風邪うどんよくないとは?原因・症状・対処を内科医が解説
風邪のときに「うどんはよくない」と言われるのはなぜ?
検索でよく見かける「うどんはダメ」の理由
インターネット上には「体調が悪いときにうどんは食べるな」という情報が散見されます。その主な根拠として挙げられるのは、①うどんは消化に時間がかかる、②小麦のグルテンが腸に負担をかける、③汁の塩分・脂分が体への負担になる、といった点です。ただし、これらの主張には程度の問題があり、状況を無視した一般化には注意が必要です。
風邪のときにうどんが合う人・合わない人
食欲がある程度あり、のどの痛みや発熱が軽度であれば、うどんはエネルギー補給として有用な選択肢になり得ます。一方、嘔気・嘔吐・下痢など胃腸症状が強い場合や、高熱で消化機能が低下しているときは、無理に食べることが負担になる場合があります。
風邪とうどんの関係を医師が整理
うどんが「消化にやさしい」とされる背景
うどんが消化によいとされる理由は、脂質が少なく、よく噛まずに飲み込みやすいためです。ただし、消化速度はあくまで他の食品との相対的な比較であり、体調が著しく低下しているときは、うどんであっても消化への負担がゼロになるわけではありません。
体調不良時に注意したいのは”うどんそのもの”より食べ方
風邪のときに注意すべき点は、うどんそのものよりも食べ方にあります。油揚げ・天ぷらなど脂っこい具材、濃い味の汁、一度に大量に食べることなどが、消化器への負担を高める可能性があります。
発熱・吐き気・下痢があるときは無理に食べないこともある
発熱や嘔気・下痢が強い時期は、胃腸の働きが低下しています。こうした時期に無理に食事をとることが、かえって回復を遅らせる場合があります。まずは水分補給を優先し、食欲が出てきた段階で少量から試すことが基本的な考え方です。
風邪のときにうどんが向かないケース
食欲がない、食べると気持ち悪いとき
食欲がまったくないときは、無理に食べる必要はありません。身体が消化吸収にエネルギーを使わなくてよいよう、休ませることも回復の一助となります。
胃腸症状が強いとき
嘔吐・下痢・腹痛が続いている場合は、うどんも含めた固形に近い食品は控え、まず水分(経口補水液など)を少量ずつ補給することを優先してください。
のどの痛みや咳で飲み込みにくいとき
のどの痛みが強い場合、うどんは比較的飲み込みやすい食品ではありますが、熱い汁がのどを刺激することがあります。温度を人肌程度に調整するとよいでしょう。
熱い汁や脂っこい具でつらくなるとき
天ぷらうどんや豚骨系の濃厚スープは、胃腸への刺激が強くなることがあります。体調不良時は、薄味のだし汁・シンプルな具材に限定することが無難です。
風邪のときに食事で意識したいポイント
水分補給を優先する
発熱・発汗・下痢によって体内の水分と電解質が失われます。経口補水液やスポーツ飲料を少量ずつ補給し、脱水を防ぐことが最優先事項です。
食べられる量を少量から始める
回復途上の消化器に一度に多くの食事を与えることは負担になります。1回の量を通常より少なくし、回数を分けて摂取することを検討してください。
たんぱく質やエネルギーを無理のない範囲で補う
免疫機能を維持するためには、ある程度のエネルギーとたんぱく質が必要です。食べられるようになってきたら、卵や豆腐など消化しやすいたんぱく源を少量加えることを意識しましょう。
刺激物・脂っこいものは避ける
辛い食品・アルコール・揚げ物・生ものは、消化器への刺激が強いため、風邪の回復期であっても控えることが推奨されます。
風邪のときに食べやすい食事の例
おかゆ
水分量が多く消化しやすいため、食欲がない時期から取り入れやすい食品です。梅干しや卵を加えるとエネルギー・塩分も補えます。
スープ
野菜スープやコンソメスープは、水分・電解質・ビタミンを同時に摂取できます。具材を細かく刻むと飲み込みやすくなります。
ゼリー・プリン
嚥下(飲み込み)への負担が少なく、のどの痛みが強いときでも摂取しやすい食品です。エネルギー補給の補助として活用できます。
豆腐・卵などのやわらかい食品
温かい豆腐や半熟卵は消化しやすくたんぱく質を含むため、回復期の食事として適しています。
うどんを食べるならどう工夫する?
