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点滴痛いとは?原因・症状・対処を内科医が解説

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点滴痛いとは?原因・症状・対処を内科医が解説

点滴中や点滴後に「痛い」と感じる原因はさまざまです。針を刺したときの一時的な痛みは多くの場合自然なものですが、点滴中ずっと続く痛みや腫れ・赤みを伴う痛みは、血管外漏出や静脈炎など医療上の対応が必要なサインである可能性があります。本記事では、点滴の痛みの原因・種類・対処法について、医学的な観点からわかりやすく解説します。

点滴で「痛い」と感じるのはなぜ?

点滴(静脈内点滴)は、針(留置針)を静脈に刺して薬液を注入する処置です。皮膚や血管には神経が走っているため、穿刺時や点滴中に何らかの刺激が加わると痛みを感じることがあります。

点滴の痛みでよくある感覚の違い

点滴に伴う痛みの感覚には個人差があり、「チクッ」とする刺入時の痛み、点滴中の持続的な鈍痛、腕全体の重だるさ、刺入部周辺の熱感・かゆみなど、さまざまな形で現れます。

「チクッとする痛み」と「続く痛み」の違い

針を刺した瞬間のチクッとした痛みは、穿刺による皮膚・皮下組織への刺激が原因で、多くの場合一過性です。一方、点滴中ずっと続く痛みは、針の位置のずれ・薬液の刺激・静脈炎など別の原因が疑われるため、看護師や医師への報告が大切です。

点滴が痛いときに考えられる原因

針が血管や皮膚に刺激を与えている

留置針の先端が血管壁に当たっていたり、わずかにずれたりすることで、持続的な刺激痛が生じることがあります。

点滴ルートの位置や固定状態の問題

ルート(チューブ)が引っ張られた状態や、テープによる固定が強すぎる場合にも、不快感や痛みの原因となります。

薬液の性質による刺激

薬液の浸透圧・pH・成分によっては血管壁を刺激しやすいものがあります。特に高濃度の電解質液や抗がん剤、一部のビタミン製剤などは注意が必要です。

血管外漏出が起きている場合

針先が血管から外れ、薬液が皮下組織に漏れた状態を「血管外漏出」といいます。刺入部周辺が腫れ、痛みや冷感を伴うことが特徴です。薬剤によっては皮膚障害につながるリスクがあるため、速やかな対応が必要です。

血管炎や静脈炎が関係する場合

繰り返しの点滴や刺激の強い薬液により、血管壁に炎症(静脈炎)が起きることがあります。赤み・熱感・硬結(しこり感)を伴うのが特徴です。

痛みの種類で見分けたい受診の目安

針を刺した直後だけ痛い場合

穿刺時の一時的な刺激であることが多く、すぐに軽減するようであれば経過を見ることができます。

点滴中ずっと痛い場合

点滴開始後も痛みが続く場合は、針の位置や薬液の刺激が原因の可能性があります。我慢せず医療スタッフに伝えましょう。

腫れ・赤み・熱感を伴う場合

血管外漏出や静脈炎のサインです。点滴をいったん止めて確認が必要なため、すぐに申し出てください。

強い痛みやしびれがある場合

神経への刺激や重篤な血管外漏出が疑われます。速やかに医師の確認が必要です。

点滴後もしばらく痛みが続く場合

静脈炎や組織障害が残っている可能性があります。翌日以降も腫れや赤みが続く場合は医療機関への相談をお勧めします。

点滴が痛いときの対処法

我慢せずすぐに看護師や医師に伝える

点滴中の痛みは、適切な対応を取るための重要な情報です。遠慮なく伝えることが、早期対応につながります。

体位や腕の位置を変えてみる

腕の曲げ伸ばしや位置を少し変えることで、針先の当たり方が改善し、痛みが和らぐことがあります。

ルートの固定や刺し直しが必要なことがある

痛みの原因によっては、テープの貼り直しや別の部位への刺し直しが最善の対応となります。

自分で押したり揉んだりしない

漏出した薬液の広がりを助長したり、炎症を悪化させたりする可能性があるため、刺入部を自己判断で押したり揉んだりすることは避けましょう。

痛みを起こしやすい点滴の例

薬剤の濃度が高い点滴

高張液(濃度の高い電解質・ブドウ糖液など)は血管壁への刺激が大きく、痛みが出やすい傾向があります。

刺激が出やすい薬を使う場合

一部の抗生剤・抗がん剤・ビタミン製剤(高濃度ビタミンCなど)は血管刺激が強く、痛みや静脈炎を起こしやすいことが知られています。

血管が細い・見えにくい場合

血管が細い・走行が屈曲している場合、針が安定しにくく痛みが出やすいことがあります。

乳幼児・高齢者・脱水時など

血管が脆弱になりやすいため、血管外漏出や静脈炎のリスクが高まります。特に注意が必要な対象です。

点滴の痛みを放置するとどうなる?

