マンジャロは専用の使い切りペン型注射であるアテオスによって投与するのが基本的です。
マンジャロは自己投与が可能な2型糖尿病治療薬ですが、ダイエット目的でも処方されている薬で、以下のように手間なく自己投与できます。

引用元:アテオス患者冊子_250123.indd – Eli Lilly
この記事では、実際に著者がマンジャロを自己投与したときの経験を踏まえて、打つ場所や実際に打つときの手順を解説しています。
マンジャロの皮下注射で痛みを抑えるコツやマンジャロ投与時の注意点についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
この記事をざっくりまとめると
- マンジャロを打つ場所で最もおすすめなのはお腹!
- マンジャロを打つときに皮膚をつまんでしまうと薬剤漏れなどの失敗するリスクがある
- マンジャロを打つタイミングは週1回の決まった曜日
- 個人差があるものの、マンジャロの皮下注射は予防注射よりも痛くない
また著者が推奨するマンジャロの打ち方がまとめられている動画は下記になりますので、参考にしてください。

1990年防衛医科大学校卒。1993年国連平和維持活動。モザンビークに医官として従事。その他各地の自衛隊病院等に勤務。2020年に自衛隊富士病院内科部長兼健診センター長。2022年に自衛隊中央病院精査室長。2025年にAIプラスクリニックたまプラーザの副院長を経て院長就任
主な担当分野
マンジャロを打つ場所はお腹・太もも・二の腕の3種類
マンジャロの皮下注射は、お腹・太もも・二の腕の3つの部位で実施できます。
これらの部位は皮下脂肪が豊富で血管や神経が少ないため、安全な投与が可能です。
実際に患者向医薬品ガイドにおいても、自己注射の場合はお腹や太ももへの薬剤投与が推奨されています。
腹部、上腕、又は大腿という投与部位の違いは tirzepatide の曝露量に影響を与えなかったことから、tirzepatide はこれらのいずれの部位へも投与が可能であることが示された。
各部位の特徴と痛みレベル、推奨度を比較した結果は以下のとおりです。
部位 | 痛みレベル | 皮下脂肪の厚さ | 自己注射の難易度 | 著者の推奨度 |
---|---|---|---|---|
お腹 | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | 最高 |
太もも | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | 高い |
二の腕 | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | 条件付き |
二の腕への投与は他者による介助が必要な部位であり、自己注射では困難です。
各部位には投与時の注意点があり、へそから5cm以上離れた腹部や太ももの前面・外側を選択することで、痛みを抑えられます。
お腹は皮下脂肪が最も厚く痛みも少ないため、初回投与者には腹部への注射をおすすめします。
お腹に打つのが最もおすすめ!痛くないうえに薬物吸収も安定する
お腹への注射は、マンジャロの投与部位として最も推奨されます。
著者もお腹にマンジャロを自己投与したことがありますが、チクッと軽く刺すような感覚で、打ったのかわからないほど全然痛くありませんでした。
腹部は皮下脂肪が厚く神経が少ないため、痛みを感じにくくなっています。
例えば太ももと比較すると、お腹は皮下脂肪が約2倍厚く、痛点の密度も半分程度です。
薬物の吸収も安定しており、血中濃度のばらつきを抑えて効果を持続的に得られます。
へそから5cm以上離れた部位を選ぶことで、血管への影響を避けて安全に投与できます。
自己注射でも部位を確認しやすく操作も簡単なので、初回投与の方でも失敗するリスクを軽減できます。
副作用の発現率を極力抑えたい人は大腿部に打つのも1つの選択肢
マンジャロを打つ場所によって、副作用の発現率が異なり、大腿部が最も有害事象が現れづらいとされています。
マンジャロの投与部位ごとに有害事象や副作用の発現率をまとめた結果は以下のとおりです。
投与部位 有害事象発現率 副作用発現率 腹部 70.4% (38/54例) 66.7% (36/54例) 上腕部 59.3% (32/54例) 57.4% (31/54例) 大腿部 50.9% (27/53例) 45.3% (24/53例)
