大腸がんの早期発見と治療
大腸がん(結腸がん・直腸がん)は日本人に最も多いがんの一つで、早期発見できれば90%以上の高い治癒率が期待できます。定期的な検診による早期発見と適切な治療が、大腸がんによる死亡リスクを大きく減らす鍵となります。
当院では最新のAI技術を活用した大腸内視鏡検査を提供し、小さなポリープも見逃さない高精度な検査と、必要に応じたその場での治療(ポリープ切除)が可能です。このページでは、大腸がんのリスクや症状、検査方法、治療について詳しくご紹介します。
1. 大腸がんのリスク要因
大腸がんの発症リスクを高める要因には、以下のようなものがあります。
生活習慣関連
- 肉類(特に赤肉・加工肉)の多量摂取
- 高脂肪・低繊維質の食事
- 運動不足
- 肥満
- 喫煙
- 過度の飲酒
その他のリスク要因
- 年齢(50歳以上で発症リスクが上昇)
- 大腸ポリープの既往
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)
- 家族歴(特に第一度近親者)
- 遺伝性疾患(リンチ症候群、家族性大腸ポリポーシスなど)
2. 主な症状
大腸がんの症状は、がんの場所や進行度によって異なります。早期の段階では無症状のことも多く、定期的な検診が重要です。
注意すべき症状
- 血便(鮮血や暗赤色の血が便に混じる)
- 便通異常(下痢と便秘の繰り返し、便の形状変化)
- 腹痛や腹部不快感
- 原因不明の体重減少
- 貧血(特に鉄欠乏性貧血)
- 排便時の違和感(残便感など)
これらの症状がある場合は、早めに消化器内科を受診することをお勧めします。ただし、これらの症状は他の疾患でも起こりうるため、必ずしも大腸がんとは限りません。
3. 便潜血検査について
便潜血検査は、肉眼では見えない微量の血液を検出する検査です。大腸がんのスクリーニング検査として広く普及しています。
検査の特徴
- 簡便で痛みがなく、自宅で採取できる
- 2日法(2日分の便を採取)が一般的
- 大腸がんやポリープからの出血を検出できる可能性がある
検査の限界
- 出血していない大腸がんは検出できない
- 痔や炎症などでも陽性になることがある(偽陽性)
- 陽性の場合は、大腸内視鏡検査による精密検査が必要
便潜血検査で陽性が出た場合や、症状がある場合は、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)による精密検査をお勧めします。
4. 大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
大腸カメラは、大腸がんの診断に最も信頼性の高い検査方法です。当院では、最新のAI支援システムを導入し、微小なポリープも見逃さない高精度な検査を実現しています。
検査の流れ
- 前処置:検査前日から食事制限を行い、検査当日に腸管洗浄液を飲んで腸内をきれいにします
- 鎮静剤の使用(希望制):眠ったような状態で苦痛なく検査を受けられます
- 検査:肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体を観察します(約15-30分)
- ポリープ発見時:その場でポリープ切除が可能です
大腸カメラ検査の費用や前処置については、詳細ページをご覧ください。また、当院では大腸ドックとして、人間ドックに組み合わせて検査を受けることも可能です。
5. 大腸ポリープ切除
大腸ポリープは、大腸の粘膜から隆起する腫瘍で、時間をかけてがん化する可能性があります。早期に発見し切除することで、大腸がんの発生を予防できます。
ポリープ切除の方法
- ポリペクトミー:小さなポリープを専用のスネアで切除
- 内視鏡的粘膜切除術(EMR):やや大きめのポリープを粘膜下層に生理食塩水を注入して浮き上がらせてから切除
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD):広範囲にわたるポリープや早期がんを一括切除
当院では、ポリープ発見時にその場で切除を行い、病理検査によってポリープの性質(良性か悪性か)を調べることができます。日帰りでの処置が可能なケースが多く、入院の必要性は少ないです。
6. 治療方法
大腸がんの治療方法は、がんのステージ(進行度)によって異なります。
早期大腸がん(粘膜内〜粘膜下層まで)
- 内視鏡的切除(EMR・ESD):入院期間が短く、体への負担が少ない
進行大腸がん
- 手術療法:がんと周囲のリンパ節を切除(腹腔鏡手術が主流)
- 化学療法:抗がん剤を用いた治療
- 放射線療法:特に直腸がんで用いられることがある
- 免疫療法:がん免疫を高める治療
当院では、早期大腸がんの内視鏡治療を中心に行い、進行がんについては専門病院と連携して最適な治療を提案します。
7. フォローアップ
大腸ポリープの切除後や大腸がんの治療後は、定期的なフォローアップが重要です。
ポリープ切除後のフォローアップ
- ポリープの種類や大きさ、数によって間隔が異なる
- 一般的に1-3年ごとの大腸内視鏡検査が推奨される
大腸がん治療後のフォローアップ
- 定期的な血液検査(腫瘍マーカー)
- 画像検査(CT、超音波など)
- 定期的な大腸内視鏡検査
フォローアップ計画は、ポリープの性質や大腸がんのステージによって個別に設定します。医師の指示に従って、定期的な検査を受けることが大切です。
8. よくあるご質問
Q. 大腸がん検診は何歳から受けるべきですか?
A. 一般的には40歳から定期的な検診をお勧めします。ただし、家族歴がある場合や症状がある場合は、より早い時期からの検診が推奨されます。日本の自治体による大腸がん検診は40歳以上を対象としています。
Q. 大腸カメラは痛いですか?
A. 鎮静剤を使用しない場合、腸管の伸展による不快感や痛みを感じることがあります。当院では希望に応じて鎮静剤を使用し、眠ったような状態で苦痛なく検査を受けていただくことが可能です。
Q. 大腸ポリープはすべて切除が必要ですか?
A. ポリープの種類や大きさによります。一般的に、腺腫性ポリープ(がん化リスクのあるポリープ)は切除の対象となります。過形成ポリープなど、がん化リスクが低いポリープは経過観察となることもあります。
Q. ポリープ切除は痛みますか?
A. 大腸粘膜には痛みを感じる神経がほとんどないため、ポリープ切除時に痛みを感じることはほとんどありません。鎮静剤を使用している場合は、検査中の記憶もほとんど残りません。
まとめ
大腸がんは早期発見・早期治療によって高い確率で完治が期待できる疾患です。便潜血検査による定期的なスクリーニングと、必要に応じた大腸カメラ検査が早期発見の鍵となります。当院では、AI技術を活用した高精度な大腸内視鏡検査と、患者様の負担が少ない日帰りポリープ切除を提供しています。
大腸がんのリスクが気になる方、便潜血検査で陽性だった方、血便や便通異常などの症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
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監修:佐藤 靖郎 医師(消化器内科専門医)
最終更新日:2025年11月8日