髪が抜ける病気とは?脱毛症状を引き起こす疾患の種類・原因・対処法を専門的に解説
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髪が抜ける病気とは?脱毛症状を引き起こす疾患の種類・原因・対処法を専門的に解説

「最近、抜け毛がひどくなってきた」

「シャンプーのたびに排水口に溜まる髪を見て不安になる」

こうした悩みを抱えている方は決して少なくありません。

抜け毛は誰にでも起こる自然な現象ですが、その量が急激に増えた場合は何らかの病気が隠れている可能性があります。

髪が抜ける原因は実にさまざまで、男性ホルモンの影響によるものから自己免疫疾患、内臓の不調まで多岐にわたります。

本記事では、髪が抜ける病気の種類を男女別・年代別に詳しく解説していきます。

正しい知識を身につけて、早期発見・早期治療につなげましょう。

著者 佐藤靖郎
佐藤靖郎

福島県立医科大学大学院外科学で医学博士号を取得後、国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター病院)での研修を始めとして、横浜市立大学第二外科、NTT東日本関東病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長兼救命救急センター副部長、済生会若草病院外科部長兼診療部長、医療法人社団重仁副理事長など多くの医療機関で要職を歴任。専門は消化器外科で、厚生労働省がん診療連携拠点病院地域連携クリティカルパスモデル開発班研究員、全国保健所長会地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会地域連携クリティカルパス部会相談役を務める。がん診療における地域医療連携の推進と発展に長年尽力し、全国的な医療連携システムの構築に重要な役割を果たしている。

目次

髪が抜ける病気とは|脱毛を引き起こす疾患の全体像

髪が抜けることに不安を感じたとき、まず知っておきたいのは「正常な抜け毛」と「病的な抜け毛」の違いです。

人間の髪の毛は常に生え変わっており、一定量が抜けることは自然な現象といえます。

しかし、その量が急激に増えたり、特定の部位だけ薄くなったりする場合は注意が必要です。

脱毛を引き起こす病気は非常に多く、その原因も遺伝・ホルモン・免疫異常・感染症・生活習慣など多岐にわたります。

適切な治療を受けるためには、まず自分の症状がどのタイプに該当するのかを把握することが大切です。

脱毛症の分類 代表的な疾患
ホルモン性 AGA、FAGA、分娩後脱毛症
自己免疫性 円形脱毛症、膠原病による脱毛
感染性 頭部白癬、梅毒性脱毛
内臓疾患関連 甲状腺疾患、鉄欠乏性貧血
外的要因 牽引性脱毛症、薬剤性脱毛症

正常な抜け毛と病的な抜け毛の違い

健康な人の髪は「成長期」「退行期」「休止期」というヘアサイクルを繰り返しながら生え変わっています。

このサイクルは通常4〜6年程度で一巡し、古い髪が抜けて新しい髪が生えてきます。

1日あたりの正常な抜け毛の本数について、一般的には50〜100本程度とされています。

シャンプー時には1日の抜け毛の5〜6割が抜けるといわれているため、洗髪中に30〜60本程度抜けても問題ありません。

季節の変わり目、特に秋口には一時的に抜け毛が増えることもありますが、これも生理的な現象です。

正常な抜け毛 病的な抜け毛(要注意)
1日50〜100本程度 急激に抜け毛の量が増加
太くて長い毛が中心 細くて短い毛が増える
毛根がふっくらしている 毛根が細い・変形している
季節的な変動がある 特定部位に集中して抜ける

病的な抜け毛の場合、髪を軽く引っ張っただけでポロポロと抜けることがあります。

こうした症状が見られたら、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

髪が抜ける病気が疑われる危険なサインとは

単なる抜け毛なのか、それとも病気のサインなのかを判断するには、いくつかのポイントをチェックする必要があります。

以下のような症状が見られる場合は、何らかの疾患が隠れている可能性が高いといえるでしょう。

  • 数週間から1ヶ月の短期間で急激に抜け毛が増えた
  • 円形や楕円形に髪が抜け、地肌が見えている部分がある
  • 生え際や頭頂部だけが目立って薄くなっている
  • 抜けた髪の毛根に白い塊がない、または毛根が細く変形している
  • 頭皮に赤み・かゆみ・フケ・痛みなどの炎症症状がある
  • 全身の倦怠感・発熱・体重減少などの症状を伴っている

特に頭皮の炎症を伴う場合は、感染症や自己免疫疾患の可能性があります。

また、全身症状を伴う抜け毛は内臓疾患のサインであることも少なくありません。

自己判断で市販の育毛剤などを使用するのではなく、まずは専門医に相談することが重要です。

【男性特有】髪が抜ける病気の種類と特徴

男性の薄毛や抜け毛には、ホルモンの影響を受けるものが多いという特徴があります。

特にAGA(男性型脱毛症)は日本人男性の約3人に1人が発症するといわれており、非常に身近な脱毛症です。

男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が毛髪の成長を阻害することで、髪が細く短くなっていきます。

ただし、男性の抜け毛の原因はAGAだけではありません。

ストレスや生活習慣の乱れ、内臓疾患なども関係している場合があります。

  • AGAは20代から発症する可能性があり、早期治療が重要
  • 生活習慣の乱れによるびまん性脱毛症も男性に起こりうる
  • 内臓疾患が原因の脱毛は、原因疾患の治療で改善することが多い
  • 遺伝的要因が強く関係するため、家族歴の確認も大切

AGA(男性型脱毛症)