上記の結果のとおり、腹部へマンジャロを打つ場合は、痛くないものの副作用を発症する危険性は高まるデメリットがあります。
マンジャロの代表的な副作用は以下のとおりです。
マンジャロの副作用
- 吐き気
- 嘔吐
- 便秘
- 下痢
痛みを抑えつつ、医療従事者でない人でもマンジャロの自己投与をするなら、難易度が低いうえに有害事象発現率が少ない太ももに打つのも有効な手段と言えるでしょう。
注射を避けるべき場所を解説
安全なマンジャロ投与のためには、特定の部位への注射を避ける必要があります。
これらの場所は血管や神経が密集しており、痛みや副作用のリスクが高まるためです。
マンジャロ注射を避けるべき場所について、以下にまとめましたので参考にしてください。
避けるべき具体的な場所 | 部位 | 理由 | リスク |
---|---|---|---|
へそ周り5cm以内 | お腹 | 血管が密集 | 薬液漏れ・感染症 |
脇腹(肋骨下) | お腹 | 皮下脂肪が薄い | 痛み・筋肉注射になるリスク |
内側 | 太もも | 神経・血管が多い | 強い痛み・出血 |
膝に近い部分 | 太もも | 皮下脂肪が薄い | 痛み・骨への接触 |
肩に近い部分 | 二の腕 | 神経が多い | 痛み・神経損傷 |
肘に近い部分 | 二の腕 | 血管が多い | 出血・薬液漏れ |
へそ周り5cm以内の部位は血管が多く、薬液漏れや感染症のリスクが増加します。
太ももの内側や膝に近い部分も神経が集中しているため、強い痛みを感じやすい傾向があります。
血管が透けて見える部位や傷跡・ほくろがある場所、炎症を起こしている箇所への投与も控えるべきです。
部位選択を慎重に行うことで、マンジャロの治療効果を高めながら安全性を確保できます。
皮膚状態によってもマンジャロ注射を避けるべき場所がある
皮膚状態によってもマンジャロ注射を避けるべき場所があります。
健康な皮膚とは異なる状態の部位への注射は、痛みの増強や感染症のリスクを高める可能性があるためです。
血管が透けて見える部位や傷跡がある場所では、正常な薬液の吸収が妨げられる恐れもあるでしょう。
皮膚状態別の注意点と避ける理由をまとめた結果は以下のとおりです。
皮膚の状態 | 避ける理由 |
---|---|
血管が透けて見える部位 | 血管損傷のリスク |
傷跡・手術跡 | 組織が硬化している |
ほくろ・いぼ | 正確な投与が困難 |
湿疹・炎症部位 | 感染症のリスク |
日焼け・発赤 | 皮膚が敏感 |
炎症を起こしている部位への注射は特に注意が必要で、細菌感染や治癒の遅延を招く可能性があります。
日焼けや発赤がある皮膚は通常より敏感になっているため、強い痛みを感じやすい傾向にあります。
適切な皮膚状態の確認により、マンジャロの安全で快適な投与を実現できるでしょう。
静脈内や筋肉内には絶対にマンジャロを投与してはいけない
静脈内や筋肉内には絶対にマンジャロを投与してはいけません。
マンジャロは皮下注射専用に設計された薬剤であり、誤った部位への投与は重篤な副作用や生命に関わる危険を引き起こす可能性があるためです。
静脈内及び筋肉内に投与しないこと。
静脈内投与では急激な血中濃度の上昇により、低血糖や心血管系への悪影響が生じる恐れがあります。
絶対に避けるべき投与部位と危険度をまとめた結果は以下のとおりです。
投与部位 | 禁止理由 | 危険度 |
---|---|---|
静脈内 | 血管内投与禁止 | ★★★★★ |
筋肉内 | 筋肉注射禁止 | ★★★★☆ |
関節周辺 | 関節損傷リスク | ★★★★☆ |
顔面・首 | 神経・血管密集 | ★★★★★ |
筋肉内投与も同様に危険で、薬物動態が大きく変化し予期しない副作用を招く恐れがあります。
関節周辺への注射は関節炎や機能障害を引き起こす可能性があり、顔面や首への投与は重要な神経や血管を損傷するリスクが極めて高くなります。
これらの禁止部位を厳守することで、マンジャロの安全で適切な治療効果を得られるでしょう。
マンジャロの打ち方!自己投与なら「アテオス」という専用ペンを使用
マンジャロを自己投与する場合は、「アテオス」という専用ペンを使用するのが一般的です。
アテオスとは使い切りタイプの注入器で、自己投与でも失敗しづらいように設計されたデバイスです。