だしを薄味にする
塩分の過剰摂取は体への負担になり得ます。市販のつゆは薄めに使い、昆布や鰹節のシンプルなだしを活用しましょう。
具材は消化の負担が少ないものを選ぶ
おすすめの具材は、卵・豆腐・わかめ・大根など。揚げ物・肉類・こんにゃくなどは体調が回復してからにしましょう。
冷たすぎる・熱すぎる温度を避ける
冷たすぎると胃腸への刺激になり、熱すぎるとのどを傷める可能性があります。40〜50℃程度のやや温かい温度が目安です。
食べる量を控えめにする
平常時の半量程度を目安に、消化器に過度な負担をかけないよう配慮してください。
こんな症状があるときは受診を検討
以下に該当する場合は、自己判断での様子見を続けず、医療機関への受診をご検討ください。
高熱が続く
38.5℃以上の発熱が2〜3日以上続く場合は、感染症の精査が必要なことがあります。
水分がとれない
嘔吐が繰り返され、水も飲めない状態が続く場合は脱水のリスクがあるため、早めの受診が望まれます。
息苦しさがある
安静時に息苦しさを感じる場合は、肺炎などの下気道感染症が疑われます。速やかに受診してください。
強い咳や胸の痛みがある
長引く咳や胸部の痛みは、気管支炎・肺炎のサインである可能性があります。
症状が長引く、悪化する
一般的な風邪の症状は7〜10日程度で改善することが多いとされています。症状が改善しない、または悪化する場合は受診が必要です。
風邪と似た症状でも注意したい病気
インフルエンザ
38〜40℃の高熱・強い倦怠感・筋肉痛が突然現れる点が特徴です。抗ウイルス薬(オセルタミビルなど)の早期投与が有効とされており、早めの受診が推奨されます。
新型コロナウイルス感染症
発熱・咳・倦怠感・嗅覚・味覚異常などが見られます。検査キットによる確認や医療機関への相談をご検討ください。
胃腸炎
嘔吐・下痢・腹痛が主体の場合は、いわゆる「お腹の風邪(感染性胃腸炎)」の可能性があります。脱水に注意が必要です。
肺炎など下気道感染症
咳・発熱が長引く場合、上気道だけでなく肺にまで炎症が及んでいる可能性があります。高齢者や基礎疾患のある方は特に注意が必要です。
自宅での対処と休養の基本
休養のとり方
体の回復には十分な睡眠と安静が不可欠です。無理に日常活動を続けることは回復を遅らせる可能性があります。
室内環境の整え方
室温18〜22℃、湿度50〜60%程度を目安に保つことが、呼吸器粘膜の乾燥予防に役立ちます。加湿器の使用や定期的な換気を心がけましょう。
市販薬を使う際の注意点
市販の総合感冒薬は症状を緩和するためのものであり、ウイルスそのものに作用するものではありません。用法・用量を守り、複数の薬を重複して服用しないよう注意してください。持病のある方・妊娠中の方は、使用前に医師または薬剤師へご相談ください。
医療機関を受診する目安と診療科
内科を受診する目安
発熱が続く・水分がとれない・呼吸が苦しい・症状が1週間以上改善しない場合は内科への受診をご検討ください。
小児や高齢者で特に注意したい点
小児や高齢者は脱水・重症化のリスクが高いため、早めの受診が推奨されます。特に高齢者は肺炎のリスクが高く、発熱がなくても倦怠感・食欲不振が続く場合は相談が望ましいです。
受診時に伝えるとよい症状
発症した日時・熱の最高値・水分摂取量・他の症状(嘔吐・下痢・咳・胸の痛みなど)・内服薬・既往歴を整理しておくとスムーズに診察が進みます。
まとめ:風邪のときの「うどん」は一律でよくないわけではない
風邪のときにうどんが「よくない」かどうかは、症状の種類・程度・食べ方によって異なります。軽い風邪で食欲がある場合、薄味・シンプルな具材のうどんは十分な選択肢になり得ます。一方、嘔吐・下痢・高熱など症状が強い時期は、まず水分補給を優先し、食事は回復に合わせて少量から始めることが基本的な考え方です。症状が長引く・悪化するときは自己判断せず、医療機関へご相談ください。
風邪の初期症状については「風邪の引き始め喉の痛みとは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】」もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
風邪のとき、うどんは本当に食べないほうがいいですか?
一律に「食べないほうがよい」とは言えません。食欲があり、胃腸症状が軽い場合には、薄味・シンプルな具材のうどんはエネルギー補給として有用です。嘔吐・下痢・高熱が強い時期は、まず水分補給を優先することが推奨されます。
風邪のときに食べるなら、うどんとおかゆはどちらがよいですか?
どちらが優れているとは一概に言えませんが、おかゆは水分量が多く消化に適した形状のため、食欲が低下している時期に取り入れやすい傾向があります。うどんは食欲が戻りつつある回復期に向いています。体調に合わせてお選びください。
のどが痛いときにうどんを食べても大丈夫ですか?
のどの痛みがある場合でも、うどんは比較的飲み込みやすい食品です。ただし、熱い汁はのどへの刺激になることがあるため、人肌程度の温度に冷ましてから召し上がることをおすすめします。
風邪で吐き気があるときは何を食べればよいですか?
吐き気が強い時期は、まず水分(経口補水液・薄いスポーツ飲料など)を少量ずつ補給することを優先してください。食事は症状が落ち着いてから、おかゆやゼリーなど消化への負担が少ないものを少量から試すのが基本です。
うどんを食べたあとに具合が悪くなるのはなぜですか?
体調不良時に食事を摂ると、消化のためのエネルギー消費が増え、一時的に症状がつらくなることがあります。また、脂っこい具材・濃い味の汁・食べすぎが原因となる場合もあります。食後に毎回強い不調が続く場合は、胃腸炎など別の疾患の可能性も考えられるため、医療機関への相談をご検討ください。
関連記事
- 風邪の引き始め喉の痛みとは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】(親ピラーページ)
- 風邪ひき始めとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】
- 風邪ひきはじめとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】
本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)
略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
AIプラスクリニックたまプラーザのご案内
たまプラーザで内科・消化器の気になる症状がある方へ。風邪の症状が長引く・食事がとれないなど、ご不安な点はお気軽にご相談ください。受診の目安や検査についても丁寧にご説明いたします。
TEL:045-909-0117(横浜市青葉区・たまプラーザ)
初診の際は、保険証・お薬手帳・(お持ちであれば)健診結果や紹介状をご用意いただくとスムーズです。ご予約はWebまたはお電話で承ります。