AGAは「Androgenetic Alopecia」の略称で、男性ホルモンと遺伝が主な原因となる進行性の脱毛症です。

日本人男性の約30%がAGAを発症するとされており、成人男性にとって最も身近な脱毛症といえます。

項目 内容
原因 男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)と遺伝
発症年齢 20代以降(早い方では10代後半から)
症状の特徴 前頭部(額の生え際)・頭頂部から進行、髪が細く短くなる
主な治療法 内服薬(フィナステリド・デュタステリド)、外用薬(ミノキシジル)、注入療法

AGAの大きな特徴は、放置すると徐々に進行していく点です。

セルフケアだけで改善することは難しく、医療機関での治療が推奨されます。

内服薬のフィナステリドやデュタステリドはDHTの生成を抑制する効果があり、多くの患者さんで発毛効果が確認されています。

治療開始から3〜6ヶ月程度で効果を実感できる方が多いとされています。

  • フィナステリドはⅡ型5α還元酵素を阻害してDHTの生成を抑える
  • デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型両方の5α還元酵素を阻害し、より強力な効果が期待できる
  • ミノキシジル外用薬は毛母細胞を活性化させ、発毛を促進する
  • 治療は継続が重要で、中断すると再び脱毛が進行する

男性のびまん性脱毛症

びまん性脱毛症は一般的に女性に多い疾患とされていますが、男性にも発症することがあります。

AGAのように特定の部位だけが薄くなるのではなく、頭髪全体のボリュームが均等に減少していくのが特徴です。

主な原因として考えられているのは、過度なストレス・栄養不足・睡眠不足・生活習慣の乱れなどです。

原因 具体的な内容
ストレス 精神的・肉体的な過度な負担、自律神経の乱れ
栄養不足 タンパク質・ビタミンB群・鉄・亜鉛の不足
睡眠不足 慢性的な寝不足、睡眠の質の低下
生活習慣 喫煙、過度な飲酒、運動不足

治療にはミノキシジル外用薬が用いられることが多く、併せて生活習慣の改善も重要になります。

原因となっているストレスや栄養不足を解消することで、症状が改善するケースも少なくありません。

びまん性脱毛症は原因が複合的であることが多いため、医療機関で詳しい検査を受けることをおすすめします。

内臓疾患が原因で男性に起こる脱毛

抜け毛が増えた背景に、内臓の病気が隠れていることがあります。

特に甲状腺機能障害・肝機能障害・糖尿病は、脱毛症状を引き起こす代表的な内臓疾患です。

甲状腺ホルモンは毛髪の成長サイクルに深く関わっており、分泌量が多すぎても少なすぎても髪に影響が出ます。

バセドウ病や橋本病といった甲状腺疾患では、髪全体が薄くなったり、円形脱毛症を併発したりすることがあります。

内臓疾患 脱毛への影響 その他の症状
甲状腺機能障害 ホルモン異常によりヘアサイクルが乱れる 動悸、体重変化、倦怠感
肝機能障害 栄養代謝の低下により髪への栄養供給が不足 黄疸、腹部膨満、疲労感
糖尿病 血行不良による頭皮環境の悪化 多飲多尿、体重減少、傷が治りにくい

これらの内臓疾患による脱毛は、原因となる病気を治療することで改善が期待できます。

抜け毛以外にも疲れやすさや体重変化などの症状がある場合は、内科での検査も検討してください。

【女性特有】髪の毛が抜ける病気の種類と原因

女性の薄毛・抜け毛は、ホルモンバランスの変化と密接に関係しています。

妊娠・出産・更年期といったライフステージの変化に伴い、抜け毛が増えることは珍しくありません。

また、女性は男性に比べて貧血になりやすく、鉄欠乏が脱毛の原因になることも多いです。

女性特有の脱毛症について、それぞれの特徴と対処法を詳しく見ていきましょう。

女性特有の脱毛症 主な発症時期
FAGA・FPHL 40代以降(若年層でも発症あり)
分娩後脱毛症 出産後3ヶ月頃がピーク
更年期の脱毛 45〜55歳頃
鉄欠乏性貧血による脱毛 月経のある年代全般

FAGA(女性型脱毛症)・FPHL

FAGAは「Female Androgenetic Alopecia」の略で、女性に起こる薄毛を総称したものです。

最近ではFPHL(Female Pattern Hair Loss)という呼称も使われるようになっています。

男性のAGAとは異なり、生え際が大きく後退することは少なく、頭頂部から全体的に薄くなっていきます。

女性の場合、男性用の治療薬(フィナステリドなど)は妊娠への影響から使用できないため、専用の治療法が必要です。

項目 内容
原因 加齢によるホルモンバランスの変化・遺伝的要因
発症年齢 40代以降に多いが、若年層でも発症することがある
症状の特徴 頭頂部を中心に全体的に薄毛が広がる(びまん性)
主な治療法 ミノキシジル外用薬・スピロノラクトン内服など

ミノキシジル外用薬は女性にも使用可能で、発毛促進効果が期待できます。

髪のボリュームダウンが気になり始めたら、早めに専門医に相談することをおすすめします。

分娩後(産後)脱毛症

出産を経験した女性の半数以上が経験するといわれる分娩後脱毛症は、いわゆる「産後の抜け毛」です。

妊娠中は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増加し、髪の成長期が長くなります。

そのため、妊娠中は普段より抜け毛が少なくなる傾向があります。

しかし、出産後はホルモンバランスが急激に変化するため、妊娠中に抜けなかった髪が一気に抜け始めます。

  • 発症時期は出産後3ヶ月頃にピークを迎える
  • 通常は産後6ヶ月〜1年程度で自然に回復する
  • 授乳や育児のストレス・睡眠不足も影響する
  • 栄養バランスの良い食事が回復を助ける

