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オナラとは?原因・症状・対処を内科医が解説

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オナラとは?原因・症状・対処を内科医が解説

オナラ(屁・放屁)は、腸内でつくられたガスが肛門から排出される、ごく自然な生理現象です。1日に数回から20回程度排出されることは珍しくなく、それ自体が病気を意味するわけではありません。ただし、急に回数が増えた・においが強くなった・お腹の張りや痛みを伴うなどの変化があるときは、腸内環境や消化器の状態を見直すきっかけになります。本記事では、オナラの正体から原因・対処法・受診の目安まで、消化器内科の観点からわかりやすく解説します。

オナラとは?まずは体で何が起きているか

オナラの正体は「腸内のガス」

腸内のガスは、大きく分けて「飲み込んだ空気」と「腸内細菌が食物を分解・発酵して生じたガス」の2種類から成ります。主成分は窒素・酸素・二酸化炭素・水素・メタンなどで、においのほとんどない成分が大半を占めます。においの強い硫化水素やアンモニアなどは全体のごく一部に過ぎません。

1日に出る回数や量の目安

欧米の研究では、健康な成人が1日に排出するガスの回数は平均14〜23回、総量は400〜2,400mL程度とされています。食事内容・腸内細菌の種類・消化機能によって個人差が大きく、日によっても変動します。

オナラが出るのは異常ではない

腸のガスは消化・吸収の副産物であり、排出されずにたまり続けると腹部膨満感や腹痛の原因になります。適切に排出されることは、腸が正常に動いているサインとも言えます。

オナラが出る主な原因

飲み込んだ空気がたまる

食事中や会話中、緊張したときなどに無意識に空気を飲み込む「空気嚥下(えんげ)」が起こります。早食い・ガムをかむ・炭酸飲料をよく飲む方は、空気を取り込みやすい傾向があります。飲み込んだ空気の多くはげっぷとして排出されますが、一部は腸まで到達してオナラになります。

食べ物の消化や発酵でガスが発生する

大腸内の細菌が食物繊維・糖質などを分解・発酵する際にガスが生じます。豆類・キャベツ・玉ねぎ・ブロッコリーなどに含まれるオリゴ糖や食物繊維は、発酵されやすくガスを多く産生することが知られています。

腸の動きが乱れてガスがたまりやすくなる

腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下すると、ガスが腸内に滞留しやすくなります。便秘・ストレス・不規則な生活リズムなどが腸の動きに影響を与えることがあります。

オナラがたくさん出るときに考えられること

早食い・食べすぎ・炭酸飲料

いずれも腸内に取り込まれる空気やガスの量を増やす要因です。食事のペースを意識するだけで、回数が落ち着くケースも少なくありません。

豆類・乳製品・食物繊維の多い食事

発酵しやすい食材を多くとると、腸内細菌の活動が活発になりガス産生量が増えます。乳糖(ラクトース)を分解しにくい体質の方(乳糖不耐症)は、牛乳や乳製品の摂取後にとくに症状が出やすいことがあります。

ストレスや便秘との関係

ストレスは自律神経を介して腸の動きを乱し、ガスがたまりやすい状態をつくります。また、便秘になると腸内に便と一緒にガスが滞留し、お腹の張りやオナラの増加につながることがあります。便秘との関係については、便通を整える工夫が有効なことがあります。

オナラが臭いのはなぜ?

食事内容によるにおいの変化

肉類・卵・硫黄を多く含む食品(にんにく・玉ねぎ・ネギなど)は、腸内で硫化水素などのにおい成分を産生しやすく、オナラのにおいが強くなる傾向があります。

腸内環境の影響

腸内細菌のバランスが乱れ、タンパク質を分解する腐敗菌が増えると、においの強いガスが多く発生します。食生活の偏りや抗生物質の使用などが腸内フローラに影響することがあります。

強いにおいが続くときに注意したいこと

食事内容が変わっていないのに急ににおいが強くなった・長期間続くといった場合は、腸内環境の変化や消化器の状態が関係していることがあります。気になる場合は医療機関への相談をお勧めします。

オナラが止まらない・急に増えたときの対処

生活習慣で見直したいポイント

食事をゆっくりよくかんで食べる
炭酸飲料・ガムを控える
喫煙はできるだけ避ける(煙と一緒に空気を飲み込みやすいため)

食事のとり方を工夫する

豆類・乳製品・キャベツ・玉ねぎなど、ガスを産生しやすい食品を一時的に減らして経過を観察するのも一つの方法です。ただし、食物繊維はお腹の調子を整える働きもあるため、極端に制限せず全体のバランスを考えることが大切です。

便秘を改善する

水分を十分にとる・食物繊維と発酵食品(ヨーグルト・納豆など)を取り入れる・規則正しい排便習慣を意識するといった対策が基本となります。

ストレスケアと睡眠を整える

十分な睡眠・適度な運動・リラクゼーションは自律神経のバランスを整え、腸の動きを安定させるのに役立ちます。腹式呼吸を取り入れることで副交感神経が優位になり、腸の緊張がほぐれやすくなることも知られています。

受診を考えたほうがよい症状

腹痛・下痢・便秘を伴う

オナラの増加に加え、これらの症状が繰り返す場合は過敏性腸症候群(IBS)などが関係していることがあります。

血便、体重減少、発熱がある

これらは消化器疾患のレッドフラッグ(注意すべきサイン)です。できるだけ早めに医療機関を受診してください。

お腹の張りが強い、長く続く

腸内にガスが異常にたまる腸閉塞(イレウス)などが疑われる場合、早急な対応が必要になることがあります。

日常生活に支障があるほど気になる

症状の程度にかかわらず、生活の質に影響するほど気になる場合は、専門家への相談が安心への近道です。

どの診療科を受診すればよい?

