オンライン予約はこちら

十二指腸潰瘍とは?原因・症状・対処を内科医が解説

健康ブログ

健康で楽しい生活を送る

十二指腸潰瘍とは?原因・症状・対処を内科医が解説

十二指腸潰瘍は、胃酸やピロリ菌などの影響で十二指腸の粘膜が傷つき、深くえぐれた状態になる病気です。空腹時やみぞおちの痛みが特徴的で、適切な治療を行えば多くのケースで改善が期待できます。ただし放置すると出血や穿孔(せんこう)などの重篤な合併症につながる場合もあるため、気になる症状がある場合は早めに内科を受診することが大切です。


十二指腸潰瘍とは

十二指腸のどこにできる病気か

十二指腸は、胃の出口(幽門)に続くC字型の消化管で、成人で長さ約25cmほどの臓器です。胃から送り出された食べ物と胃酸が最初に通過する部位であり、膵液や胆汁とも合流します。潰瘍(かいよう)とは粘膜が深く傷ついた状態を指し、十二指腸潰瘍の多くは十二指腸球部(胃に最も近い部分)に生じます。

胃潰瘍との違い

胃潰瘍と十二指腸潰瘍はどちらも「消化性潰瘍」と総称されますが、いくつかの違いがあります。十二指腸潰瘍は若い世代(20〜40代)に多い傾向があり、食後よりも空腹時・夜間に痛みが出やすいのが特徴です。また、胃酸の分泌が過剰になりやすい体質の方に起こりやすいとされています。胃潰瘍は食後に痛みが出ることが多く、中高年に多い傾向があります。


十二指腸潰瘍の主な原因

ピロリ菌感染

十二指腸潰瘍の原因として最も重要なのがヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)感染です。日本消化器学会のガイドラインによると、十二指腸潰瘍患者のおよそ80〜90%にピロリ菌感染が認められるとされています。ピロリ菌は胃粘膜に炎症を引き起こし、防御機能を低下させることで潰瘍の形成を促します。

痛み止めの薬(NSAIDs)の影響

ロキソプロフェンやアスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、胃や十二指腸の粘膜を保護するプロスタグランジンという物質の産生を抑制するため、粘膜が傷つきやすくなります。関節痛や頭痛などで常用している方は注意が必要です。

喫煙・ストレス・生活習慣との関係

喫煙は胃酸分泌を増加させ、粘膜の血流を低下させるため、潰瘍の発症・再発リスクを高めることが知られています。過度なストレスも胃酸分泌に影響を与えます。また、不規則な食事・睡眠不足・過度のアルコール摂取なども粘膜防御機能の低下につながると考えられています。

まれに考えられる原因

ガストリンを過剰産生する腫瘍(ゾリンジャー・エリソン症候群)や、クローン病・全身性の重篤な疾患に伴う「ストレス潰瘍」など、比較的まれな原因もあります。治療に反応しにくい場合は、こうした基礎疾患の検索も行われます。


十二指腸潰瘍でみられる症状

みぞおちの痛み

最も典型的な症状はみぞおち(上腹部)の痛みや不快感です。鈍痛・灼熱感・締め付けられる感じなど、表現はさまざまです。

空腹時や夜間に痛みやすい理由

食事をすると食べ物が胃酸を中和しますが、空腹になると胃酸の刺激を直接受けやすくなります。そのため十二指腸潰瘍では空腹時・食前・夜間(就寝前後)に痛みが出やすく、食事をすると一時的に楽になるという経過が特徴的です。

胸やけ・吐き気・胃もたれ

胸やけ、吐き気、胃もたれ、食欲不振なども生じることがあります。症状が軽い場合、胃炎や逆流性食道炎と区別がつきにくいこともあります。胸やけが気になる方は食道裂孔ヘルニアとは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】もあわせてご覧ください。

胃酸を抑える薬(PPI)についてはppiとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】で詳しく解説しています。

貧血や黒い便など出血を疑う症状

潰瘍が血管を傷つけると出血が起こります。黒くタール状の便(タール便)は消化管出血のサインであり、大量出血では吐血(血を吐く)が起こることもあります。慢性的な出血では動悸・息切れ・ふらつきなどの貧血症状が現れることもあります。


十二指腸潰瘍で受診が必要なサイン

早めに内科を受診したほうがよい症状

  • 空腹時やみぞおちの痛みが繰り返す
  • 黒い便が続く
  • 貧血症状(動悸・息切れ・めまい)がある
  • NSAIDsを長期服用中で上腹部不快感がある

救急受診を検討すべき危険な症状

  • 突然の激しい腹痛(腹全体に広がる場合)
  • 大量の吐血
  • 血圧低下・意識の変化を伴う場合

これらは穿孔や大量出血など重篤な合併症の可能性があります。速やかに救急受診してください。


十二指腸潰瘍の診断方法

問診で確認すること

症状の出る時間帯・食事との関係・NSAIDsや抗凝固薬の服用歴・喫煙歴・ストレスの程度などを確認します。

胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査

十二指腸潰瘍の診断には胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が最も確実です。潰瘍の部位・大きさ・深さ・出血の有無を直接観察でき、必要に応じて組織を採取して検査(生検)を行います。