多くの場合は一時的な現象であり、時間の経過とともに自然に改善します。

ただし、出産から1年以上経過しても改善が見られない場合は、産婦人科や皮膚科を受診することをおすすめします。

更年期障害と女性の抜け毛の関係

40代後半から50代にかけての更年期は、女性ホルモンの分泌量が大きく減少する時期です。

エストロゲンには髪の成長を促進し、成長期を長く保つ働きがあります。

そのため、エストロゲンが減少する更年期には、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が増えやすくなります。

更年期の髪への影響 具体的な症状
髪の量の変化 全体的なボリューム減少、分け目が目立つ
髪質の変化 髪が細くなる、ハリ・コシがなくなる
頭皮の変化 乾燥しやすくなる、かゆみが出やすい

更年期の抜け毛対策としては、ホルモン補充療法(HRT)を検討することもできます。

また、大豆イソフラボンなど植物性エストロゲンを含む食品を積極的に摂取することも有効とされています。

症状がつらい場合は、婦人科や皮膚科で相談してみてください。

女性に多い鉄欠乏性貧血による脱毛

女性は月経により定期的に血液を失うため、男性に比べて貧血になりやすい傾向があります。

鉄欠乏性貧血になると、血液中のヘモグロビン量が減少し、全身への酸素供給が不足します。

頭皮や毛根にも十分な酸素や栄養が届かなくなるため、髪の成長が妨げられて抜け毛が増えます。

  • 月経量が多い女性は特にリスクが高い
  • 過度なダイエットによる栄養不足も原因になる
  • 妊娠・授乳期は鉄の需要が増加するため注意が必要
  • びまん性脱毛症として現れることが多い
鉄欠乏性貧血のリスク要因 対策
月経過多 婦人科で原因の検査・治療
過度なダイエット バランスの良い食事への改善
妊娠・授乳期 鉄分を含むサプリメントの摂取
偏った食生活 赤身肉・レバー・小松菜などの摂取

貧血が原因の脱毛は、鉄剤の服用や食生活の改善によって改善が期待できます。

めまいや立ちくらみ、疲れやすさなどの貧血症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

【年代別】髪の毛が抜ける病気|子ども・中学生・成人の違い

脱毛症は成人だけの問題ではありません。

子どもや思春期の若者にも発症する脱毛症があり、年代によって原因や特徴が異なります。

特に子どもの脱毛は本人だけでなく保護者も不安を感じやすいため、正しい知識を持っておくことが大切です。

年代別の脱毛症について、それぞれの特徴と対処法を解説します。

年代 起こりやすい脱毛症
新生児〜乳児 新生児生理的脱毛
幼児〜小学生 円形脱毛症、先天性疾患、抜毛症
中学生〜高校生 ストレス性円形脱毛症、抜毛症、栄養不足による脱毛
成人 AGA、FAGA、びまん性脱毛症など
高齢者 加齢性脱毛、複合型脱毛

子どもに発症する脱毛症の特徴

子どもの脱毛症には、生理的なものから病的なものまでさまざまな種類があります。

生後間もない赤ちゃんに見られる「新生児生理的脱毛」は、ヘアサイクルの一環として起こる自然な現象です。

生後6ヶ月頃までに髪が抜けて薄くなることがありますが、その後自然に生えてくるため心配はいりません。

  • 新生児生理的脱毛:生後6ヶ月頃までに見られる生理的な脱毛、自然回復する
  • 小児円形脱毛症:子どもにも発症する自己免疫性の脱毛症
  • 先天性縮毛・乏毛症:生まれつき髪が少ない、または縮れている状態
  • 先天性三角脱毛症:側頭部に生まれつき三角形の脱毛斑がある
子どもの脱毛症 特徴 受診の目安
新生児生理的脱毛 生後6ヶ月頃まで、自然回復 基本的に不要
小児円形脱毛症 円形の脱毛斑、再発しやすい 早めに皮膚科を受診
先天性疾患 生まれつき髪が薄い・ない 小児科・皮膚科で相談

子どもの脱毛は見た目の問題だけでなく、心理的な影響も大きいため、専門医に相談して適切なケアを受けることが大切です。

中学生・思春期に起こりやすい脱毛

思春期は心身ともに大きな変化が起こる時期であり、さまざまな要因で脱毛症が発症しやすくなります。

学校生活でのストレスや人間関係の悩み、受験のプレッシャーなどが引き金となることも少なくありません。

また、この時期に多いのが「抜毛症(トリコチロマニア)」です。

自分で髪を抜いてしまう行為で、ストレスや不安を和らげるために無意識に行っていることが多いです。

  • ストレスによる円形脱毛症が最も多い
  • 抜毛症は特に10代女子に多く見られる
  • 過度なダイエットによる栄養不足も原因になる
  • 思春期特有のホルモン変動も影響する
思春期の脱毛症 主な原因 対処法
円形脱毛症 ストレス、自己免疫 皮膚科での治療、ストレスケア
抜毛症 精神的ストレス、不安 心療内科・精神科でのカウンセリング
栄養不足性脱毛 無理なダイエット 食生活の改善、栄養指導

