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下痢が止まらない原因と対処法|医学博士が教える危険なサインと受診の目安

下痢が止まらないという症状は、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、重篤な疾患のサインである可能性があります。消化器外科専門医として30年以上の臨床経験を持つ私が、下痢が止まらない原因から、危険な症状の見極め方、効果的な対処法まで、医学的根拠に基づいて徹底解説します。

本記事では、急性下痢と慢性下痢の違い脱水症状の予防法すぐに受診すべきサイン回復を早める食事療法について詳しくご説明します。

下痢とは?医学的定義と分類

下痢の医学的定義

下痢(diarrhea)とは、水分含有量が増加した便(水分量70%以上)が、1日3回以上排出される状態を指します。正常な便の水分量は60〜70%ですが、下痢便は80〜95%が水分です。

下痢の発生メカニズム:

  • 分泌性下痢:腸管から水分・電解質が過剰に分泌される(感染性腸炎、食中毒)
  • 浸透圧性下痢:腸管内に吸収されない物質が存在し、水分を引き寄せる(乳糖不耐症、人工甘味料)
  • 運動亢進性下痢:腸の蠕動運動が過剰になり、水分吸収時間が短縮(過敏性腸症候群、甲状腺機能亢進症)
  • 滲出性下痢:腸粘膜の炎症により血液・粘液が混じる(潰瘍性大腸炎、クローン病)

下痢の分類(持続期間による)

分類 持続期間 主な原因 医学的対応
急性下痢 2週間未満 感染性腸炎、食中毒、薬剤性 対症療法、必要に応じて受診
持続性下痢 2週間〜4週間 寄生虫感染、薬剤性、炎症性腸疾患 医療機関受診を推奨
慢性下痢 4週間以上 炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、吸収不良症候群 精密検査が必須

2週間以上続く下痢は、必ず医療機関を受診してください。背後に重大な疾患が隠れている可能性があります。

下痢が止まらない主な原因

1. 感染性腸炎(最も頻度が高い)

下痢の原因として最も多いのが、細菌・ウイルス・寄生虫による感染性腸炎です。

細菌性腸炎

病原体 感染源 特徴 持続期間
カンピロバクター 鶏肉、生水 発熱、血便、激しい腹痛 5〜7日
サルモネラ 卵、食肉、ペット 高熱、嘔吐、水様性下痢 4〜7日
腸管出血性大腸菌(O157) 生肉、生野菜 血便、激しい腹痛、溶血性尿毒症症候群(HUS)リスク 5〜10日
黄色ブドウ球菌 手指から食品汚染 激しい嘔吐、短時間発症(2〜6時間) 1〜2日
腸炎ビブリオ 生魚、刺身 激しい腹痛、水様性下痢 2〜4日

ウイルス性腸炎

  • ノロウイルス:冬季に流行、激しい嘔吐と下痢、発症が急激(潜伏期24〜48時間)
  • ロタウイルス:乳幼児に多い、白色水様便、脱水リスク大
  • アデノウイルス:発熱、呼吸器症状を伴う下痢

寄生虫感染

  • ジアルジア:海外旅行後、慢性的な水様性下痢、腹部膨満
  • クリプトスポリジウム:水道水汚染、免疫低下者で重症化
  • 赤痢アメーバ:粘血便、腹痛、肝膿瘍合併リスク

⚠️ 感染性腸炎で受診すべきサイン

  • 血便・粘血便(トイレットペーパーに血液が付着)
  • 高熱(38.5℃以上)が持続
  • 激しい腹痛(我慢できないレベル)
  • 脱水症状(尿が出ない、強い口渇、めまい)
  • 海外渡航歴(特に東南アジア、南米、アフリカ)
  • 集団発生(家族・職場で複数人が発症)

2. 慢性炎症性腸疾患(IBD)

長期間(4週間以上)続く下痢の原因として、炎症性腸疾患は重要です。

潰瘍性大腸炎

  • 症状:粘血便、頻回の下痢(1日10回以上)、テネスムス(残便感)、腹痛
  • 特徴:大腸粘膜のびまん性炎症、20〜30代の若年発症が多い
  • 合併症:大腸がんリスク増加、中毒性巨大結腸症