ピロリ菌検査

内視鏡時の生検標本を用いた検査のほか、尿素呼気試験・便中抗原検査・血中抗体検査などがあります。治療方針の決定に必要な情報です。

出血や合併症が疑われるときの検査

血液検査(血算・肝腎機能)、便潜血検査なども状況に応じて行われます。


十二指腸潰瘍の治療

薬物療法の基本

胃酸分泌を強力に抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)や、粘膜を保護する薬が中心となります。多くの場合、数週間〜数ヵ月の内服で潰瘍の治癒が期待されます。

ピロリ菌が原因の場合の除菌治療

ピロリ菌陽性の場合は除菌療法(PPI+抗菌薬の組み合わせ)が行われます。健康保険が適用されます。除菌成功後は潰瘍の再発率が大幅に低下することが多くの研究で示されています。

痛み止めが原因の場合の対応

NSAIDsが原因の場合は、可能であれば薬の変更・中止を主治医と相談します。継続が必要な場合はPPIを併用して粘膜を保護します。

再発予防の考え方

ピロリ菌除菌・原因薬剤の見直しが再発予防の基本です。生活習慣の改善も重要な役割を果たします。


自分でできる対処と生活上の注意

食事で気をつけたいこと

刺激の強い食品(辛いもの・酸味の強いもの・炭酸飲料)、胃酸を増やす食習慣(空腹を長時間続ける・過食)を避け、規則正しく食事をとることが大切です。特定の食品で「必ず治る」ことはなく、バランスの良い食事を心がけることが基本です。

アルコール・喫煙・睡眠の見直し

アルコールは粘膜を刺激し、喫煙は粘膜の回復を妨げます。十分な睡眠とストレス管理も潰瘍の改善・再発防止に関わると考えられています。

市販薬を使う前の注意点

市販の胃薬で一時的に症状が和らいでも、潰瘍が治癒したわけではありません。症状が続く場合は自己判断で服用を継続せず、医師に相談することをお勧めします。


十二指腸潰瘍を放置するとどうなるか

出血

潰瘍が深くなると血管が露出し、出血を起こします。少量の慢性出血は貧血を引き起こし、大量出血では吐血・ショックに至ることもあります。

穿孔

潰瘍が腸壁を貫通する穿孔が起きると、腹膜炎となり、外科的緊急手術が必要になる場合があります。突然の激しい腹痛が典型的な症状です。

狭窄などの合併症

繰り返す潰瘍と瘢痕(はんこん)形成により十二指腸が狭くなる狭窄が生じ、食事が通りにくくなることがあります。


十二指腸潰瘍の予防

ピロリ菌対策

ピロリ菌感染の有無を確認し、陽性の場合は除菌治療を検討することが予防の第一歩です。

薬の使い方を見直す

NSAIDsを常用している方は、医師・薬剤師に胃粘膜保護薬の併用について相談しましょう。

再発を防ぐための生活習慣

禁煙、適切なアルコール量、規則正しい食生活、十分な休養を心がけることが再発予防につながります。


たまプラーザで内科受診を考える方へ

受診のタイミングの目安

空腹時の上腹部痛が繰り返す、黒い便が出た、市販薬を使っても症状が改善しない場合は、内科への受診をお勧めします。

検査や治療を相談しやすいケース

「胃カメラが初めてで不安」「ピロリ菌の検査を受けたい」「NSAIDsを飲んでいるが胃が心配」など、気になることがあればお気軽にご相談ください。ご予約・お問い合わせからご連絡いただけます。


よくある質問(FAQ)

十二指腸潰瘍は自然に治りますか?

症状が軽い場合、一時的に和らぐことはありますが、原因(ピロリ菌・NSAIDs等)が残っていると再発・悪化しやすく、放置すると出血や穿孔などの合併症のリスクもあります。症状が続く場合は医師の診察を受けることをお勧めします。

十二指腸潰瘍は食事で治せますか?

食事の工夫は症状の悪化予防や回復をサポートする意味で重要ですが、潰瘍そのものを食事のみで治すことはできません。薬物療法(PPI・除菌治療など)が治療の中心となります。

十二指腸潰瘍は再発しやすいですか?

ピロリ菌除菌をしない場合や、NSAIDsを継続している場合は再発率が高いとされています。一方、ピロリ菌除菌に成功すると再発率が大きく低下することが多くの研究で報告されています。

胃潰瘍と十二指腸潰瘍はどちらが重いですか?

どちらも同様の合併症(出血・穿孔)が起こりうるため、一概にどちらが重いとはいえません。いずれも適切な診断と治療が重要です。

何科を受診すればよいですか?

内科または消化器内科が適しています。胃カメラ・ピロリ菌検査・薬物療法まで一貫して対応できるクリニックをご利用ください。


関連記事


本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

たまプラーザで内科・消化器の気になる症状がある方へ。みぞおちの痛み・黒い便・空腹時の不快感など、十二指腸潰瘍が疑われる症状は早めのご受診をお勧めします。胃カメラ・ピロリ菌検査・除菌治療まで、受診の目安や検査についてお気軽にご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

TEL:045-909-0117(横浜市青葉区・たまプラーザ)

初診の際は、保険証・お薬手帳・(お持ちであれば)健診結果や紹介状をご用意いただくとスムーズです。ご予約はWebまたはお電話で承ります。

AIプラスクリニックたまプラーザ
こんにちは!ご質問にお答えします。

・診療時間や予約方法
・アクセス方法
・診療科目について

サイト内の記事も参考に回答しますので、お気軽にお尋ねください。