思春期の脱毛は、本人が強いコンプレックスを感じやすいため、保護者や周囲の理解とサポートが重要です。

成人・高齢者に多い脱毛症

成人以降は、AGAやFAGAをはじめとするホルモン関連の脱毛症が増加します。

また、加齢に伴い頭皮の血行が悪くなったり、毛母細胞の機能が低下したりすることで、髪全体が薄くなっていきます。

高齢者の場合は、複数の要因が重なった「複合型脱毛」も多く見られます。

持病の治療で服用している薬の副作用として脱毛が起こることもあるため、注意が必要です。

  • 加齢による頭皮の老化と血行不良
  • 複数の脱毛要因が重なる複合型脱毛
  • 服用中の薬による薬剤性脱毛
  • 栄養吸収能力の低下による髪への影響
年齢層 多い脱毛症 注意点
20〜30代 AGA、ストレス性脱毛 早期治療で進行を抑制可能
40〜50代 AGA、FAGA、びまん性 ホルモンバランスの変化に注意
60代以降 加齢性脱毛、薬剤性脱毛 服用薬との関連を確認

高齢者の脱毛治療では、全身状態や服用中の薬との相互作用を考慮する必要があるため、必ず医師に相談してから治療を開始しましょう。

内臓の病気が原因で髪が抜けるケース

抜け毛の原因が頭皮や毛髪自体の問題ではなく、内臓の病気に起因している場合があります。

内臓疾患による脱毛は、原因となる病気を治療することで改善が期待できます。

しかし、脱毛だけを見て自己判断することは難しいため、全身症状を伴う場合は内科での検査も受けることが大切です。

内臓疾患が原因の脱毛について、代表的なものを詳しく見ていきましょう。

関連する内臓 代表的な疾患 脱毛のタイプ
甲状腺 バセドウ病、橋本病 びまん性、円形脱毛症の併発
免疫系 全身性エリテマトーデス、関節リウマチ びまん性、瘢痕性
肝臓 肝硬変、慢性肝炎 びまん性
腎臓 慢性腎臓病 びまん性

甲状腺疾患(バセドウ病・橋本病)と脱毛

甲状腺は首の前面にある小さな臓器で、全身の代謝を調整するホルモンを分泌しています。

甲状腺ホルモンは毛髪の成長サイクルにも深く関わっており、分泌量の異常は脱毛を引き起こします。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では代謝が活発になりすぎ、甲状腺機能低下症(橋本病)では代謝が低下します。

どちらの場合も、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が増える原因となります。

  • 甲状腺疾患は女性に多く、男女比は約1:9
  • 髪全体が薄くなるびまん性脱毛として現れることが多い
  • 円形脱毛症を併発するリスクが高い
  • 甲状腺ホルモンが安定すれば脱毛も改善する
甲状腺疾患 脱毛以外の主な症状
バセドウ病 動悸、体重減少、手の震え、暑がり、眼球突出
橋本病 倦怠感、体重増加、むくみ、寒がり、便秘

甲状腺疾患による脱毛は、甲状腺ホルモンの値が正常化すれば徐々に改善していきます。

脱毛以外にも上記のような症状がある場合は、内科(内分泌科)での検査を受けましょう。

膠原病と髪の脱毛症状

膠原病は、免疫システムが自分自身の体を攻撃してしまう自己免疫疾患の総称です。

皮膚や内臓、血管などに炎症が起こり、さまざまな症状を引き起こします。

膠原病の中には、脱毛症状を伴うものがいくつかあります。

膠原病の種類 脱毛の特徴
全身性エリテマトーデス(SLE) 頭頂部を中心としたびまん性脱毛、円形脱毛症様の脱毛
シェーグレン症候群 乾燥症状に伴う髪のパサつき、脱毛
全身性強皮症 皮膚の硬化に伴う瘢痕性脱毛
  • 膠原病は20〜40代の女性に多い(男女比1:13〜16)
  • 脱毛以外にも発熱、関節痛、皮膚症状などを伴うことが多い
  • 免疫機能の異常が毛髪にも影響を与える
  • 膠原病の治療が進めば脱毛も改善することが多い

膠原病による脱毛は、膠原病自体の治療を優先しながら、必要に応じて脱毛の治療も並行して行います。

原因不明の脱毛に加えて、発熱や関節痛などの症状がある場合は、膠原病の可能性も考慮して検査を受けましょう。

肝臓・腎臓など代謝系臓器の不調と抜け毛

肝臓や腎臓は、体内の代謝や老廃物の排出を担う重要な臓器です。

これらの臓器の機能が低下すると、髪の成長に必要な栄養素の代謝や毒素の排出がうまくいかなくなり、脱毛を引き起こすことがあります。

肝機能が低下すると、タンパク質の合成や栄養素の代謝が滞り、髪の材料が不足します。

腎機能が低下すると、老廃物が体内に蓄積し、頭皮環境の悪化につながります。

臓器 機能低下による脱毛のメカニズム
肝臓 栄養代謝の低下、タンパク質合成の減少、解毒機能の低下
腎臓 老廃物の蓄積、ミネラルバランスの乱れ、貧血の誘発
消化器系 栄養吸収障害による栄養不足
  • 肝機能障害ではビタミンやミネラルの代謝も低下する
  • 腎機能障害では貧血を併発しやすく、脱毛リスクが高まる
  • 糖尿病は血行不良を引き起こし、頭皮への栄養供給が減少する

