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男性の便秘の原因と対策|生活習慣・ストレス・加齢まで専門医が解説

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男性の便秘の原因と対策|生活習慣・ストレス・加齢まで専門医が解説

導入:男性の便秘は「よくある」だけで済まさない

「男性は便秘になりにくい」というイメージをお持ちの方は少なくありません。確かに若年・中年層では女性のほうが便秘の有訴者率が高い傾向がありますが、加齢とともに男性の便秘は急増し、70歳以上では男女差がほとんどなくなることが知られています(厚生労働省「国民生活基礎調査」)。

また、生活習慣や排便習慣の問題から便秘を抱えつつも「たかが便秘」と受診をためらい、背景にある病気を見落とすケースも報告されています。

この記事では、男性の便秘の原因を生活習慣・ストレス・加齢・薬・疾患の観点から整理し、今日から取り組める対策と受診の目安をわかりやすく解説します。

便秘とは何か

日本消化器病学会のガイドラインでは、便秘を「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しています。排便回数だけで判断するものではなく、便が硬い・いきまないと出ない・残便感がある・お腹が張るといった不快な症状も含まれます。

一般的な目安として「週に3回未満の排便」が基準として用いられることがありますが、もともと1日1回の人が急に3〜4日に1回になった場合も、その方にとっての便秘です。「いつもと違う」という変化のサインを大切にしてください。

男性に便秘が起こる主な原因

生活習慣による原因

男性の食事は野菜・海藻・豆類などの食物繊維が不足しやすく、外食や丼もの・麺類中心になりがちです。食物繊維は便のかさを増し、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促す働きがあるため、不足すると便が硬くなります。

加えて、水分摂取量が少ない・アルコール摂取が多い・運動不足・睡眠不足・不規則な生活リズムも腸の動きに悪影響を及ぼします。

ストレスや自律神経の乱れ

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、自律神経の支配を強く受けます。仕事のプレッシャーや緊張状態が続くと、交感神経が優位になり腸の動きが抑制されます。その結果、便が腸内に長くとどまり水分が過剰に吸収されて硬くなります。出張・転勤・職場環境の変化なども誘因になることがあります。

排便習慣の問題

「便意を感じても会議中で我慢する」「職場のトイレに入りにくい」「朝はバタバタして排便の時間が取れない」といった状況は、男性に多く見られます。便意を繰り返し我慢すると直腸の感受性が低下し、便意を感じにくくなる悪循環に陥ります。

薬の影響

鉄剤・カルシウム拮抗薬(降圧薬の一種)・抗コリン薬・オピオイド系鎮痛薬・一部の抗うつ薬・制酸薬などは便秘を起こしやすい薬として知られています。現在服用中の薬が便秘に関係していると感じた場合は、自己判断で服用を中止せず、処方医または薬剤師にご相談ください。

加齢に伴う変化

70歳以上の男性で便秘が急増する背景には、腸の蠕動運動の低下、腹筋・骨盤底筋群の筋力低下、食事量の減少、水分摂取量の低下、活動量の減少などが重なります。複数の持病や多くの薬を服用している場合は、さらにリスクが高まります。

便秘の背景に病気が隠れることがある

便秘は生活習慣だけでなく、大腸がん・大腸ポリープ・過敏性腸症候群・甲状腺機能低下症・糖尿病・パーキンソン病などが原因となることもあります。特に「急に便通が変わった」「血便がある」「体重が減った」場合は、早めに医療機関で確認することが重要です。

男女差でみる便秘の特徴

男性に多いパターン

仕事中心の生活で食事が偏りやすく、我慢する習慣がつきやすい点が男性の特徴です。また、排便の問題を「恥ずかしい」「大げさ」と感じて放置しがちなことも、慢性化を招く一因となります。

女性に多いパターンとの違い

女性では黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で月経前後に便秘が悪化しやすく、妊娠・出産による骨盤底への影響も関係します。男性にはこれらのホルモン的・解剖的な要因がないため、便秘の原因としては生活習慣・ストレス・加齢・薬・疾患の比重が相対的に高くなります。

便秘の種類と症状の見分け方

機能性便秘

腸の器質的(構造的)な異常はなく、腸の動きや排便機能の問題で起こる便秘です。生活習慣の改善で対処できることも多いですが、症状が続く場合は医療機関での確認が望まれます。

便が硬い・出しづらい便秘

便が兎の糞のようにコロコロしている、量が少ない、いきまないと出ない、残便感があるといった症状が特徴です。水分や食物繊維の不足が関係することがあります。

便があるのに出せない便秘

直腸まで便が来ている感覚があるのに排出できない場合は、排便時の力み方や骨盤底の動きに問題がある「排便困難型」である可能性もあります。

便秘以外の症状に注意

以下の症状が伴う場合は、自己判断で対処せず早めに受診することをおすすめします。

  • 血便・黒色便
  • 強い腹痛・腹部膨満
  • 吐き気・嘔吐
  • 発熱
  • 急な体重減少
  • 便通の急激な変化

男性が今日から見直したい便秘対策

食事の見直し

食物繊維は「水溶性(海藻・オクラ・りんごなど)」と「不溶性(ごぼう・きのこ・玄米など)」をバランスよく摂ることが大切です。ヨーグルト・味噌・納豆などの発酵食品で腸内環境を整えることも有用とされています。また、朝食を抜かないことで胃・大腸反射が促され、排便リズムが整いやすくなります。

なお、便の状態についてはうんこの解説記事も参考にしてください。便の形状・色・においは腸の状態を知る手がかりになります。

水分摂取の工夫

1日の水分摂取量の目安は食事からの水分を含めて約2〜2.5リットル程度とされています(個人差あり)。起床後のコップ1杯の水は腸の動きを促す働きが期待されます。ただしカフェインやアルコールの過剰摂取は利尿作用で脱水を招くことがあるため注意が必要です。

