オンライン予約はこちら

肝臓の数値とは?原因・症状・対処を内科医が解説

健康ブログ

健康で楽しい生活を送る

消化器内科コラム

肝臓の数値とは?原因・症状・対処を内科医が解説

健康診断の結果票に並ぶ「AST」「ALT」「γ-GTP」などの数値は、肝臓の状態を示す代表的な指標です。「肝臓の数値が悪い」と指摘されても、何が問題でどう対処すればよいのかわからない方は少なくありません。この記事では、肝機能の各検査項目の意味・異常値の原因・症状・受診の目安・日常生活での対処法を、医学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。

肝臓の数値とは?まずは何を指すのかを整理

健康診断でよく見る肝機能の項目

健康診断の血液検査には、肝臓の状態を反映するいくつかの項目が含まれています。代表的なものは AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTP・ALP・ビリルビン の5項目です。これらは肝細胞のダメージや胆汁の流れの異常を間接的に示す数値であり、日本人間ドック学会や各学会のガイドラインで基準値が定められています。

「肝臓の数値が悪い」と言われるときの意味

「数値が悪い」とは、これらの項目が基準範囲を超えている状態を指します。ただし、数値の上昇が必ずしも重篤な病気を意味するわけではなく、一時的な体調変化や生活習慣の乱れで変動することもあります。一方で、自覚症状がないまま慢性的に悪化するケースもあるため、指摘を受けた際は軽視せず、原因を確認することが大切です。

肝臓の数値で見る主な項目

AST(GOT)

ASTは肝臓・心筋・骨格筋などに含まれる酵素です。基準値はおおむね 40 U/L 以下(施設により異なる)。肝細胞が壊れると血中に漏れ出るため、肝炎・脂肪肝・肝硬変のほか、激しい運動や心筋梗塞でも上昇することがあります。

ALT(GPT)

ALTは主に肝臓に存在する酵素で、ASTよりも肝臓特異性が高い指標です。基準値はおおむね 40 U/L 以下。ALTが選択的に高い場合は肝臓由来の異常である可能性が高く、脂肪肝・ウイルス性肝炎・薬剤性肝障害などが疑われます。詳しくは ALTとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】 もご参照ください。

γ-GTP

γ-GTPは胆道系や肝臓に多い酵素で、アルコールや薬剤の影響を受けやすい特徴があります。基準値は男性 50 U/L 以下、女性 30 U/L 以下(施設により異なる)。飲酒量と相関しやすく、禁酒により比較的早期に改善が見込めることが多いとされています。γ-GTPについてより詳しくは γ-GTP基準値とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】 をご覧ください。

ALP・ビリルビン

ALP(アルカリホスファターゼ)は胆管・骨・腸管などに存在し、胆汁の流れが悪くなる胆道系の異常で上昇しやすい酵素です。ビリルビンは赤血球が壊れてできる色素で、肝臓で処理されますが、その処理が滞ると血中に蓄積し、黄疸(皮膚や白目の黄ばみ)が現れます。これらが高い場合は胆石・胆管炎・肝硬変などが考えられます。

肝臓の数値が高くなる主な原因

脂肪肝

食べ過ぎ・運動不足・肥満・糖尿病などが原因で肝臓に中性脂肪が蓄積した状態です。現在、肝機能異常の最も多い原因のひとつとされており、放置すると肝炎・肝硬変へと進行するリスクがあります。詳しくは 脂肪肝とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】 をご覧ください。

アルコールの影響

習慣的な飲酒は肝細胞を直接傷つけ、アルコール性肝炎・脂肪肝・肝硬変を引き起こすことがあります。γ-GTPが特に上昇しやすく、休肝日の設定や飲酒量の見直しが重要です。

ウイルス性肝炎

B型・C型肝炎ウイルスの感染により、慢性的な肝炎を起こすことがあります。自覚症状が乏しいまま進行し、肝硬変・肝がんへと移行するリスクがあるため、血液検査によるウイルス検査が重要です。

薬やサプリメントの影響

処方薬・市販薬・健康食品・サプリメントが肝障害を引き起こすことがあります(薬物性肝障害)。特定の漢方薬やプロテインサプリでも報告されており、新しく始めたものがある場合は医師に伝えることが大切です。

胆道系の異常やその他の病気

胆石・胆管炎・原発性胆汁性胆管炎などの胆道系疾患でも肝機能値が上昇します。また、甲状腺疾患・自己免疫性肝炎なども原因となりうるため、原因の精査が必要です。

肝臓の数値が悪いときに出ることがある症状

だるさ・疲れやすさ

肝臓の機能が低下すると、エネルギー代謝や老廃物の処理が滞り、慢性的な倦怠感が現れることがあります。

食欲低下・吐き気

肝炎が進むと消化器症状を伴うことがあります。食欲不振・吐き気・上腹部の不快感などが代表的です。

皮膚や白目の黄ばみ

ビリルビンが蓄積すると黄疸が生じ、皮膚や白目が黄色みを帯びます。これは比較的急いで受診が必要なサインです。

かゆみ・腹部の張り など

胆汁うっ滞では皮膚のかゆみが生じることがあります。また、肝硬変が進行すると腹水が溜まり、お腹の張りや体重増加が現れることがあります。

どの数値なら受診を考えるべきか

軽度の上昇でも確認が必要なケース

基準値をわずかに超えている場合でも、繰り返し異常が続く場合や複数の項目が同時に高い場合は、原因を調べることが勧められます。

すぐに医療機関を受診したい症状

黄疸・強い腹痛・急激な倦怠感・尿の色が茶褐色になるなどの症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