これらの内臓疾患による脱毛は、原因となる病気の治療を優先することが大切です。

定期的な健康診断で内臓の状態をチェックし、異常があれば早めに治療を開始しましょう。

髪の毛がごっそり抜ける病気|急性脱毛症の種類

ある日突然、大量の髪が抜け始めた場合は、急性の脱毛症を疑う必要があります。

急性脱毛症は進行が早いものの、適切な治療を受ければ回復が期待できるケースも多いです。

代表的な急性脱毛症について、原因と治療法を詳しく解説します。

急性脱毛症 主な原因 回復の見込み
円形脱毛症 自己免疫、ストレス 軽症は自然回復も多い
休止期脱毛症 発熱、手術、出産など 原因除去後に回復
薬剤性脱毛症 抗がん剤などの薬剤 投薬終了後に回復

円形脱毛症

円形脱毛症は、頭部に円形または楕円形の脱毛斑ができる疾患です。

年齢や性別を問わず誰にでも発症する可能性があり、人口の1〜2%が罹患するといわれています。

主な原因は自己免疫異常で、本来は外敵から体を守るはずの免疫細胞が毛根を攻撃してしまうことで脱毛が起こります。

アトピー素因を持つ方や、ストレスを受けた後に発症するケースも多く見られます。

円形脱毛症の分類 特徴
単発型 脱毛斑が1ヶ所のみ、最も多いタイプ
多発型 脱毛斑が2ヶ所以上に発生
蛇行型 後頭部から側頭部の生え際に沿って脱毛
全頭型 頭部全体の毛髪が脱毛
汎発型 髪だけでなく眉毛・まつ毛・体毛も脱毛
  • 軽度の単発型は自然回復することも多い
  • 重症化すると治療が長期化する傾向がある
  • 再発を繰り返す方も少なくない
  • 治療法にはステロイド療法、局所免疫療法、紫外線療法、JAK阻害薬などがある

円形脱毛症は早期に治療を開始するほど回復しやすいため、脱毛斑を見つけたら早めに皮膚科を受診しましょう。

休止期脱毛症

休止期脱毛症は、何らかのきっかけで成長期にあった毛髪が一斉に休止期に移行し、大量の抜け毛が発生する脱毛症です。

原因となるイベントから2〜3ヶ月後に脱毛が始まることが多く、頭髪全体のボリュームが急激に減少します。

  • 高熱を伴う感染症(インフルエンザ、新型コロナウイルスなど)
  • 外科手術や大きな外傷
  • 出産(分娩後脱毛症)
  • 急激なダイエットによる栄養不足
  • 強い精神的ストレス
休止期脱毛症の原因 脱毛までの期間 回復の目安
発熱・感染症 2〜3ヶ月後 6ヶ月〜1年
手術・外傷 2〜3ヶ月後 6ヶ月〜1年
出産 3ヶ月後がピーク 6ヶ月〜1年
急激なダイエット 2〜3ヶ月後 栄養改善後6ヶ月程度

休止期脱毛症は、原因となったイベントが解消されれば自然に回復していきます。

回復を早めるためには、十分な栄養摂取と睡眠、ストレス管理が重要です。

薬剤性脱毛症

薬剤性脱毛症は、服用している薬の副作用として脱毛が起こるものです。

最もよく知られているのは抗がん剤治療による脱毛ですが、それ以外の薬でも脱毛を引き起こすことがあります。

  • 抗がん剤は毛母細胞の分裂を抑制するため、髪が抜ける
  • 抗がん剤による脱毛は投薬開始から1〜3週間で始まることが多い
  • 投薬終了後、多くの場合は髪が再び生えてくる
  • 抗がん剤以外にも脱毛を引き起こす薬がある
脱毛を引き起こす可能性のある薬剤 薬剤の種類
抗がん剤 多くの種類で脱毛が起こる
抗凝固薬 ワーファリン、ヘパリン
抗てんかん薬 カルバマゼピン、バルプロ酸
高コレステロール治療薬 スタチン系薬剤
抗甲状腺薬 チアマゾール

薬剤性脱毛症は、原因となる薬の服用を中止すれば通常は回復します。

ただし、基礎疾患の治療のために服用している薬を自己判断で中止することは危険です。

脱毛が気になる場合は、必ず主治医に相談してください。

新型コロナウイルス感染後の抜け毛

新型コロナウイルスに感染した後、抜け毛が増えるという報告が多数寄せられています。

これは「コロナ後遺症」の一つとして認識されており、感染者の約4人に1人が脱毛症状を訴えるというデータもあります。

コロナ感染後の抜け毛は、休止期脱毛症の一種と考えられています。

発熱や体の消耗、免疫反応によるストレスなどが引き金となり、ヘアサイクルが乱れることで脱毛が起こります。

コロナ後遺症としての脱毛 特徴
発症時期 感染後2〜3ヶ月頃に多い
性別 女性に多い傾向
脱毛パターン 頭髪全体のボリュームが低下(びまん性)
回復期間 多くは6ヶ月〜1年で改善
  • 感染時の重症度と脱毛の程度は必ずしも比例しない
  • 自宅療養中のストレスや栄養不足も影響している可能性がある
  • 免疫力の低下が毛髪にも影響を与えていると考えられている
  • 回復を早めるには十分な休養と栄養摂取が重要

コロナ後の脱毛は一時的なものであることが多いですが、長期間改善しない場合は皮膚科での相談をおすすめします。

頭皮トラブルが原因で起こる脱毛症

頭皮の状態は髪の健康に直結しています。

頭皮に炎症や感染が起こると、毛根がダメージを受けて抜け毛が増えることがあります。

頭皮トラブルが原因の脱毛症は、頭皮環境を改善することで回復が期待できるケースが多いです。

頭皮トラブル性脱毛症 主な症状
脂漏性脱毛症 頭皮のベタつき、赤み、かゆみ
粃糠性脱毛症 大量のフケ、かゆみ、炎症
白癬症 頭皮の炎症、脱毛斑、かさぶた
牽引性脱毛症 特定部位(生え際など)の薄毛