日本イーライリリー株式会社が提供しており、糖尿病患者をはじめ世界中に開発および販売が行われています。
著者が実際にアテオスを使って、マンジャロを投与したときの手順は以下のとおりとなっています。
キャップを取り外す
注射部位の消毒
ロックを解除したのちに注射器を皮膚に垂直に当てる
紫色の注入ボタンを押して注入を開始する開始する
では実際にマンジャロを打つときの流れの詳細を解説していきます。
マンジャロを打つ前に注射器とアルコール綿花を準備しよう
マンジャロの投与で必要な物は注射器(マンジャロ皮下注アテオス)とアルコール綿花の2点のみです。
注射器は冷蔵庫から取り出し、使用の30分前には室温に戻しておきます。アルコール綿花は注射部位の消毒に使用するため、十分な量を用意しておく必要があります。
手洗いや清潔な作業環境の確保も含めて、投与前の準備を怠らないことが安全な治療につながります。
マンジャロの打ち方①:マンジャロ注射器のキャンプを取り外す
注射器先端の灰色キャップを取り外します。
キャップは真っ直ぐに引っ張って外すことが重要で、ひねったり斜めに引っ張ると針が損傷する恐れがあります。
取り外したキャップは再装着せず、そのまま廃棄することが安全上の鉄則です。
キャップを外すタイミングは注射直前とし、長時間放置すると針の清潔性が保てません。
外した後は針が見えない設計となっているため、注射への恐怖心を軽減できます。
マンジャロの打ち方②:注射部位を消毒する
アルコール綿花を使用して、選択した注射部位を10秒程度しっかりと押さえるように消毒します。
消毒後はアルコールが完全に乾燥するまで待つことが必要で、湿った状態での注射は痛みを増強させる可能性があります。
消毒範囲は注射予定地点を中心として、直径5cm程度の円形に広げることが推奨されます。
アルコールアレルギーがある場合は、事前に医師へ相談し代替の消毒方法を確認しておきましょう。
マンジャロの打ち方③:注射器を皮膚に押し当てる
注射器の底面を皮膚に垂直にしっかりと押し当てます。
この段階では皮膚をつまんだりせず、平らな状態を保ちながら注射器を安定させることが重要です。
押し当てた状態を維持しながら、緑色の目印を回転させてロックを解除します。
注射器がぐらつかないよう、もう一方の手で皮膚周辺を軽く支えることも効果的です。
正しい角度と安定した位置での押し当てにより、薬液の漏れや注射の失敗を防げます。
マンジャロの打ち方④:薬剤を注入する
薬剤の注入は、紫色の注入ボタンを押すことで開始されます。
ボタンを押すと1回目のカチッという音が鳴り、これが注射開始の合図となります。
注入中は注射器を皮膚にしっかりと押し当てたまま、10秒間程度待機することが必要です。
2回目のカチッという音が聞こえれば注射完了の確認ができ、この音により薬液が適切に投与されたことがわかります。
音が聞こえない場合でも、透明部分の灰色ゴムピストンが見えていれば投与は成功しています。
マンジャロの打ち方⑤:注射完了
2回目のカチッ音を確認した後、注射器をゆっくりと皮膚から離すことで注射が完了します。
急いで注射器を離すと薬液が漏れる可能性があるため、慎重な動作が求められます。
注射完了後は注射部位を軽く押さえ、出血や薬液の漏れがないことを確認します。
使用済みの注射器は医療廃棄物として適切に処理する必要があり、家庭ごみとして廃棄してはいけません。
注射部位に軽い赤みや腫れが生じる場合もありますが、通常は1〜2日で自然に改善します。
マンジャロを打つタイミングは週1回
マンジャロを打つタイミングは週1回決まった曜日が基本となります。
投与間隔を一定に保つことで血中濃度が安定し、治療効果を発揮できるためです。
日本では、1日1〜2回の注射製剤、週1回の注射製剤の他に経口薬がある。血糖値に依存して食後のインスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制する。
時間帯については朝昼晩いつでも投与可能ですが、忘れにくい時間を選択することが継続的な治療には重要です。
食事のタイミングに関係なく投与できるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な時間設定が可能です。
投与を忘れた場合は気づいた時点で速やかに投与し、次回投与まで3日以上空けることが推奨されます。
マンジャロを打つうえでの注意点!
