胸部X線検査|目的・流れ・読影のポイント
胸部X線検査(レントゲン)は、肺や心臓の状態を短時間で確認できる基本的な検査です。咳や息切れの原因精査、健康診断、術前検査など幅広く行われています。当院では最新のデジタルX線撮影装置を導入し、低被ばくかつ高画質な画像診断を提供しています。
1. 検査の目的とわかること
X線を用いて胸部を撮影し、肺、心臓、大動脈、骨(肋骨など)の状態を観察します。
主な対象疾患
- 呼吸器疾患:肺炎、肺がん、気胸、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、胸水など
- 循環器疾患:心肥大、心不全、大動脈瘤など
健康診断でのスクリーニングとして非常に有用ですが、微細な病変の発見には胸部CT検査が必要となる場合があります。
2. 検査の流れ
- 準備:上半身の金属類(ネックレス、ブラジャーの金具、ボタン等)を外します。無地のTシャツであれば着たままでも撮影可能ですが、検査着への着替えをお願いすることがあります。
- 撮影:装置の前に立ち、胸をフィルム面に密着させます。技師の合図に合わせて大きく息を吸い、しっかり止めた状態で撮影します(数秒間)。
- 終了:撮影は通常1〜2枚で、所要時間は着替えを含めても5分程度です。
3. 安全性と被ばくについて
胸部X線検査の被ばく量は極めて微量(約0.06mSv)です。これは東京-ニューヨーク間を飛行機で往復する際に浴びる自然放射線量よりも少ない値であり、健康への影響は心配ありません。
※妊娠中または妊娠の可能性がある方は、必ず検査前にお申し出ください。
4. 検査結果の見方
正常像
肺野(肺の部分)は黒く写り、血管の影が白く網目状に見えます。心臓は中央やや左側に白く写ります。
異常所見の例
- 白い影(浸潤影・結節影):肺炎や肺がん、結核などの可能性があります。
- 黒すぎる部分:気胸(肺がパンクした状態)や肺気腫などが疑われます。
- 心拡大:心臓の幅が胸郭の50%を超えると心拡大と診断され、心不全や弁膜症の精査が必要です。
5. 当院の検査の特徴
デジタルX線システムの採用
従来のフィルム現像が不要なため、撮影後すぐに診察室のモニターで画像を確認できます。待ち時間の短縮につながります。
AI画像診断支援
当院ではAI技術を活用し、医師の読影をサポートするシステムを導入しています。見落としを防ぎ、より精度の高い診断を目指しています.
医師がさらに画像を読影し、結果をわかりやすくご説明します。異常が見つかった場合は、必要に応じてCT検査や気管支鏡検査などへのスムーズな連携が可能です。
6. よくある質問
Q. 検査当日の食事制限はありますか?
A. 胸部X線検査のみであれば、食事制限は必要ありません。ただし、血液検査などを同時に行う場合は絶食が必要なこともありますので、医師の指示に従ってください。
Q. 毎年受けたほうがいいですか?
A. 40歳以上の方は、年に1回の定期検診(肺がん検診)として受けることが推奨されています。喫煙歴のある方は特に重要です。
Q. レントゲンで異常なしなら肺がんは大丈夫ですか?
A. 多くの肺がんは発見可能ですが、心臓の裏側にある病変や非常に小さな初期がんはX線では写らないことがあります。不安な方やハイリスクの方には、検出感度の高い胸部CT検査をお勧めします。
監修:佐藤 靖郎 医師(医学博士)