脂漏性脱毛症

脂漏性脱毛症は、頭皮の皮脂が過剰に分泌されることで起こる脱毛症です。

過剰な皮脂が毛穴を詰まらせ、頭皮環境が悪化することで抜け毛が増えます。

頭皮のベタつきや赤み、かゆみ、湿疹を伴うことが特徴です。

  • 乳児期と10代〜40代に多く見られる
  • 男性ホルモンの影響で皮脂分泌が活発な人に起こりやすい
  • マラセチア菌という真菌の増殖が関与している
  • 生活習慣の乱れやストレスも悪化要因になる
脂漏性脱毛症のチェックポイント 該当する場合は注意
頭皮がベタベタする 皮脂過剰の可能性
フケが脂っぽい 脂漏性皮膚炎の可能性
頭皮が赤い・かゆい 炎症が起きている
抜け毛の毛根に皮脂が付着 毛穴が詰まっている

治療には抗真菌薬やステロイド外用薬が用いられます。

また、脂漏性皮膚炎用のシャンプーを使用して頭皮環境を整えることも効果的です。

粃糠性(ひこう性)脱毛症

粃糠性脱毛症は、大量のフケが発生し、それが毛穴に詰まって炎症を起こすことで脱毛が起こる疾患です。

フケは乾燥した細かいものが多く、頭皮全体に白い粉のように見えることがあります。

強いかゆみを伴うことも多く、掻きすぎによって症状が悪化することもあります。

  • フケの増加が最初の兆候
  • かゆみを伴うことが多い
  • 頭皮の乾燥や誤ったヘアケアが原因になることがある
  • 食生活の乱れやストレスも影響する
粃糠性脱毛症の原因 対策
頭皮の乾燥 保湿効果のあるシャンプー・トリートメントの使用
洗いすぎ シャンプーの頻度を見直す
ストレス ストレス管理、十分な睡眠
栄養バランスの乱れ ビタミンB群・亜鉛の摂取

治療にはステロイド外用薬や抗真菌薬が用いられます。

また、生活習慣の改善と正しいヘアケアを心がけることで、再発を防ぐことができます。

白癬症(頭部白癬)

白癬症は、白癬菌というカビ(真菌)が頭皮に感染することで起こる脱毛症です。

「しらくも」とも呼ばれ、頭皮に円形の脱毛斑ができたり、炎症を起こしたりします。

感染部位の毛髪は抵抗なく抜けることが特徴で、かさぶたやフケのような鱗屑が見られることもあります。

  • 白癬菌というカビが頭皮に感染することで起こる
  • 子どもに多いが、大人でも発症する
  • 感染力があるため、タオルや枕の共有で広がることがある
  • 円形脱毛症と見た目が似ているため、正確な診断が必要
白癬症の症状 詳細
脱毛斑 円形または不整形の脱毛
頭皮の変化 赤み、かさぶた、鱗屑
毛髪の状態 残っている毛は簡単に抜ける
かゆみ 軽度〜中等度のかゆみがあることも

治療には抗真菌薬の内服が必要です。

外用薬だけでは効果が不十分なことが多いため、必ず皮膚科を受診して適切な治療を受けましょう。

牽引性脱毛症

牽引性脱毛症は、髪を強く引っ張り続けることで毛根がダメージを受け、脱毛が起こる疾患です。

ポニーテールやお団子、編み込みなど、髪を引っ張るヘアスタイルを長期間続けている女性に多く見られます。

男性でも、きつい帽子やヘルメットを常用している場合に発症することがあります。

  • 同じ位置で髪を結び続けることで、その部分の毛根がダメージを受ける
  • 生え際や分け目の薄毛として現れることが多い
  • 初期であればヘアスタイルを変えることで改善可能
  • 長期間続けると毛根が破壊され、回復困難になることも
牽引性脱毛症のリスクが高いヘアスタイル 代替案
きついポニーテール 緩めに結ぶ、位置を変える
編み込み・コーンロウ 休息期間を設ける
エクステンション 装着期間を短くする
いつも同じ分け目 定期的に分け目を変える

牽引性脱毛症は、原因となっているヘアスタイルを改善すれば進行を止めることができます。

早期であれば回復も期待できるため、生え際や分け目の薄毛が気になる方はヘアスタイルを見直してみてください。

その他の髪が抜ける病気・疾患

ここまで紹介した以外にも、脱毛症状を引き起こす病気や疾患があります。

比較的まれなケースですが、知っておくことで早期発見につながる可能性があります。

その他の脱毛症 特徴
梅毒による脱毛 性感染症の症状として現れる
抜毛症 自分で髪を抜いてしまう行動障害
瘢痕性脱毛症 毛根が破壊され永続的な脱毛となる

梅毒による脱毛

梅毒は梅毒トレポネーマという細菌による性感染症です。

性行為やオーラルセックス、キスなどを通じて感染し、さまざまな症状を引き起こします。

脱毛は梅毒の二期症状として現れることがあり、感染から約5ヶ月頃に発症することが多いです。

  • 「虫食い状脱毛」と呼ばれる特徴的なパターンを示すことがある
  • 後頭部や側頭部に脱毛が見られることが多い
  • 脱毛以外にも皮膚の発疹、発熱、倦怠感などの症状を伴う
  • 抗菌薬(ペニシリン系)による治療で回復可能
梅毒の進行と症状 時期 主な症状
一期 感染後3週間頃 感染部位のしこり・潰瘍
二期 感染後3〜5ヶ月頃 発疹、発熱、脱毛
潜伏期 二期以降 症状なし
三期 感染後数年〜数十年 心臓・神経系の障害

