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コレステロールを下げるために知っておきたいこと|食事・運動・薬物療法まで医師が解説

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コレステロールを下げるために知っておきたいこと|食事・運動・薬物療法まで医師が解説

「健康診断でコレステロールが高いと言われたけれど、どうすればいいのだろう」と感じている方は少なくありません。コレステロールは体にとって必要な成分である一方、特定の数値が高い状態が続くと、血管の健康に影響を与えることが知られています。

本記事では、コレステロールの基礎知識から、生活習慣の見直し方、食事・運動・薬物療法の考え方まで、医学的根拠をもとに整理して解説します。なお、本記事はあくまでも一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療については必ず医師の診察をお受けください。


コレステロールとは?まず知っておきたい基礎知識

コレステロールは細胞膜の材料であり、ホルモンや胆汁酸の合成にも関わる、体に欠かせない脂質の一種です。食事から摂取される量だけでなく、肝臓でも合成されるため、食事だけが数値を左右するわけではありません。

血液検査では主に以下の4項目が確認されます。

項目 一般的な基準値(目安)
総コレステロール 200 mg/dL未満(目安)
LDLコレステロール 120 mg/dL未満(目安)
HDLコレステロール 40 mg/dL以上(目安)
中性脂肪(トリグリセリド) 150 mg/dL未満(空腹時)

※基準値は検査機関や学会ガイドラインにより異なります。個人の状態によって目標値も異なるため、医師の説明をご確認ください。

LDLコレステロールとHDLコレステロールの違い

LDLコレステロールはよく「悪玉」と呼ばれますが、本来は肝臓から体の各組織へコレステロールを届ける役割を持っています。ただし、過剰になると血管壁に蓄積しやすくなるため、動脈硬化との関係が指摘されています。

一方のHDLコレステロールは「善玉」と呼ばれ、余分なコレステロールを末梢組織から肝臓へ回収する役割を担います。HDLコレステロールが低下することも、心血管疾患のリスク因子の一つとされています。

「悪玉=すべて悪い」「善玉=多ければ多いほどよい」という単純な理解は必ずしも正確ではなく、両者のバランスや他のリスク因子とあわせて評価することが重要です。

コレステロール値が高いとどうなるか

LDLコレステロールが高い状態が続くと、血管内壁にコレステロールが蓄積し、動脈硬化が進みやすくなるとされています。動脈硬化が進行すると、狭心症・心筋梗塞・脳卒中などのリスクが高まる可能性があります。

注意が必要なのは、コレステロールが高くても多くの場合は自覚症状がほとんどないという点です。「症状がないから大丈夫」と判断せず、定期的な検査と医師への相談が大切です。


コレステロールが高くなる主な原因

コレステロール値は複数の要因が絡み合って変動します。

食生活の影響

飽和脂肪酸(脂身の多い肉、バター、生クリーム等に多く含まれる)やトランス脂肪酸(一部の加工食品等)の過剰摂取はLDLコレステロールを上昇させやすいとされています。また、総エネルギーのとりすぎが中性脂肪の増加を招くこともあります。

生活習慣以外の要因

遺伝的な要因による「家族性高コレステロール血症」は、生活習慣に関わらずLDL値が高くなる疾患です。また、甲状腺機能低下症、糖尿病、腎疾患、一部の薬剤(ステロイドなど)もコレステロール値に影響することがあります。これらが背景にある場合、生活習慣の改善だけでは十分でないことがあります。


コレステロールを下げるためにまず取り組みたい生活習慣

日本動脈硬化学会のガイドラインでは、脂質異常症の治療において食事療法・運動療法を含む生活習慣の改善が基本とされています。薬物療法が必要な場合でも、生活習慣の見直しは並行して継続することが勧められています。

食事で見直したいポイント

  • 総エネルギーを適正に保つ:体重管理の観点からも、摂取エネルギーの過不足を見直します
  • 脂質の「質」を変える:飽和脂肪酸を減らし、不飽和脂肪酸(青魚のEPA・DHAや植物油のオレイン酸など)を意識する
  • 食物繊維を増やす:野菜・豆類・海藻・未精製の穀類などを積極的に取り入れる