運動・体を動かす習慣

ウォーキングなどの有酸素運動は腸の蠕動運動を促すとされています。座りっぱなしの時間を減らし、1時間に一度立ち上がるだけでも腸への刺激になります。腹筋群の強化も排便時のいきみを助けます。

排便リズムを整える

起床後や朝食後にトイレに座る習慣をつけることで、排便リズムが形成されやすくなります。便意を感じたら我慢しないことが大切です。スマートフォンを長時間持ち込むのは肛門への負担(痔の誘因)になるため控えましょう。

ストレス対策と睡眠

自律神経を整えるうえで、十分な睡眠(目安7時間前後)と意識的な休息は重要です。深呼吸・軽いストレッチ・入浴でリラックスを促すことも腸の動きに良い影響を与えると考えられています。

市販薬を使う前に知っておきたいこと

市販の便秘薬は症状の一時的な緩和に用いられることがありますが、種類によって働き方が異なります。即効性を求める場合や、どの薬を選べばよいかわからない場合は便秘薬 即効性の解説や医者がすすめる便秘薬 市販 即効性のページも参考にしてください。便秘薬 ランキング 即効性では各薬の特徴を比較しています。

漫然と服用を続けることで腸が薬に依存しやすくなる場合があるため、自己判断での長期使用は避け、改善がみられない場合は医師・薬剤師にご相談ください。

受診を考えるべき便秘のサイン

早めに受診したい症状

次のような症状が現れた場合は、消化器科・外科を早めに受診してください。

  • 血便・黒色便が出た
  • 強い腹痛・腹部膨満が続く
  • 嘔吐・発熱を伴う
  • 便通が急激に変化した(特に急な便秘の始まり)
  • 原因不明の体重減少がある

高齢男性で特に注意したい場合

高齢者では便秘が重症化すると便塊閉塞(ふんかいへいそく)・腸閉塞・脱水につながることがあります。食欲低下・水分摂取量の減少・急な排便習慣の変化・複数薬の服用がある場合は、かかりつけ医に早めにご相談ください。

便秘が長引くとき

2週間以上生活習慣を改善しても変化がない場合、または便秘を繰り返す場合は、医療機関で原因を確認することをおすすめします。

医療機関では何を確認するか

問診で確認する内容

排便回数・便の性状(ブリストルスケール等)・腹痛の有無・排便時の困難感・食事内容・水分摂取量・服用中の薬・既往歴などを確認します。正確な情報提供が診断の助けになります。

必要に応じて行う検査

症状や問診内容に応じて、血液検査(甲状腺機能・電解質など)・便潜血検査・腹部X線・腹部超音波検査・大腸内視鏡検査などが検討されます。特に50歳以上で初めて便秘が出現した場合や血便を伴う場合は、大腸内視鏡による精査が推奨されます。

治療の考え方

原因に応じて、生活・食事指導、薬物療法(浸透圧性下剤・上皮機能変容薬・消化管運動促進薬など)、基礎疾患の治療が組み合わされます。近年は腸内環境に着目した治療法の研究も進んでいます。治療方針は必ず担当医と相談のうえ決定してください。

よくある質問

男性はなぜ便秘になりやすいのですか

食物繊維・水分不足、運動不足、我慢の習慣、仕事ストレス、加齢による腸機能の低下など複数の要因が重なることが多いです。若年層では女性より少ないですが、高齢になると男女差は縮まります。

便秘は何日出なければ受診したほうがよいですか

日数だけで判断するのではなく、血便・強い腹痛・嘔吐・発熱・体重減少・急な便通変化を伴う場合は早めに受診することが重要です。症状がなくても1週間以上排便がなく、腹部の張りや不快感が強い場合は受診の目安と考えてください。

便秘に下剤を毎日使ってもよいですか

薬の種類によって安全性や使用期間の考え方が異なります。センナ・大黄などの刺激性下剤は漫然と使い続けると腸が慣れる可能性が指摘されています。酸化マグネシウムや新しい作用機序の薬は比較的長期使用に向いているものもありますが、いずれも医師・薬剤師に相談のうえ使用することをおすすめします。

食物繊維を増やせば必ず改善しますか

食物繊維の増加が有効なケースは多いですが、便秘のタイプによっては不溶性食物繊維の過剰摂取が逆に腹部膨満を悪化させることもあります。症状に応じた個別の対応が必要です。

男性の高齢者で便秘が急に増えたらどう考えればよいですか

加齢・脱水・食事量低下に加え、薬の副作用、大腸疾患、甲状腺機能低下症などの病気が関係している可能性があります。急な変化は自己判断せず医療機関での確認をおすすめします。

まとめ:男性の便秘は原因を見極めて対策することが大切

男性の便秘は食生活・ストレス・排便習慣など生活習慣が大きく影響しますが、薬の副作用や大腸疾患・内分泌疾患などが潜んでいることもあります。自己判断による市販薬の漫然とした使用や、症状の放置は避け、改善が見られない場合や気になる症状が伴う場合は消化器専門医への相談をご検討ください。

日頃の食事・水分・運動・排便リズムの見直しから始め、それでも解決しない場合は医療機関で適切なアドバイスを受けることが、便秘改善への近道です。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 理事長
専門: 消化器外科

福島県立医科大学大学院 外科学修了。NTT東日本関東病院や国立病院機構横浜医療センター等で外科医長・救命救急センター副部長を歴任。厚生労働省の地域連携クリティカルパスモデル開発の班研究員、神奈川県がん診療連携協議会相談役などを務める。

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