健康診断の再検査・精密検査の目安

健診結果で「要精密検査」「要受診」と判定されている場合は、指定期間内に専門医を受診することが重要です。自己判断で様子を見ているうちに状態が進行するリスクがあります。

肝臓の数値を下げるには?日常生活で見直したいこと

食事の見直し

高カロリー・高脂肪食・糖質の過剰摂取は脂肪肝のリスクを高めます。野菜・魚・大豆製品を中心としたバランスのよい食事を心がけることが基本です。

飲酒習慣の見直し

飲酒量を減らす・休肝日を週2日以上設けることが推奨されます。アルコール性の場合、禁酒により数値が改善するケースがあります。

体重管理と運動

適正体重の維持は脂肪肝の予防・改善に有効です。ウォーキングなどの有酸素運動を1日30分程度、週5日を目安に継続することが推奨されています(日本消化器病学会ガイドライン参照)。

睡眠・生活リズム

睡眠不足や不規則な生活は肝機能に悪影響を与えることがあります。規則正しい生活リズムの維持が大切です。

市販薬・サプリの使い方に注意する

「肝臓によい」とされるサプリメントでも過剰摂取や特定成分による肝障害の報告があります。使用前・使用中は医師や薬剤師への相談をお勧めします。

医療機関ではどのように原因を調べるのか

問診で確認すること

飲酒量・服薬歴・サプリ使用・家族歴・職業歴・海外渡航歴などを確認します。生活習慣の詳細が診断の重要な手がかりになります。

血液検査でみるポイント

肝機能5項目に加え、ウイルス性肝炎マーカー(HBs抗原・HCV抗体)・自己抗体・血液凝固検査・血糖値・脂質などを組み合わせて評価します。

超音波検査などの追加検査

腹部超音波(エコー)検査で肝臓の形態・脂肪沈着・腫瘍の有無を確認します。必要に応じてCT・MRI・肝生検が行われることもあります。

肝臓の数値が悪いときに考えられる治療・対応

原因に応じた治療が基本

脂肪肝には生活習慣の改善、アルコール性には禁酒指導、ウイルス性肝炎には抗ウイルス療法など、原因ごとに適切な治療・対応が異なります。

経過観察でよい場合と治療が必要な場合

軽度の異常で経過観察が適切なケースもありますが、判断は医師による診察・検査が前提です。自己判断で経過観察を続けることは推奨されません。

自己判断で放置しないことが大切

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、病態が進行しても自覚症状が現れにくい特徴があります。数値の異常を指摘されたら、早めに専門医に相談することが大切です。

再検査までに意識したいポイント

健康診断の結果の見方

結果票の「基準値」「判定区分(A〜D等)」を確認し、複数回の推移を比較することで変化の傾向がわかります。

次回受診までに記録しておくとよいこと

食事内容・飲酒量・服用薬・体重の変化・自覚症状などを日常的にメモしておくと、受診時に医師へ的確に伝えられます。

たまプラーザで肝臓の数値が気になる方へ

内科・消化器内科で相談できること

AIプラスクリニックたまプラーザでは、健康診断の結果を持参して相談いただけます。血液検査・腹部超音波検査などを組み合わせて原因を精査し、生活習慣の指導から必要に応じた治療まで対応しています。

受診時に持参したいもの

保険証・お薬手帳・健康診断の結果票(過去のものがあれば複数年分)をお持ちいただくと、スムーズに診察が進みます。

よくある質問(FAQ)

肝臓の数値が高いと言われたら、まず何をすればよいですか?

まずは健診結果の判定区分を確認してください。「要精密検査」「要受診」と記載されている場合は、早めに内科または消化器内科を受診することをお勧めします。「経過観察」の場合も、食事・飲酒・体重管理を見直しながら次回の検査まで様子を確認することが大切です。

肝臓の数値は食事や運動で改善できますか?

脂肪肝や生活習慣が主な原因の場合、食事の改善・適度な運動・適正体重の維持により数値が改善することがあります。ただし、ウイルス性肝炎や薬剤性肝障害など生活習慣以外が原因の場合は、医療的な対応が必要です。まず原因を確認することが重要です。

自覚症状がなくても受診したほうがよいですか?

はい。肝臓は症状が出にくい臓器であるため、自覚症状がない段階でも数値の異常は見逃せないサインです。早期に原因を特定し対応することで、病態の進行を防ぐことにつながります。

γ-GTPだけ高い場合は何が考えられますか?

γ-GTPが単独で高い場合は、習慣的な飲酒・薬剤・サプリメントの影響が多く見られます。また、胆道系の異常でも上昇します。飲酒歴や服薬歴とあわせて医師に相談することをお勧めします。

肝臓の数値が戻れば通院は不要ですか?

数値が改善しても、その後の再発予防や経過確認のために定期的なフォローアップが推奨される場合があります。通院の必要性は原因や経過によって異なりますので、担当医の指示に従ってください。

関連記事

本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

たまプラーザで内科・消化器の気になる症状がある方、健康診断で肝臓の数値を指摘された方は、お気軽にご相談ください。受診の目安や必要な検査について、丁寧にご説明いたします。

ご予約・お問い合わせ

TEL:045-909-0117(横浜市青葉区・たまプラーザ)

初診の際は、保険証・お薬手帳・健診結果や紹介状(お持ちの方)をご持参いただくとスムーズです。ご予約はWebまたはお電話で承っております。

AIプラスクリニックたまプラーザ
こんにちは!ご質問にお答えします。

・診療時間や予約方法
・アクセス方法
・診療科目について

サイト内の記事も参考に回答しますので、お気軽にお尋ねください。