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ちつとは?原因・症状・対処を内科医が解説

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ちつとは?原因・症状・対処を内科医が解説

膣(ちつ)は、女性の体内にある重要な器官のひとつです。月経・妊娠・出産など生殖機能に深く関わる一方、かゆみ・おりものの変化・痛みといった不調が生じやすい部位でもあります。本記事では、膣の基本的な構造から起こりやすい症状・原因・対処法・受診の目安まで、医学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。気になる症状がある場合は、自己判断にとどまらず、医療機関への相談をご検討ください。

この記事のポイント

  • 膣は、外陰部と子宮をつなぐ管状の器官で、月経・妊娠・出産に関わります。
  • かゆみ・痛み・おりものの変化・不正出血などは、感染症やホルモン変化が関係することがあります。
  • 膣の不調は基本的に婦人科・産婦人科が専門ですが、受診先に迷う場合は内科での初期相談も可能です。

ちつとは?まず知っておきたい基本

「ちつ」と「膣(ちつ)」の意味

「ちつ」とは、漢字で「膣」と書きます。女性の体内にある管状の器官であり、外陰部と子宮をつなぐ役割を担います。医学用語としては英語で vagina(ヴァジャイナ) とも表されます。

どこにある?体のどの部分か

膣は骨盤内に位置し、外側(外陰部の膣口)から内側(子宮頸部)へとつながる約7〜10cmの管状の器官です。前方には膀胱・尿道、後方には直腸が隣接しています。

外陰部・子宮・おりものとの違い

  • 外陰部:外から目視できる部位(大陰唇・小陰唇・クリトリスなど)の総称。膣は外陰部の内側に続く器官です。
  • 子宮:膣の奥(上方)に位置し、受精卵が着床・発育する器官です。
  • おりもの:膣や子宮頸管から分泌される液体の総称で、膣内の自浄作用を助けます。

膣の役割

体の構造と働き

膣壁は粘膜・筋層・外膜の3層構造で、伸縮性に富んでいます。膣内はデーデルライン桿菌(乳酸菌の一種)が常在し、乳酸を産生して弱酸性環境(pH 3.8〜4.5程度)を保つことで外部からの細菌・真菌の侵入を防いでいます。

生殖や月経との関わり

分娩時には産道として機能し、月経血の排出路にもなります。また、性交時の精子の通路としても機能します。膣のコンディションは、ホルモンバランスや生活習慣と密接に関係しています。

膣に起こりやすい不調・症状

痛み・かゆみ・違和感

膣口周辺や膣内のかゆみ・灼熱感・違和感は、感染症やアレルギー反応、乾燥などが原因で生じることがあります。

おりものの量・色・においの変化

正常なおりものは透明〜白色で無臭または微臭ですが、量の急激な増加・黄緑色・強いにおい・チーズ状の性状などは、感染のサインである可能性があります。

出血や性交時の痛み

月経と無関係な出血(不正出血)や、性交時の痛み(性交痛)は、炎症・感染・粘膜の萎縮などが関与していることがあります。こうした症状は早めに医療機関へご相談ください。