マンジャロを打つうえでの注意点は以下になります。
- 注射時に皮膚をつまむのはNG!
- マンジャロを適切に保管する
- 毎回同じ投与部位ではなくローテーションする
- 薬液の状態確認をする
- 注射器の点検をする
1つずつ確認していきましょう。
注射時に皮膚をつまむのはNG!
注射時に皮膚をつまむことは、薬液漏れや注射失敗の原因となるため避けるべき行為です。
皮膚をつまんだ状態では注射器が不安定になり、適切な角度での投与が困難になるためです。
つまんだ皮膚は血流が阻害され、薬液の吸収効率も低下する可能性があります。
マンジャロは皮膚を平らな状態に保ち、注射器を垂直に押し当てることで設計されており、つまむ動作は本来の投与方法に反します。
皮膚をつまむ癖がある場合は、注射器を両手でしっかりと支えることで安定した投与を心がける必要があります。
マンジャロを適切に保管しよう!冷蔵庫で保存するのが最適
マンジャロを保管するときは、冷蔵庫で保存をしておくのが最適です。
医療品医療機器総合機構の安定性試験ガイドラインによると、マンジャロは冷蔵庫内の2〜8度で保存することが必須で、凍結させると薬液の成分が変性し効果が失われることが判明されています。
マンジャロの保管条件と注意点をまとめた結果は以下のとおりです。
保管項目 | 適切な条件 | 避けるべき状況 | 注意点 |
---|---|---|---|
温度 | 2〜8度 | 凍結・室温放置 | 冷却装置から離す |
光 | 遮光保存 | 直射日光 | 箱に入れて保管 |
湿度 | 低湿度 | 高湿度環境 | 密閉容器使用 |
場所 | 冷蔵庫内 | 冷凍庫・車内 | 子供の手が届かない場所 |
期間 | 有効期限内 | 期限切れ使用 | 定期的な確認が必要 |
直射日光や高温多湿を避け、冷蔵庫の冷却装置から離れた場所に保管することが重要です。
子供の手の届かない場所に置き、誤用や事故を防ぐ配慮も必要となります。
保管期間中は定期的に薬液の状態を確認し、異常があれば速やかに医師に相談することが求められます。
毎回同じ投与部位ではなくローテーションしよう
毎回同じ投与部位ではなくローテーションすることで、皮膚トラブルや薬物吸収の低下を防げます。
同一部位への連続投与は皮膚の硬化や脂肪萎縮を引き起こし、薬剤の吸収効率が悪化するためです。
実際に厚生労働省の経口薬与薬の技術指導書によると、同じ箇所に皮下注射を行うときでも、場所をずらして薬剤投与を行うことを必須項目としています。
定期的に何度も皮下注射を行う場合は、毎回1横指ずつずらして刺入する
引用元:技術指導の例 – 厚生労働省
前回の投与部位から2〜3cm以上離れた場所を選択し、左右交互に使用することが推奨されます。
お腹と太ももを組み合わせたローテーションにより、より広範囲での部位変更が可能となります。
投与部位の記録をつけることで、適切なローテーション間隔を維持しやすくなります。
キャンプを外し忘れた状態でボタンを押すと1本無駄になる
マンジャロダイエットでアテオスを使用する際、キャンプを外し忘れた状態でボタンを押してしまうと、1本無駄になってしまいます。
上述したように注入前には必ず、アテオスのキャップが完全に外れているかを確認するようにしましょう。
薬液の状態確認をしよう
薬液の状態確認は、安全で効果的なマンジャロ投与のために必須の手順です。
注射前には薬液が透明で異物や濁りがないことを目視で確認し、異常があれば使用を中止する必要があります。