クローン病

  • 症状:慢性下痢、腹痛、体重減少、発熱、肛門周囲膿瘍
  • 特徴:消化管全域(口腔〜肛門)に非連続性の炎症、若年発症
  • 合併症:腸管狭窄、瘻孔形成、栄養障害

3. 過敏性腸症候群(IBS)

器質的異常がないのに下痢が続く場合、過敏性腸症候群(IBS)の可能性があります。

特徴:

  • 慢性的な腹痛と下痢(または便秘、あるいは交替性)
  • 排便により腹痛が軽減
  • ストレスで悪化
  • 血便・体重減少・発熱などの警告症状なし
  • 日本人の10〜15%が罹患

IBSの診断基準(Rome IV基準):

  • 最近3ヶ月間、月に4日以上腹痛があり、以下の2つ以上を満たす:
    1. 排便と関連する
    2. 便の頻度の変化と関連する
    3. 便の形状(外観)の変化と関連する

4. 吸収不良症候群

乳糖不耐症

日本人の約80%は、乳糖分解酵素(ラクターゼ)の活性が低下しており、牛乳を飲むと下痢を起こします。

  • 症状:牛乳・乳製品摂取後30分〜2時間で腹痛、下痢、腹部膨満
  • 対策:乳糖フリー製品、ヨーグルト(乳酸菌が乳糖を分解)、ラクターゼ製剤

セリアック病(グルテン不耐症)

  • 症状:小麦摂取後の慢性下痢、脂肪便、体重減少、貧血
  • 対策:完全なグルテンフリー食(小麦・大麦・ライ麦を除去)

5. 薬剤性下痢

特定の薬剤が、下痢の原因になることがあります。

  • 抗生物質:腸内細菌叢を乱し、クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)を誘発
  • 制酸薬(プロトンポンプ阻害薬):胃酸分泌抑制により細菌増殖
  • 糖尿病治療薬(メトホルミン):腸管運動亢進
  • 抗がん剤:腸粘膜障害
  • マグネシウム含有製剤:浸透圧性下痢
  • 人工甘味料(ソルビトール、キシリトール):大量摂取で浸透圧性下痢

6. その他の重要な原因

  • 甲状腺機能亢進症:代謝亢進により腸管運動が過剰
  • 糖尿病性神経障害:自律神経障害による腸管運動異常
  • 大腸がん:腫瘍による腸管狭窄、出血性下痢
  • 膵臓疾患:膵液分泌不全による脂肪便
  • アルコール性腸炎:慢性的な飲酒による腸粘膜障害

危険な下痢の見分け方:すぐに受診すべきサイン

🚨 緊急受診が必要な症状

以下のいずれかに該当する場合、直ちに医療機関を受診してください(救急外来も可):

重篤な症状

  • 血便・粘血便(黒色便、鮮血便、いちごジャムのような便)
  • 高熱(38.5℃以上)が持続
  • 激しい腹痛(我慢できない、姿勢を変えても軽減しない)
  • 脱水症状:
    • 6時間以上尿が出ない
    • 立ちくらみ、めまい
    • 口唇・舌の乾燥
    • 皮膚のつまみが戻らない
    • 意識がもうろう
  • 嘔吐が激しく、水分が摂れない

特殊な状況

  • 高齢者(65歳以上)または乳幼児(2歳未満)の下痢
  • 海外渡航後(特に東南アジア、アフリカ、中南米)
  • 免疫抑制剤使用中(ステロイド、抗がん剤、生物学的製剤)
  • 妊娠中の持続性下痢
  • 糖尿病・腎臓病・心臓病などの基礎疾患がある

早期受診が推奨される場合

  • 2週間以上続く下痢(慢性下痢の可能性)
  • 体重減少(1ヶ月で5%以上)
  • 夜間の下痢(睡眠中に目が覚めるほどの下痢)
  • 脂肪便(水に浮く、油が浮く、色が白っぽい)
  • 家族歴(炎症性腸疾患、大腸がん)

脱水症状の予防と対処法

下痢が止まらない場合、最も注意すべきは脱水症状です。特に高齢者や乳幼児は、脱水が急速に進行します。

脱水症状のチェック方法

💧 脱水症状のレベル別サイン

軽度脱水(体重の3〜5%の水分喪失)