しこり・腫れ・熱感があるとき

膣口付近のしこりや腫れ、熱感は、バルトリン腺炎(膣口付近の腺の炎症・感染)などの可能性もあります。自己判断でつぶしたり処置したりすることは避けてください。

膣の不調の主な原因

細菌や真菌などによる感染

最も多いのがカンジダ膣炎(カンジダ菌による真菌感染)と細菌性膣症(常在菌バランスの乱れ)です。カンジダ膣炎では白いチーズ状のおりものと強いかゆみが特徴的です。

ホルモン変化や加齢

閉経前後のエストロゲン低下により膣粘膜が薄くなり、乾燥・かゆみ・性交痛が生じやすくなります(萎縮性膣炎)。妊娠中もホルモン変動により不調が起きやすい時期です。

物理的な刺激や乾燥

合わない下着・タンポンの長時間使用・石けんによる過剰な洗浄なども、膣粘膜を傷つける原因になります。

性感染症の可能性

トリコモナス膣炎・クラミジア感染症・淋菌感染症などの性感染症では、おりものの異常や痛みが現れることがあります。パートナーも含めた検査・治療が重要です。

体調変化や基礎疾患が関係することも

免疫力の低下(糖尿病・抗生物質の長期使用・ストレスなど)は、カンジダ菌の増殖を招きやすくします。

自分でできる対処

清潔を保つときのポイント

外陰部は、ぬるめのシャワーで前から後ろへ優しく洗い流すことが基本です。

洗いすぎを避ける

石けんや洗浄液の過剰使用は、常在菌を減らして自浄作用を低下させるリスクがあります。膣内を直接洗う「膣内洗浄」は行わないのが原則です。

下着・衣類の選び方

通気性のよい綿素材の下着を選び、締め付けの強いボトムスや長時間の着用は避けると良いでしょう。

症状が軽いときのセルフケア

かゆみが軽度でも、カンジダ膣炎か他の感染症かを自己判断するのは難しいため、まずは医療機関への相談を優先してください。

やってはいけない対処

強い洗浄や膣内洗浄

膣内を洗浄する器具での強い洗浄は、正常な細菌叢(フローラ)を乱し、症状を悪化させる場合があります。

市販薬の自己判断での長期使用

市販の膣錠や抗真菌薬は、初回のカンジダ膣炎に短期使用する場合に限られます。繰り返す症状・他の感染症の可能性がある場合は、必ず受診が必要です。

症状を我慢して放置すること

感染が子宮・卵管・骨盤腔へ波及すると、骨盤内炎症性疾患(PID)など重症化のリスクがあります。我慢せずに早めの受診を心がけてください。

自己判断を続けないほうがよいサイン

  • おりものの異常が続く
  • かゆみや痛みが2〜3日以上改善しない
  • 不正出血や性交痛がある
  • 繰り返し同じ症状が起きる

受診の目安

早めに医療機関へ相談したい症状

  • おりものの色・量・においが著しく変化した
  • かゆみや灼熱感が続いている(2〜3日以上)
  • 性交時に痛みがある
  • 不正出血がある

緊急性が高い症状

  • 高熱を伴う下腹部の強い痛み
  • 大量の出血
  • 膣口周囲の急激な腫れ・激痛

上記のような場合は、速やかに医療機関を受診してください。

何科を受診すればよいか

基本的には産婦人科・婦人科が専門です。「何科に行けばいいかわからない」「まず内科で相談したい」という場合は、内科でも初期対応・紹介状の作成が可能です。
ご予約・お問い合わせはこちらからお気軽にご相談ください。

医療機関ではどんな診察・検査をする?

問診で確認すること

症状の始まった時期・おりものの性状・月経の状況・性交歴・使用中の薬などを確認します。

必要に応じて行う検査

おりものの顕微鏡検査・培養検査・性感染症の抗原・抗体検査などが行われます。必要に応じて子宮頸部の細胞診(子宮頸がん検診)も実施されることがあります。

診断に基づく治療の考え方

原因に応じて、抗真菌薬(カンジダ)・抗菌薬(細菌性膣症・性感染症)・ホルモン補充療法(萎縮性膣炎)などが選択されます。治療方針は診察・検査結果をもとに医師が判断します。

予防と再発を防ぐために

日常生活で意識したいこと

  • 十分な睡眠・バランスのよい食事で免疫力を維持する
  • 外陰部を清潔かつ優しく保つ
  • 長時間の濡れた水着・下着の着用を避ける

性感染症予防の基本

コンドームの適切な使用は、多くの性感染症リスクを低減します。定期的な性感染症検査も再発予防に役立ちます。

生活習慣と体調管理

糖尿病のコントロール・抗生物質の適正使用・ストレス管理は、カンジダ感染の再発予防に重要です。

こんなときは産婦人科・婦人科へ

迷ったら相談したいケース

  • 不正出血が続く
  • 性交痛が改善しない
  • 子宮頸がん検診を受けたことがない
  • 妊娠の可能性がある

内科で相談できるケースとの違い

「まず症状を相談したい」「受診先に迷っている」「他の内科的疾患との関連が気になる」といったケースでは、内科への相談も選択肢のひとつです。内科医が状態を確認し、必要に応じて婦人科へ紹介します。喉の違和感など他の症状と併発している場合は
喉の違和感とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】
もあわせてご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 膣と外陰部は同じ意味ですか?

いいえ、異なります。外陰部は体の外側から見える女性器の総称(大陰唇・小陰唇・クリトリスなど)であり、膣はその奥にある管状の内部器官です。

Q. おりものが増えるのは異常ですか?

排卵期・妊娠中・性的興奮時など生理的なおりものの増加は正常の範囲内です。ただし、色・においの変化や、かゆみ・痛みを伴う場合は感染症のサインである可能性があるため、医療機関への相談をお勧めします。

Q. 膣のかゆみは自然に治りますか?

原因によって異なります。軽度の刺激が原因であれば自然に落ち着くこともありますが、感染症が原因のかゆみは治療なく自然に治ることはほとんどありません。2〜3日以上続く場合は受診してください。

Q. 生理中に膣の不調が出たらどうすればいいですか?

生理中はホルモンや環境の変化で感染リスクが高まる時期でもあります。かゆみ・においの異常・強い痛みが現れた場合は、生理が終わるまで待たずに受診を検討してください。

Q. 痛みがあるときは内科と婦人科のどちらを受診すべきですか?

下腹部痛・性交痛・膣の痛みは婦人科が専門ですが、「どこに行けばいいかわからない」「他の症状も気になる」という場合は内科への相談でも初期評価が可能です。また、消化器的な症状と腹痛が重なるケースでは内科での鑑別が役立つことがあります。
腹式呼吸とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】
など、お腹まわりの体調管理に関する情報もあわせてご覧ください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医

専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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