血管外漏出による腫れや皮膚障害

薬液の種類によっては、皮下組織に漏れると炎症や壊死のリスクがあります。早期発見・早期対応が重要です。

静脈炎や感染のリスク

静脈炎が進行すると血栓性静脈炎に発展することがあり、発熱・強い疼痛・皮膚変色などを伴う場合があります。

早めの対応が大切な理由

点滴中の痛みを放置することで、上記のような合併症リスクが高まります。不安な症状は早めに医療スタッフへ伝えることが大切です。症状の受診・相談については、ご予約・お問い合わせからお気軽にどうぞ。

点滴が痛いときに病院で行う対応

点滴を止めて状態を確認する

まず点滴を停止し、刺入部の腫れ・発赤・液体の漏れがないか確認します。

刺し直しやルート変更を行う

原因が針のずれや血管外漏出の場合、新たな部位への刺し直しが行われます。

薬液や速度を調整する

刺激が強い薬液の場合は、希釈・投与速度の変更・別の投与ルート(中心静脈カテーテルなど)への変更が検討されます。

必要に応じて追加の処置をする

漏出した薬剤の種類によっては、冷罨法・温罨法や解毒薬の局所投与が行われることがあります。

痛みを少なくするためにできること

血管の状態を考慮して穿刺部位を選ぶ

血管が見えやすい・触れやすい部位を選ぶことで、一回の穿刺で確実にルートが確保でき、痛みや合併症のリスクを下げることができます。

十分な水分補給が大切なことがある

適度な水分補給は血管を充満させ、穿刺を容易にすることがあります。ただし、病状によって水分制限がある場合は医師の指示に従ってください。

不安や痛みを事前に伝える

痛みへの不安がある場合は、処置前に医療スタッフへ伝えておくことで、より丁寧な対応を受けることができます。

過去に痛かった経験がある場合は申告する

過去に特定の薬剤で痛みが強かった・血管外漏出があったという経験は、医療スタッフにとって重要な情報です。受診時や処置前に必ず申告しましょう。

受診・相談したほうがよい症状

赤みや腫れが強い

刺入部周辺に顕著な発赤・腫脹がある場合は、静脈炎や感染の可能性があります。

熱感や発熱を伴う

局所の熱感だけでなく、全身的な発熱を伴う場合は感染の関与が疑われます。

痛みが強く増していく

点滴終了後に痛みが増強する場合は、組織障害や感染が進行している可能性があります。

点滴後も症状が続く

翌日以降も腫れ・赤み・痛みが残る場合は、自己判断せず医療機関へ相談することをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

点滴は少し痛いくらいなら様子を見ても大丈夫?

穿刺直後の軽い痛みは一時的なことが多いですが、点滴中に持続する痛みや腫れを伴う場合は我慢せずに伝えることが大切です。「少し痛いだけ」と思っていても、血管外漏出の初期サインである場合があります。

点滴中に痛いときは抜いてもらうべき?

自己判断でルートを抜くことは避けてください。まず看護師や医師に症状を伝え、確認・判断を委ねることが安全です。

点滴の痛みはいつまで続く?

穿刺時の一時的な痛みは数分で治まることがほとんどです。静脈炎や漏出が原因の場合は、処置後数日間痛みや腫れが残ることがあります。症状が長引く場合は医療機関への受診をご検討ください。

子どもが点滴を痛がるときはどうする?

小児は血管が細く、点滴への恐怖心も強いため、痛みの訴えを丁寧に確認することが重要です。医療スタッフへ速やかに伝え、適切な対応(刺し直し・保護者の付き添いなど)を受けるようにしましょう。

点滴が痛いのは薬のせいですか?

薬剤の種類によっては血管刺激が強く、痛みの原因となることがあります。ただし、針の位置・固定状態・血管外漏出なども関係するため、痛みの原因を特定するには医療スタッフによる確認が必要です。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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