上 女性 | 17g以上 |

この数値は食物繊維全体(水溶性+不溶性)の合計です。現在の日本人の平均摂取量は目標量を下回っていることが多いとされており、毎日の食事全体を見直すことが基本となります。急に大量に増やすと消化器系への負担になる場合があるため、少しずつ増やしていくことが大切です。

水溶性食物繊維を上手に増やす食べ方

主食を置き換える工夫

  • 白米にもち麦や押し麦を2〜3割程度混ぜて炊く
  • 朝食にオートミールを取り入れる(牛乳や豆乳でふやかしてシリアル代わりに)
  • 白いパンからライ麦パンや全粒粉パンに切り替える

β-グルカンを含む大麦・オートミールは比較的取り入れやすく、主食のわずかな変化で継続しやすい方法です。

副菜・汁物で増やす工夫

  • 味噌汁やスープにわかめ・昆布・なめこ・きのこ・豆腐・ごぼうなどを加える
  • 副菜にオクラの和え物、もずく酢、ひじきの煮物などを1品追加する
  • 煮物にこんにゃくやしらたきを活用する

汁物は野菜・海藻・きのこをまとめて取り入れられるため、1食のなかで食物繊維量を効率よく増やしやすい方法です。

間食やデザートで補う工夫

  • 果物(りんご・バナナ・キウイなど)を1日1回の間食として取り入れる
  • ヨーグルトにキウイやバナナを加えて食べる

間食は果物の取りすぎによる糖質・カロリーの過剰摂取にならないよう、量に留意することが大切です。1日の食事全体のバランスを意識したうえで補う形が基本です。

取りすぎ・食べ方の注意点

食物繊維は一般的に不足しがちな栄養素とされていますが、短期間に急激に増やすと、お腹の張り(腹部膨満感)、ガス、軟便、下痢などの不調につながることがあります。以下の点に注意しながら、無理のない範囲で増やしていくことを心がけてください。

  • 少しずつ増やす:1食に1品追加する程度から始め、数週間かけて慣らしていく
  • 水分を十分に摂る:食物繊維は水分と組み合わせることで腸内でのはたらきが安定しやすい(1日の水分摂取の目安は食事由来を含め1〜1.5L程度とされています)
  • 持病・服薬中の方は事前に確認を:糖尿病・腎臓病・消化器疾患など基礎疾患がある方や、薬を服用中の方は、食事の変更前に担当医にご相談ください

こんなときは食事だけで判断せず受診を

食物繊維を意識した食事を続けることは日常の健康管理として大切ですが、以下のような症状が続く場合は自己判断せず、消化器科・外科を受診することをおすすめします。

  • 2週間以上続く便秘・下痢、または両方を繰り返す
  • 血便・黒色便
  • 原因不明の体重減少
  • 腹痛・腹部の違和感が続く
  • 食欲の著しい低下

これらは消化器疾患のサインである可能性があり、食事だけで対処しようとすることで診断が遅れる場合があります。気になる症状がある場合は早めにご相談ください。

よくある質問

サプリメントで補ってもよい?

食物繊維のサプリメント(イヌリン、難消化性デキストリンなど)は市販されており、食事だけでは不足しがちな場合の補助として活用されることがあります。ただし、食品から摂取する場合と比べてビタミン・ミネラルなど他の栄養素を同時に摂れない点が異なります。サプリメントは食事を基本としたうえでの補助的な位置づけと考え、使用前には製品の成分表示をよく確認し、持病・服薬中の方は担当医にご相談ください。

便秘には水溶性食物繊維だけを増やせばよい?

便秘の改善には食物繊維(水溶性・不溶性のバランス)のほか、水分摂取・適度な運動・規則的な排便習慣・ストレス管理など複数の要因が関係しています。水溶性食物繊維だけを急激に増やすことで、かえってお腹の不調を招く場合もあります。食事全体を見直しながら、少しずつ改善を図ることが基本です。慢性的な便秘が続く場合は医療機関へのご相談を検討してください。

子どもや高齢者でも取り入れられる?

子どもも高齢者も食物繊維を摂取すること自体は問題ありませんが、年齢・噛む力・消化機能に応じた工夫が必要です。

  • 子ども:食物繊維の目標量は年齢によって異なります(「日本人の食事摂取基準」参照)。噛みやすい形に調理し、野菜嫌いには汁物や混ぜご飯などで取り入れる工夫が有効です。
  • 高齢者:噛む力や消化機能が低下している場合には、海藻・きのこ・野菜をやわらかく煮る、とろみをつけるなどの調理上の配慮が助けになります。

まとめ

水溶性食物繊維は、果物・野菜・海藻・きのこ・豆類・穀類・いも類など、日常の食卓に身近な食品に幅広く含まれています。特定の食品に頼るのではなく、毎食の主食・副菜・汁物・果物などを組み合わせて、少しずつ食事全体の食物繊維量を増やしていくことが基本的な考え方です。

急な摂取量の増加は避け、水分も合わせてしっかり摂ることが大切です。また、消化器症状が続く場合は食事の工夫だけで対処しようとせず、医療機関での相談を優先してください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 理事長

専門:消化器外科

福島県立医科大学大学院 外科学修了。NTT東日本関東病院や国立病院機構横浜医療センター等で外科医長・救命救急センター副部長を歴任。厚生労働省の地域連携クリティカルパスモデル開発の班研究員、神奈川県がん診療連携協議会相談役などを務める。

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