  • 口渇、口唇の乾燥
  • 尿量減少(色が濃い)
  • 軽度の倦怠感

中等度脱水(体重の6〜9%の水分喪失)

  • 強い口渇、舌の乾燥
  • 尿がほとんど出ない
  • 立ちくらみ、めまい
  • 皮膚のつまみが戻りにくい
  • 眼球陥凹(目が窪む)

重度脱水(体重の10%以上の水分喪失)→救急受診

  • 意識がもうろう
  • 尿が全く出ない
  • 血圧低下、頻脈
  • 手足が冷たい
  • けいれん

経口補水液(ORS)の正しい使い方

下痢による脱水には、経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)が最も効果的です。

推奨される経口補水液

  • OS-1(オーエスワン):医療用経口補水液、電解質濃度が最適
  • アクアライトORS:小児用経口補水液
  • ポカリスエット:糖分が多く、脱水時には不向き(元気な時のスポーツ飲料)

経口補水液の飲み方

  • :下痢1回につき150〜200ml(コップ1杯程度)
  • 飲み方:一気飲みせず、5〜10分かけて少しずつ飲む
  • 温度:常温〜やや冷たい程度(冷たすぎると腸を刺激)
  • 頻度:下痢のたびに補給

🏠 自家製経口補水液の作り方

市販品がない場合、自宅で簡易的に作ることができます:

材料(1リットル分):

  • 水:1リットル(煮沸後に冷ましたもの)
  • 砂糖:大さじ4杯(約40g)
  • 塩:小さじ1/2杯(約3g)

注意:塩分濃度が重要なので、正確に計量してください。レモン汁を少量加えると飲みやすくなります。

脱水予防のポイント

  • こまめな水分補給:一度に大量ではなく、少量頻回
  • 避けるべき飲み物:コーヒー、緑茶、アルコール(利尿作用で脱水悪化)
  • 経口摂取が困難な場合:すぐに医療機関で点滴を受ける

下痢を早く治すための食事療法

下痢の段階別食事ガイド

急性期(下痢が激しい時):絶食〜流動食

下痢が1日10回以上、水様性の場合:

  • 最初の6〜12時間:固形物を避け、経口補水液のみ
  • 症状が軽減したら:重湯(おもゆ)、野菜スープ(具なし)

回復期(下痢が1日3〜5回に減少):消化の良い食事

BRAT食(Banana, Rice, Applesauce, Toast)推奨:

  • バナナ:カリウム補給、ペクチンが腸を整える
  • 白米(おかゆ):エネルギー源、消化しやすい
  • りんご(すりおろし):ペクチンが便を固める
  • トースト(バターなし):炭水化物補給
  • うどん:柔らかく煮たもの、消化しやすい
  • 豆腐:良質なタンパク質、消化に負担が少ない
  • 白身魚(蒸し物):低脂肪タンパク質

安定期(便が固形に近づいた):通常食への移行

  • 徐々に繊維質を増やす(柔らかく煮た野菜)
  • 脂肪分の少ない肉類を追加
  • 発酵食品(ヨーグルト、納豆)で腸内環境を整える

下痢中に避けるべき食品

❌ 絶対に避けるべき食品

  • 乳製品:牛乳、チーズ(乳糖不耐症が一時的に悪化)
  • 脂肪分の多い食品:揚げ物、脂身の多い肉、マヨネーズ
  • 刺激物:辛い物、香辛料、カフェイン、アルコール
  • 不溶性食物繊維が多い食品:ごぼう、きのこ、海藻
  • 人工甘味料:ソルビトール、キシリトール(ガムやキャンディに含まれる)
  • 柑橘類:オレンジ、グレープフルーツ(酸が腸を刺激)
  • 炭酸飲料:腹部膨満を悪化

プロバイオティクスの効果

下痢の回復期には、プロバイオティクス(善玉菌)が腸内環境を整えます。

  • ビフィズス菌:下痢期間を1日短縮(メタ解析)
  • ラクトバチルス・ロイテリ:抗生物質関連下痢の予防
  • 酪酸菌(ミヤBM):日本で広く使用される整腸剤

摂取方法:

