大腸ポリープの種類と切除
大腸ポリープは大腸の内側の粘膜に発生する隆起性病変です。多くの大腸がんはポリープから発生するため、ポリープの早期発見と適切な切除は大腸がん予防の重要な手段となります。
当院では最新の内視鏡機器とAI診断支援システムを導入し、大腸ポリープの発見率向上と安全な切除を実現しています。このページでは、大腸ポリープの種類からがん化リスク、検査方法、切除手技まで詳しくご紹介します。
1. 大腸ポリープの種類
大腸ポリープには様々な種類があり、その性質によってがん化リスクが異なります。
腺腫性ポリープ
最も一般的なポリープで、がん化する可能性があります。さらに以下の種類に分類されます:
- 管状腺腫:最も多い腺腫で、茸状の形状
- 絨毛状腺腫:表面が絨毛状で、がん化リスクが比較的高い
- 管状絨毛状腺腫:管状と絨毛状の両方の特徴を持つ
鋸歯状ポリープ
鋸歯状(のこぎり状)の組織像を示すポリープです。
- 過形成性ポリープ:一般的にがん化リスクが低い
- 鋸歯状腺腫:がん化リスクを有する
- 伝統的鋸歯状腺腫:がん化リスクが比較的高い
非腫瘍性ポリープ
- 炎症性ポリープ:炎症に起因し、がん化リスクは低い
- 過誤腫性ポリープ:組織発生の異常によるもの
2. がん化リスク
ポリープのがん化リスクは、種類・大きさ・形状・組織型などによって異なります。
がん化リスクを高める要素
- 大きさ:10mm以上のポリープはがん化リスクが高まる
- 組織型:腺腫性ポリープ(特に絨毛状腺腫)はがん化リスクが高い
- 形状:平坦・陥凹型はがん化リスクが高い傾向がある
- 個数:複数のポリープがある場合、リスクが高まる
大腸がんの多くは「ポリープ→腺腫→がん」の過程をたどるため、ポリープの段階で発見・切除することで大腸がんを予防できます。これを「ポリープ切除による大腸がん予防」と呼びます。
3. 検査方法
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
大腸ポリープを発見する最も確実な方法です。大腸内視鏡検査では、ポリープを発見次第、その場で切除することも可能です。
検査前には前処置(腸管洗浄)が必要ですが、当院では患者様の負担を軽減する低容量の前処置薬を採用しています。また、希望される方には鎮静剤を用いた「楽な大腸カメラ」も提供しています。
CT colonography(CTコロノグラフィー)
CTスキャンを用いて大腸の3D画像を構築し、ポリープを検出する方法です。内視鏡が困難な方などに適しています。
便潜血検査
ポリープやがんからの微量の出血を検出する簡易なスクリーニング検査です。陽性の場合は大腸内視鏡検査による精査が必要です。
当院では、大腸ドックとして、これらの検査を組み合わせた総合的な大腸検査も提供しています。
4. 切除手技(EMR・ESD)
大腸ポリープの切除方法は、ポリープの大きさ・形状・部位などによって選択されます。
ポリペクトミー
スネア(輪状のワイヤー)を用いて、小さな有茎性(茎のある)ポリープを切除する方法です。簡便で短時間で行えます。
内視鏡的粘膜切除術(EMR: Endoscopic Mucosal Resection)
ポリープの下に生理食塩水を注入して粘膜を浮き上がらせた後、スネアで切除する方法です。10〜20mm程度の平坦なポリープに適しています。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD: Endoscopic Submucosal Dissection)
特殊な電気メスを使って粘膜下層を剥離し、大きなポリープを一括で切除する高度な手技です。20mm以上の大きなポリープや、早期がんが疑われる病変に適しています。
当院では、内視鏡専門医による安全で確実なポリープ切除を行っています。AI診断支援システムにより、ポリープの性状をより正確に評価し、適切な切除方法を選択しています。
5. 術後管理
術後の注意点
- 出血予防:切除当日は激しい運動や入浴を避け、アルコールも控えてください。
- 食事:当日は消化の良い食事を心がけ、翌日から徐々に普通の食事に戻してください。
- 薬の服用:抗血栓薬を服用されている方は、医師の指示に従って再開してください。
術後合併症の兆候
以下の症状が現れた場合は、すぐに当院にご連絡ください。
- 大量の下血
- 強い腹痛
- 高熱
当院では、切除後の緊急時にも対応できる体制を整えています。術後のご不安がある場合はいつでもご相談ください。
6. フォローアップ
大腸ポリープを切除した後も、定期的なフォローアップが重要です。
フォローアップのタイミング
ポリープの種類・大きさ・個数・組織診断結果によって、次回の大腸内視鏡検査の推奨時期が異なります。
- 非腫瘍性ポリープ(過形成性ポリープのみ):5年後
- 低リスク腺腫(3個未満、10mm未満、管状腺腫):3〜5年後
- 高リスク腺腫(3個以上、10mm以上、絨毛成分を含む):3年後
- 鋸歯状腺腫:3年後
- 多発ポリープ(10個以上):1年後
切除したポリープの組織診断結果に基づいて、医師が最適なフォローアップ計画をご提案します。定期的な検査で新たなポリープの早期発見・早期治療が可能になります。
7. よくあるご質問
Q. ポリープが見つかったらすべて切除した方がいいですか?
A. 基本的には発見したポリープはすべて切除することが推奨されますが、5mm以下の明らかな過形成性ポリープと判断できる場合は、経過観察となることもあります。ポリープの性状によって対応が異なりますので、医師の判断に従ってください。
Q. ポリープ切除は痛みますか?
A. 大腸の粘膜には痛みを感じる神経がほとんどないため、ポリープ切除時に痛みを感じることはありません。ただし、処置中に腸管が伸展されることで不快感を感じることがあります。当院では鎮静剤を用いた「楽な内視鏡検査」も提供していますので、不安な方はご相談ください。
Q. ポリープ切除後はすぐに帰宅できますか?
A. 小さなポリープの切除であれば、観察時間(約1〜2時間)後に帰宅可能です。ただし、大きなポリープの切除や複数のポリープを切除した場合は、出血のリスクを考慮して慎重な経過観察が必要です。また、鎮静剤を使用した場合は、その効果が切れるまで休憩していただきます。
Q. 大腸ポリープを予防する方法はありますか?
A. 大腸ポリープ予防に確実な方法はありませんが、バランスの良い食事(野菜・果物・全粒穀物を多く、赤肉・加工肉を控えめに)、適度な運動、禁煙、適正体重の維持、アルコール摂取の制限などが推奨されています。また、定期的な大腸内視鏡検査による早期発見・早期治療も重要です。
まとめ
大腸ポリープは、がん化する可能性があるため、早期発見・早期切除が重要です。当院では最新の内視鏡機器とAI診断支援システムを導入し、安全で確実なポリープ切除を行っています。定期的な大腸内視鏡検査で、大腸がんの予防につなげましょう。
大腸内視鏡検査のご予約・お問い合わせ
お電話:045-909-0117
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監修:佐藤 靖郎 医師(消化器内科専門医)
最終更新日:2025年11月8日