薬液が凍結している場合は結晶が見えたり白濁したりするため、このような状態の注射器は廃棄しなければなりません。
薬液内に気泡が見えることもありますが、これは正常な状態であり投与に影響はないでしょう。
変色や沈殿物が確認される場合も使用禁止となり、新しい注射器に交換することが求められます。
適切な薬液状態の確認により、マンジャロの品質と安全性を保ちながら確実な治療効果を得られるでしょう。
注射器の点検をしよう
注射器の点検は、投与前に必ず実施すべき重要な安全確認です。
注射器に亀裂や損傷がないかを目視で確認し、キャップが正しく装着されているかをチェックする必要があります。
有効期限が切れていないことも確認事項の一つで、期限切れの製剤は効果が低下している可能性があるでしょう。
注射器の透明部分に異物が混入していないか、ラベルが正しく貼付されているかも点検項目に含まれます。
包装に破損がある場合や注射器が変形している場合は、無菌性が保たれていない恐れがあるため使用を避けるべきです。
徹底した注射器点検により、マンジャロ投与時のトラブルを未然に防ぎ安全な治療を実現できるでしょう。
マンジャロを打つときに痛みを軽減するコツ
使用前に30分程度室温に戻してから使用しよう
使用前に30分程度室温に戻すことで、注射時の痛みを大幅に軽減できます。
冷たい薬液をそのまま注射すると皮膚への刺激が強くなり、痛みを感じやすくなるためです。
冷蔵庫から取り出した注射器は2〜8度に冷却されており、体温との温度差が痛みの原因となります。
室温に戻す際は直射日光を避け、清潔な場所で自然に温度を上昇させることが重要です。3
30分という時間設定により、薬液が適切な温度に達し皮下組織への負担を抑えられます。
注射部位をあらかじめ冷やしてから注射する
注射部位をあらかじめ冷やすことで、皮膚の感覚を鈍らせて痛みを軽減できます。
氷や保冷剤を使用して注射予定部位を5〜10分程度冷却すると、痛点の感度が低下するためです。
冷却により血管も収縮するため、注射後の内出血のリスクも軽減できます。
ただし過度な冷却は皮膚にダメージを与える可能性があるため、直接氷を当てずにタオル越しに冷やすことが推奨されます。
冷却後は皮膚が完全に乾燥していることを確認してから注射を行う必要があります。
アルコール消毒後は完全に乾かしてから打とう
アルコール消毒後は完全に乾燥させることで、注射時の痛みと刺激を抑えられます。
湿ったアルコールが皮膚に残った状態で注射すると、薬液との相互作用により強い痛みを引き起こす可能性があるためです。
アルコールの蒸発には通常30秒〜1分程度必要で、急いで注射を行うと予想以上の痛みを感じます。
完全な乾燥を確認する方法として、消毒部位に触れてひんやり感がなくなるまで待機することが有効です。
乾燥が不十分な状態では薬液の吸収にも影響を与える恐れがあり、治療効果の低下につながります。
皮膚に対して垂直に注射器を押してると痛みを感じにくい
皮膚に対して垂直に注射器を押し当てることで、針の刺入時の痛みを軽減できます。
斜めに針を刺すと皮膚組織を余計に引き裂いてしまい、痛点を多く刺激する結果となるためです。
垂直な角度での注射により針は最短距離で皮下組織に到達し、痛みを感じる時間も短縮されます。
角度が不適切な場合は薬液の漏れや注射の失敗につながるリスクもあり、正確な投与のためにも重要な要素です。
注射器の底面全体を皮膚に密着させることで、自然と垂直な角度を保てます。