梅毒は早期に治療すれば完治する病気ですが、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

性感染症が疑われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

抜毛症(トリコチロマニア)

抜毛症は、自分で自分の髪を抜いてしまう強迫性障害の一種です。

精神的なストレスや不安を和らげるために、無意識に髪を抜く行為を繰り返してしまいます。

幼児期から思春期の女性に多く見られますが、大人になってから発症するケースもあります。

  • 強い不安やストレスを感じたときに髪を抜いてしまう
  • 本人が抜いている自覚がないことも多い
  • 抜いた後に後悔や罪悪感を感じることがある
  • 髪だけでなく、眉毛やまつ毛を抜くこともある
抜毛症の特徴 詳細
発症年齢 幼児〜思春期に多い
性別 女性に多い(男女比約1:10)
脱毛パターン 不規則な形、長さがまばら
随伴症状 不安、うつ、強迫症状

治療には、認知行動療法などの心理療法が有効とされています。

抗うつ薬や抗不安薬が処方されることもあります。

抜毛症は精神的なケアが重要なため、心療内科や精神科での治療が推奨されます。

瘢痕性脱毛症

瘢痕性脱毛症は、毛根(毛包)が破壊されて瘢痕化(傷跡化)することで、永続的な脱毛となる疾患です。

他の脱毛症と異なり、一度破壊された毛根は再生しないため、早期発見・早期治療が非常に重要です。

  • 原発性:免疫異常などにより毛根自体が攻撃される(慢性皮膚エリテマトーデス、毛孔性扁平苔癬など)
  • 続発性:外傷、熱傷、感染症、腫瘍などにより二次的に毛根が破壊される
  • 進行すると脱毛部位が拡大する可能性がある
  • 早期治療で進行を抑えられることがある
瘢痕性脱毛症の分類 原因 特徴
原発性 自己免疫、炎症性疾患 毛包が直接攻撃される
続発性 外傷、熱傷、感染など 他の原因により二次的に発生

瘢痕性脱毛症が疑われる場合は、できるだけ早く皮膚科を受診してください。

頭皮の生検(組織検査)で正確な診断を行い、原因に応じた治療を開始することが大切です。

異常な抜け毛を感じたときの対処法

抜け毛が増えて不安を感じている方に、具体的な対処法をお伝えします。

まずは自分でできるセルフチェックを行い、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

日常生活での予防策も併せて実践することで、髪の健康を守ることができます。

対処法のステップ 内容
ステップ1 セルフチェックで状態を確認
ステップ2 必要に応じて医療機関を受診
ステップ3 日常生活での予防策を実践
ステップ4 育毛剤・発毛剤の活用を検討

まず確認すべきセルフチェックポイント

抜け毛が気になったら、まず以下のポイントを確認してみましょう。

自分の状態を把握することで、医療機関を受診する際にも役立ちます。

  • 1日の抜け毛の量を大まかに把握する(洗髪時に50本以上は要注意)
  • 抜けた髪の太さ・長さを確認する(細く短い毛が多いと進行性脱毛の可能性)
  • 毛根の状態をチェックする(白い塊がない、変形している場合は異常の可能性)
  • 頭皮の状態を確認する(かゆみ・フケ・炎症・痛みがないか)
  • 特定の部位に脱毛が集中していないか確認する
チェック項目 正常 要注意
1日の抜け毛本数 50〜100本程度 急激な増加
抜け毛の太さ 太くしっかりしている 細く弱々しい
毛根の形 ふっくら丸い 細い、変形、塊がない
頭皮の状態 健康的な色 赤み、かゆみ、フケ
脱毛の分布 全体的 特定部位に集中

これらのセルフチェックで異常が見つかった場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

医療機関を受診すべきタイミング

すべての抜け毛に対して医療機関を受診する必要はありませんが、以下のような場合は早めの受診をおすすめします。

放置すると症状が悪化したり、回復が難しくなったりする可能性があります。

  • 急激に抜け毛の量が増えた場合
  • 円形や楕円形の脱毛斑ができた場合
  • 頭皮に炎症・かゆみ・痛みがある場合
  • 抜け毛以外に全身症状(発熱、倦怠感、体重変化など)がある場合
  • 市販の育毛剤を使っても改善しない場合
症状 受診先の目安
AGAやFAGAが疑われる 皮膚科、AGA専門クリニック
円形脱毛症 皮膚科
頭皮の炎症・感染 皮膚科
全身症状を伴う 内科、総合病院
ストレス・精神的要因 心療内科、精神科

医療機関では、問診・視診に加えて、必要に応じて血液検査や頭皮の検査が行われます。

正確な診断に基づいた治療を受けることで、効果的な改善が期待できます。

日常生活でできる抜け毛予防策

脱毛症の予防や進行抑制には、日常生活での取り組みも重要です。

生活習慣を見直すことで、頭皮環境を整え、髪の健康を維持することができます。

  • 正しいシャンプー方法で頭皮を清潔に保つ(ゴシゴシ洗いは避ける)
  • バランスの良い食事を心がける(タンパク質、ビタミンB群、鉄、亜鉛を意識)
  • 質の良い睡眠をとる(成長ホルモンは睡眠中に分泌される)
  • ストレスを適切に管理する(趣味や運動でリフレッシュ)
  • 喫煙習慣を見直す(タバコは血行を悪化させる)
  • 頭皮マッサージで血行を促進する
髪に良い栄養素 多く含む食品
タンパク質 肉、魚、卵、大豆製品
ビタミンB群 レバー、うなぎ、ナッツ類
鉄分 赤身肉、レバー、小松菜、ひじき
亜鉛 牡蠣、牛肉、チーズ、ナッツ類
ビタミンE アーモンド、かぼちゃ、アボカド