積極的にとりたい食品の例

  • 水溶性食物繊維を多く含むもの:オートミール、大麦、海藻類、こんにゃく、りんご、オクラなど
  • 青魚:サバ、イワシ、サンマなど(EPA・DHAが豊富)
  • 大豆・大豆製品:豆腐、納豆、豆乳など
  • ナッツ類:アーモンド、クルミなど(ただし高カロリーのため量に注意)
  • 未精製穀類:玄米、全粒粉パンなど

詳しい食品の選び方については、悪玉コレステロールを下げるの記事もあわせてご参照ください。

控えたい食品の例

  • 脂身の多い肉(バラ肉、ひき肉など)
  • 加工肉(ウインナー、ベーコンなど)
  • 揚げ物・スナック菓子
  • バター・生クリームを多く使った食品
  • 洋菓子・砂糖の多い菓子類

飲み物の選び方

砂糖の多い清涼飲料水は中性脂肪の上昇につながりやすいため注意が必要です。アルコールもとりすぎると中性脂肪を増やしやすく、節度ある量(1日あたり純アルコール約20g程度が目安とされています)を心がけましょう。日常的な飲み物は水やお茶を基本にするのが望ましいとされています。

運動でできること

有酸素運動(ウォーキング、軽いジョギング、水泳、自転車など)はHDLコレステロールの維持や中性脂肪の減少に寄与するとされています。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人は週150〜300分程度の中強度の有酸素活動が推奨されています。まずは「1日30分のウォーキングを週5日」のような具体的な目標から始めるとよいでしょう。

体重管理と腹囲の見直し

内臓脂肪の蓄積はLDLコレステロールの上昇や中性脂肪の増加と関連が指摘されています。急激な減量は体への負担となることがあるため、月1〜2kg程度を目安にした緩やかな体重管理が現実的です。

喫煙と睡眠・ストレス

喫煙はHDLコレステロールを低下させ、動脈硬化リスクを高めることが知られています。禁煙は生活習慣改善の中でも優先度の高い取り組みの一つです。また、睡眠不足や慢性的なストレスは食欲や生活習慣全般に影響し、間接的にコレステロール値に影響することもあります。


食事療法の具体的な考え方

バランスのよい献立の組み立て方

主食(ごはん・パン・麺類)・主菜(魚・肉・大豆製品・卵)・副菜(野菜・海藻・きのこ)を揃えることが基本です。外食では「定食形式」を選ぶと副菜が付きやすく、栄養バランスを保ちやすくなります。コンビニでは、揚げ物中心の組み合わせを避け、サラダやお浸し、豆腐などを加える工夫が役立ちます。

外食・中食で気をつけたいポイント

  • 揚げ物や脂質の多い料理をメインにしない
  • 汁物を選ぶ場合は塩分に注意しつつ、野菜の多いものを
  • 丼や麺類のみの食事では副菜(サラダ・惣菜)を追加する

間食との付き合い方

菓子類や甘い飲み物の頻度を見直し、「食べない」より「量を決めて楽しむ」という考え方が継続につながります。ナッツや小さめのフルーツなど、食物繊維を含む食品に置き換えることも一つの工夫です。


薬でコレステロールを下げる治療が必要になることもある

生活習慣の改善だけでは目標値に達しない場合や、すでに動脈硬化性疾患がある場合など、医師の判断により薬物療法が検討されます。

どのようなときに薬を検討するか

LDL値の高さだけでなく、年齢・既往歴(心筋梗塞・脳卒中など)・糖尿病・高血圧・喫煙歴・家族歴などのリスク因子を総合的に評価して判断されます。

主に使われる薬の種類

  • スタチン系薬剤:肝臓でのコレステロール合成を抑える作用が期待されます(フルバスタチン、ロスバスタチン等)
  • エゼチミブ:腸管からのコレステロール吸収を抑える作用が期待されます
  • PCSK9阻害薬:注射薬であり、スタチンで効果が不十分な場合などに検討されます

いずれも医師の処方のもとで使用するものであり、効果や適応は個人の状態によって異なります。

薬を飲むときの注意点

自己判断で服薬を中止すると、コレステロール値が元に戻ることがあります。副作用(筋肉痛・疲労感など)が気になる場合は、速やかに処方医に相談してください。他の薬やサプリメントとの飲み合わせについても、医師・薬剤師にご確認ください。