ためらわずに一気に注入ボタンを押そう
ためらわずに一気に注入ボタンを押すことで、注射時の痛みと不安を抑えられます。
躊躇して時間をかけると緊張が高まり、実際の痛み以上に不快感を感じやすくなるためです。
注入ボタンは確実に押し込むことが重要で、中途半端な力では薬液の投与が不完全になる恐れがあります。
一度ボタンを押すと自動的に注射が開始されるため、迷いなく決断することが成功への鍵となります。
注射への恐怖心が強い場合は、深呼吸をして気持ちを落ち着けてからボタンを押すことも効果的です。
注射後は軽くマッサージしよう
注射後は軽くマッサージすることで、薬液の拡散を促進し効果的な吸収を期待できます。
マッサージにより皮下組織の血流が改善され、薬剤がより均一に広がるためです。
マッサージは薬液を皮下組織に広く拡散し、局所の血液の供給を高めて薬液の吸収を促す
ただし強く押したり揉んだりするのは避け、指先で優しく円を描くように5〜10秒程度行うことが適切です。
マッサージは注射直後ではなく、針穴が塞がったことを確認してから実施することが重要です。
過度なマッサージは注射部位の炎症や内出血を引き起こす恐れがあるため、軽い刺激に留める必要があります。
マンジャロ注射で失敗したらどうなる?よくあるミスと対処法
薬液が注射器や皮膚から漏れてしまった
薬液の漏れは、マンジャロ投与時に最も頻繁に発生する失敗例です。
注射角度が不適切だったり注射器を早く離しすぎたりすることで、薬液が皮膚表面に流れ出てしまうためです。
薬液漏れが発生した場合は投与量が不明となるため、追加投与は絶対に行ってはいけません。
漏れた薬液の量に関わらず、その回の投与はそのままとし次回の予定日まで待機することが重要です。
注射が完了したかわからなくなってしまった
注射が完了したかわからない状況は、音が聞こえなかった場合や手順に不安を感じた際に発生します。
マンジャロは2回のカチッ音で投与の開始と完了を知らせる仕組みですが、周囲の騒音や聴力の問題で音を聞き逃す可能性があるためです。
音による確認ができない場合でも、透明部分の灰色ゴムピストンの位置で投与完了を判断できます。
ピストンが見えていれば薬液は適切に投与されており、追加投与の必要はありません。
注射完了の確認方法
- 透明部分の灰色ゴムピストンが見えているか確認する
- 2回目のカチッ音が聞こえるまで10秒以上待機する
- 注射器の針が自動的に戻っているかチェックする
- 20秒経過しても変化がない場合は医師に相談する
- 投与時間と手順を記録しておく
途中で注射器を離してしまい薬液の投与が中断された
途中で注射器を離してしまった場合でも、薬液の投与は自動的に継続される仕組みとなっています。
マンジャロの注入ボタンは一度押すと元に戻らない設計で、手を離しても注射プロセスが中断されることはないためです。
注射器を離したタイミングによって薬液の投与量に影響が出る可能性があるため、完了確認が重要となります。
透明部分の灰色ゴムピストンが見えていれば、手を離した後でも適切に投与されています。
中断時の対処方法
- 透明部分の灰色ゴムピストンの位置を確認する
- 2回目のカチッ音が聞こえるまで待機する
- 注射器を再度皮膚に押し当てない
- 追加投与は絶対に行わない
- 不安な場合は医師に状況を報告する
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