これらの生活習慣の改善は、すぐに効果が現れるものではありませんが、継続することで髪の健康を維持する基盤となります。

育毛剤・発毛剤の活用法

市販の育毛剤や発毛剤を活用することも、抜け毛対策の選択肢の一つです。

ただし、製品によって効果や成分が異なるため、自分の症状に合ったものを選ぶことが大切です。

  • 育毛剤は主に頭皮環境を整え、抜け毛を予防する目的で使用
  • 発毛剤(医薬品)は新しい髪の発毛を促進する効果がある
  • ミノキシジル配合の発毛剤は、科学的根拠のある成分として認められている
  • 効果を実感するまでには最低3〜6ヶ月の継続使用が必要
製品タイプ 分類 主な効果
育毛剤 医薬部外品 頭皮環境の改善、抜け毛予防
発毛剤 第1類医薬品 発毛促進、脱毛進行の抑制
育毛シャンプー 化粧品・医薬部外品 頭皮の洗浄、環境改善

市販の製品で効果が見られない場合や、脱毛の進行が気になる場合は、医療機関での治療を検討しましょう。

処方薬には市販品よりも高い効果が期待できるものがあります。

髪が抜ける病気に関するよくある疑問

髪が抜ける病気について、よく寄せられる質問にお答えします。

気になることがあれば、参考にしてください。

女性特有の脱毛を引き起こす病気にはどのようなものがありますか?

女性に多い、または女性特有の脱毛症には以下のようなものがあります。

ホルモンバランスの変化が関係しているケースが多いのが特徴です。

疾患名 主な原因・特徴
FAGA・FPHL 加齢によるホルモン変化、頭頂部中心の薄毛
分娩後脱毛症 出産後のホルモン急変、一時的
びまん性脱毛症 ストレス、栄養不足、髪全体のボリューム低下
甲状腺疾患 女性に多い、ホルモン異常
膠原病 自己免疫疾患、女性に多い
鉄欠乏性貧血 月経、ダイエット、妊娠授乳期
  • 更年期のホルモン変化による脱毛も女性に多い
  • 過度なダイエットによる栄養不足は若い女性に多い原因
  • 女性の薄毛は複数の要因が重なっていることも多い

抜け毛がひどいのは重大な病気の前兆である可能性はありますか?

抜け毛の増加が内臓疾患や全身疾患のサインである可能性はあります。

ただし、抜け毛だけで病気を判断することは難しいため、他の症状と併せて考えることが大切です。

  • 甲状腺疾患では、体重変化・倦怠感・動悸などを伴うことが多い
  • 膠原病では、発熱・関節痛・皮膚症状などを伴うことが多い
  • 糖尿病では、多飲多尿・体重減少などを伴うことが多い
  • 貧血では、めまい・立ちくらみ・疲れやすさなどを伴うことが多い
注意すべき随伴症状 疑われる疾患
体重の急激な変化 甲状腺疾患、糖尿病
発熱が続く 膠原病、感染症
倦怠感が強い 貧血、甲状腺疾患、肝機能障害
関節の痛み・腫れ 膠原病
むくみ 腎機能障害、甲状腺機能低下症

抜け毛以外にも気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

内臓の異常が原因で髪が抜ける場合、どの臓器が関係していますか?

脱毛症状を引き起こす可能性のある臓器とその関係をまとめました。

内臓疾患による脱毛は、原因となる病気を治療することで改善が期待できます。

臓器 脱毛との関係
甲状腺 ホルモン分泌異常がヘアサイクルを乱す
肝臓 栄養代謝・解毒機能の低下が髪に影響
腎臓 老廃物の蓄積、ミネラルバランスの乱れ
消化器系 栄養吸収障害により髪への栄養が不足
副腎 ホルモンバランスの乱れ
  • 甲状腺疾患は女性に多く、脱毛を引き起こす代表的な内臓疾患
  • 肝機能が低下すると、髪の材料となるタンパク質の合成が減少する
  • 腎機能障害では貧血を併発しやすく、髪への酸素供給が不足する
  • 消化器系の病気があると、栄養素の吸収が妨げられる

病院に行くべき危険な抜け毛の特徴は何ですか?

以下のような特徴がある抜け毛は、何らかの疾患が隠れている可能性が高いため、早めに医療機関を受診しましょう。

  • 短期間(数週間〜1ヶ月)で急激に抜け毛が増加した
  • 円形・楕円形の脱毛斑ができている
  • 頭皮に炎症(赤み・かゆみ・痛み)がある
  • 抜けた髪の毛根に白い塊がない、または変形している
  • 細く短い毛ばかりが抜ける
  • 全身の倦怠感・発熱・体重変化など他の症状を伴う
危険度 症状 対応
急激な大量脱毛、円形脱毛斑 すぐに皮膚科を受診
頭皮の強い炎症・痛み すぐに皮膚科を受診
全身症状を伴う脱毛 内科も含め早めに受診
徐々に進行する薄毛 早めに専門医に相談

自己判断で市販品を使い続けるよりも、専門医の診断を受けることで適切な治療につながります。

気になる症状がある方は、ためらわずに医療機関を受診してください。