  • ヨーグルト(ビフィズス菌入り):1日200g
  • 整腸剤(ビオフェルミン、ミヤBMなど):製品の用法に従う
  • 発酵食品:納豆、味噌、ぬか漬け

市販薬の正しい使い方と注意点

下痢止め薬の種類と選び方

1. 整腸剤(最も推奨)

  • ビオフェルミン:乳酸菌製剤、副作用ほぼなし
  • ミヤBM:酪酸菌製剤、医療用としても使用
  • 新ビオフェルミンS錠:OTC医薬品、長期服用可能

2. 腸運動抑制薬

  • ロペラミド(ロペミン):腸の蠕動運動を抑制、強力
  • 使用制限:感染性腸炎(血便・発熱)では使用禁止(毒素排出を妨げる)

3. 収斂薬(しゅうれんやく)

  • タンニン酸アルブミン:腸粘膜を保護
  • 次硝酸ビスマス:抗菌作用あり

⚠️ 下痢止め薬を使ってはいけない場合

  • 血便・粘血便がある(感染性腸炎の可能性)
  • 高熱(38℃以上)を伴う
  • 激しい腹痛がある
  • 食中毒が疑われる

これらの場合、下痢止めで腸の動きを止めると、細菌や毒素が体内に留まり、症状が悪化する危険があります。すぐに医療機関を受診してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 下痢が何日続いたら病院に行くべきですか?

A. 2週間以上続く場合は必ず受診してください。

医学的には、2週間を超える下痢は「持続性下痢」と定義され、感染症以外の原因(炎症性腸疾患、吸収不良症候群など)が疑われます。また、以下の場合は2週間を待たずに受診してください:

  • 血便・粘血便
  • 高熱(38.5℃以上)
  • 激しい腹痛
  • 脱水症状(尿が出ない、めまい)
  • 海外渡航後
Q2. 下痢の時、お風呂に入っても大丈夫ですか?

A. シャワー浴は問題ありませんが、長時間の入浴は避けてください。

下痢で体力が消耗している時、長時間の入浴は体力をさらに奪い、脱水を悪化させます。以下の点に注意してください:

  • シャワー浴(5〜10分程度):清潔を保つために推奨
  • ぬるめの温度:38〜40℃程度
  • 入浴前後に水分補給:経口補水液を飲む
  • 体調が悪い時は無理しない:濡れタオルで体を拭く程度に

感染性腸炎の場合:タオルの共用は避け、入浴後は浴槽をよく洗浄してください(家族への感染予防)。

Q3. 下痢の時、ヨーグルトは食べても大丈夫?

A. 急性期は避け、回復期から少量ずつ試してください。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内環境を整える効果がありますが、乳糖が下痢を悪化させる可能性もあります。

推奨:

  • 急性期(激しい下痢):避ける
  • 回復期(1日3〜5回に減少):無糖ヨーグルトを50〜100g程度から試す
  • 乳糖不耐症の方:低乳糖ヨーグルトを選ぶ

ヨーグルトを食べて下痢が悪化する場合は、すぐに中止してください。

Q4. 下痢止めの薬はすぐに飲んでも大丈夫?

A. 血便・高熱・激しい腹痛がある場合は、下痢止めを使用してはいけません。

下痢は、有害物質(細菌、毒素)を体外に排出する防御反応です。感染性腸炎の場合、下痢止めで腸の動きを止めると:

  • 細菌・毒素が体内に留まり、症状が悪化
  • 腸管穿孔(腸に穴が開く)のリスク
  • 敗血症(血液中に細菌が入る)の危険

安全に使用できる場合:

  • 血便・発熱なし
  • 軽度の腹痛のみ
  • ストレス性・過敏性腸症候群による下痢

迷う場合は、まず整腸剤(ビオフェルミンなど)を試し、改善しなければ医療機関を受診してください。

Q5. 赤ちゃん・子供の下痢で注意すべき点は?