検査値の見方と注意したいポイント

健康診断で指摘されたらどうするか

「要再検査」「要受診」の指摘があった場合は、放置せずに内科や循環器内科への相談をお勧めします。結果票は捨てずに保管し、前回との比較ができるようにしておくことが、経過を把握するうえで役立ちます。

数値だけで判断しない理由

同じLDL値でも、年齢・性別・基礎疾患・家族歴によってリスクの大きさは異なります。「LDLが少し高いだけだから問題ない」と自己判断せず、総合的なリスク評価を医師に委ねることが大切です。コレステロールを下げるにはの記事も、リスク評価の参考としてご活用ください。


今日から始めやすい実践例

朝・昼・夜の改善例

食事 改善前の例 改善後の例
菓子パン+カフェオレ 雑穀米ごはん+納豆+味噌汁+小松菜のお浸し
揚げ物定食(唐揚げ・コロッケ等) 焼き魚定食または豆腐入り定食+サラダ
ラーメン+餃子 野菜たっぷりの鍋・煮物+ごはん(少なめ)+青魚の塩焼き

続けるためのコツ

  • 目標を小さく設定する:「毎日完璧にやる」より「週3回青魚を食べる」など達成可能な目標から
  • 記録をつける:食事内容や体重を手軽に記録することで変化を確認しやすくなります
  • 家族と共有する:家庭の食事環境を一緒に見直すことが継続の支えになります

よくある質問

コレステロールを下げるのに即効性のある方法はある?

食事・運動の改善による変化が血液検査に反映されるまでには、一定の期間がかかります。短期間での劇的な変化を期待するより、継続可能な生活習慣を着実に積み重ねることが基本です。数値の評価は医師の診察のもとで行うことをお勧めします。

コレステロールは食事だけで下げられる?

食事改善で一定の改善が期待できる場合もありますが、体質や遺伝的な要因が強い場合、食事だけでは目標値に届かないこともあります。医師と相談しながら、必要に応じて薬物療法を検討することが重要です。

卵は食べてはいけない?

卵のコレステロールへの影響は個人差があり、一律に「禁止」とするエビデンスは現在のところ十分ではないとされています。ただし、すでにLDLが高い方や家族性高コレステロール血症の方は、全体の食事内容をふまえて医師・管理栄養士に相談することをお勧めします。

サプリメントは役立つ?

一部のサプリメント(紅麹、植物ステロールなど)にコレステロールへの関与を示す研究もありますが、医薬品と同等の効果を期待したり、薬の代替として使用したりすることは推奨されません。服用前に安全性・他の薬との相互作用について医師・薬剤師にご相談ください。

健康診断でLDLが高いだけなら様子見でよい?

自覚症状がなくても、LDLが高い状態の放置は動脈硬化リスクの観点から好ましくないとされています。まず再検査や受診によってリスク評価を受け、必要な対応を医師と相談することをお勧めします。


受診の目安

早めに相談したいケース

  • 健康診断でLDLや総コレステロールの高値を継続して指摘されている
  • 糖尿病・高血圧・慢性腎臓病などの基礎疾患がある
  • 喫煙歴がある、または現在喫煙中
  • 家族に脂質異常症・若年での心筋梗塞・脳卒中の既往がある

すぐ受診を考えたいケース

  • 胸痛・動悸・息切れ・手足のしびれや突然の頭痛がある

これらはコレステロール以外の原因も含め、早急な評価が必要なサインとなりえます。ためらわずに医療機関を受診してください。


まとめ

コレステロールを下げるための基本は、食事・運動・体重管理・禁煙などの生活習慣の見直しです。生活習慣の改善だけでは十分でない場合、医師の判断のもとで薬物療法が検討されます。いずれの場合も、自己判断で放置したり、治療を中断したりすることは避け、定期的な検査と医師への相談を継続することが大切です。


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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 理事長
専門:消化器外科

福島県立医科大学大学院 外科学修了。NTT東日本関東病院や国立病院機構横浜医療センター等で外科医長・救命救急センター副部長を歴任。厚生労働省の地域連携クリティカルパスモデル開発の班研究員、神奈川県がん診療連携協議会相談役なども務める。


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