まずは内科・消化器内科へ

腸のガスに関する症状は、まず内科または消化器内科を受診するのが基本です。問診・触診・必要に応じた検査を通じて、原因を調べることができます。

受診時に伝えるとよいこと

いつ頃から症状が始まったか
1日のおおよその回数
便の状態(回数・硬さ・色)
関連しそうな食事内容
腹痛・血便・体重変化の有無

医療機関で行う主な確認・検査

問診で確認する内容

食事内容・排便習慣・ストレス・服用中の薬・既往歴などを詳しく確認します。

必要に応じて行う検査

血液検査・腹部X線・腹部超音波(エコー)・大腸内視鏡検査(大腸カメラ)などが行われることがあります。大腸カメラは大腸の内側を直接観察できる検査で、炎症・ポリープ・腫瘍などの有無を確認するうえで有用です。

考えられる主な病気

過敏性腸症候群・慢性便秘症・乳糖不耐症・炎症性腸疾患・大腸ポリープなどが挙げられます。症状と検査結果を合わせて診断されます。なお、胃酸の逆流症状(胸やけ・呑酸)が同時にある場合は、食道裂孔ヘルニアとの関連が疑われることもあります。

オナラを予防するために今日からできること

ゆっくり食べる・よくかむ

食事に20〜30分程度かけると、空気の飲み込みが減り、消化酵素が十分に働きやすくなります。

お腹に負担の少ない食べ方をする

一度に大量に食べず、腹八分目を意識する
炭酸飲料・アルコールを控えめにする
体質に合わない食品を把握し、量を調整する

便通を整える

水分(1日1.5〜2L程度が目安)・食物繊維・発酵食品を意識的に取り入れ、毎日同じ時間にトイレに座る習慣をつけることが便通の安定につながります。

適度に体を動かす

ウォーキングや軽い有酸素運動は腸の蠕動運動を促し、ガスの排出をスムーズにする効果が期待されます。1日30分程度を目標に継続することが勧められています。

オナラと関係しやすい病気

過敏性腸症候群(IBS)

腹痛・腹部膨満感・便通異常(下痢・便秘・交互)を繰り返す機能性消化管疾患です。ストレスとの関連が深く、日本消化器病学会のガイドラインでも食事・生活習慣の指導や薬物療法が推奨されています。

便秘症

慢性的な便秘は腸内でのガス産生と滞留を増加させます。機能性便秘と器質性便秘(腸の疾患による)を鑑別するためにも、長期間続く場合は受診が望まれます。

食物不耐症・乳糖不耐症

特定の食品成分(乳糖・グルテンなど)を分解・吸収しにくい体質により、腸内発酵が過剰になる場合があります。食事日記をつけ、原因食品を特定することが有用です。

腸閉塞など急を要する病気

突然の強い腹痛・嘔吐・まったくオナラが出なくなるという症状の組み合わせは、腸閉塞の可能性があり、救急受診が必要になる場合があります。

受診までに記録しておきたいポイント

いつから増えたか

症状が始まった時期と、そのころの生活の変化(食事・環境・ストレスなど)を書き留めておくと、問診がスムーズになります。

食事との関連

特定の食品を食べた後に症状が強くなるかどうかを記録すると、食物不耐症や食事由来のガス産生の有無を把握するヒントになります。

便の状態や腹部症状

排便回数・便の形状(ブリストル便形状スケールが参考になります)・腹痛の有無・場所・タイミングを記録しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

オナラが1日に何回も出るのは異常ですか?
1日14〜20回程度は生理的な範囲とされています。ただし、急激に回数が増えた・腹痛や腹部膨満感を伴うといった場合は、腸の状態を確認することをお勧めします。
オナラが臭いときは病気ですか?
肉類・にんにく・たまごなどを多く食べた後は、においが強くなりやすく、それ自体は病気とは言えません。食事内容を変えても長期間においが強い・血便などを伴う場合は、医療機関への相談が安心です。
オナラを我慢すると体に悪いですか?
腸内にガスが長時間たまると、腹部膨満感や不快感の原因になることがあります。社会的な場での対応として一時的に我慢することはあっても、できるだけ適切に排出することが体にとって自然な状態です。
子どもや高齢者でオナラが増えるのはなぜですか?
子どもは消化機能が未発達なうえ、泣いたり飲み込んだりするときに空気を取り込みやすい傾向があります。高齢者は腸の蠕動運動が低下しやすく、薬の影響や便秘がガスの増加につながることがあります。いずれも気になる場合は医師への相談をお勧めします。
市販薬で改善することはありますか?
整腸剤(乳酸菌製剤など)や消化酵素配合の市販薬が販売されています。一時的な症状の緩和に用いられることがありますが、症状が続く・強い場合は自己判断で対処し続けず、医師に相談することが大切です。また、PPI(プロトンポンプ阻害薬)など処方薬が必要なケースもあります。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお) 医師(医学博士)
AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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