A. 乳幼児は脱水が急速に進行するため、特に注意が必要です。

すぐに受診すべきサイン:

  • 6時間以上おむつが濡れない(尿が出ていない)
  • 泣いても涙が出ない
  • 口唇・舌が乾燥している
  • ぐったりしている、機嫌が悪い
  • 血便・粘血便
  • 高熱(38.5℃以上)
  • 嘔吐が激しく、水分が摂れない
  • 生後3ヶ月未満の下痢

家庭でのケア:

  • 母乳・ミルクは継続(少量頻回)
  • 経口補水液(アクアライトORSなど小児用)を併用
  • 果汁・スポーツ飲料は避ける(糖分が多く下痢悪化)
Q6. ストレス性の下痢と病気の下痢の違いは?

A. 警告症状(血便、体重減少、夜間下痢)の有無で見分けます。

ストレス性下痢(過敏性腸症候群)の特徴:

  • 排便により腹痛が軽減
  • ストレス時・朝方に悪化
  • 睡眠中は症状なし
  • 血便・体重減少・発熱なし
  • 長期間(数ヶ月〜数年)続くが、全身状態は良好

病気の下痢(器質的疾患)の特徴:

  • 血便・粘血便
  • 体重減少(1ヶ月で5%以上)
  • 夜間の下痢(睡眠中に目が覚める)
  • 発熱、貧血
  • 50歳以上で新規発症

警告症状がある場合は、必ず医療機関で精密検査を受けてください。

Q7. 下痢の時、運動やスポーツはしても大丈夫?

A. 急性期は安静にし、回復期も激しい運動は避けてください。

下痢で体力が消耗している時の運動は、脱水を悪化させ、回復を遅らせる危険があります。

推奨:

  • 急性期(激しい下痢):完全安静、仕事・学校も休む
  • 回復期(下痢が軽減):軽い散歩程度(15〜20分)
  • 完全回復後:便が固形に戻ってから徐々に運動再開

避けるべき運動:

  • ランニング、マラソン
  • 激しい筋トレ
  • サウナ(脱水悪化)
Q8. 海外旅行中・旅行後の下痢で注意すべき点は?

A. 旅行者下痢症や寄生虫感染の可能性があり、早期受診が重要です。

旅行者下痢症(Traveler’s Diarrhea):

  • 発症率:海外旅行者の30〜70%(地域により異なる)
  • 高リスク地域:東南アジア、南アジア、中南米、アフリカ
  • 原因:大腸菌、サルモネラ、赤痢菌、寄生虫

すぐに受診すべき場合:

  • 帰国後2週間以内の発症
  • 血便・粘血便
  • 高熱(38℃以上)
  • 2週間以上続く下痢(寄生虫の可能性)

受診時に伝える情報:

  • 渡航先(国名、都市名)
  • 滞在期間
  • 食事内容(生水、生野菜、生肉摂取の有無)

寄生虫感染は、便検査で虫卵を検出する必要があるため、必ず「海外渡航歴がある」と医師に伝えてください。

まとめ:下痢が止まらない時の正しい対処法

下痢が止まらない場合、原因の特定と適切な対処が重要です。自己判断で下痢止めを使用せず、症状に応じて医療機関を受診してください。

本記事の重要ポイント:

  • 分類:急性下痢(2週間未満)、持続性下痢(2〜4週間)、慢性下痢(4週間以上)
  • 主な原因:感染性腸炎、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、吸収不良症候群、薬剤性
  • 緊急受診の基準:血便、高熱、激しい腹痛、脱水症状、2週間以上継続
  • 脱水予防:経口補水液(OS-1など)を少量頻回に摂取
  • 食事療法:BRAT食(バナナ、白米、りんご、トースト)、脂肪・刺激物を避ける
  • 下痢止めの注意:血便・発熱・激しい腹痛がある場合は使用禁止

👨‍⚕️ 医学博士からの最終アドバイス

30年以上の臨床経験から、下痢が止まらない患者さんの多くは、受診のタイミングを逃していることが問題です。

特に、「2週間くらいなら様子を見よう」と考えがちですが、その間に脱水が進行したり、重篤な疾患(炎症性腸疾患、大腸がんなど)の発見が遅れる危険があります。

また、下痢止めの安易な使用は、感染性腸炎を悪化させる原因になります。血便・発熱がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

下痢は、体が異常を知らせるサインです。「いつもと違う」「長引いている」と感じたら、早めに専門医(消化器内科)を受診し、適切な検査と治療を受けることが、回復への最短ルートです。

 

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